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中国の複数メディアが「トヨタ称賛」の異例。何がここまで評価されたのか?

今年4月に開催された上海モーターショー。これを機会に、中国メディアで日本の「トヨタ」車の評価が爆上がりしているようです。一体何が中国で起きているのでしょうか? 日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では、中国現地でのトヨタの評価に関する変化について詳しく掘り下げています。

トヨタ、上海ショーで現地評価に変化の兆し。外資の成功例とも

上海モーターショーを契機に2025年4月29日、中国自動車情報メディア2社が、いずれもトヨタを異例の高いトーンで称賛する記事を同日に配信した。

特段連係があったわけではなく、それぞれが別個に配信した偶然だとは思われる。

中国メディアがトヨタに対して好意的な論調を取ること自体は過去にも散見された。

しかし、「同日に、2社が系統立った肯定的評価を行った」点は極めて異例であり、注目に値する。

トヨタのどの点が中国メディアに評価されたのか。

日本語無しのプレゼン

中国自動車情報メディア2社は『自動車商業評論』と『自動車人視線』。

中国でもものすごく著名であるわけではないが、中国自動車業界に対する客観的な報道や論評で知られている。

両者とも共通して指摘したのは「人」だ。

トヨタ中国は先日、初めて中国人をトップである董事長に据えた。その李暉氏が初めて大規模なショーに登壇、プレゼンを行った。

また、bZ3X、bZ5、bZ7、次世代カローラの、それぞれの若い中国チーフエンジニア4人が登場した。

彼らによるプレゼンで、トヨタブースなのに、日本語無し、中国語オンリーのものになった。

ONE R&D体制

また、2社ともONE R&D体制に対して高く評価している。

トヨタは、トヨタ智能電動車開発センター(IEM by TOYOTA)と、一汽トヨタ、広汽トヨタ、BYDトヨタの開発拠点を統合し、中国独立の開発体系を確立。

さらに日本本社から中国へ開発決定権を移管している。

このONE R&D体制により、トヨタは一汽、広汽、BYDなどと連携し、企業の垣根を越えた人材交流・育成を行い、スマート電動技術の開発をスピーディーかつ効率的に推進している、とした。

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徹底したローカライズ

2社ともこうした動きを紹介し、『自動車商業評論』では、40年の歴史を持つ上海モーターショーにおいて、トヨタは象徴的な変革を遂げた。

1985年から2025年にかけ、中国自動車産業は「市場と技術の交換」から「技術輸出」へと進化してきたが、トヨタもこの歴史的転換点に的確に対応してきた。

「立全球、更中国(グローバルに立ち、中国に深く)」を掲げ、徹底したローカライズを実現。

その一つの証左が、レクサス単独出資の上海工場であり、管理体制・研究開発・商品開発・サプライチェーンまで全方位で中国向けに刷新した、と評価。

現地完結型へ

『自動車人視線』は、「中国人による中国市場向け商品開発」が本格化しており、単なる現地生産ではなく、現地でニーズを掴み、現地で設計・開発し、現地で最適な製品を生み出す体制が整った、とした。

bZシリーズはかなり中国限定シリーズの色合いを帯びてきているが、それが芽を出し始めているのは、ローカルチームの能力と自由裁量の結果とした。

外資成功のロールモデル

『自動車商業評論』は、トヨタの変革は単なる技術力の誇示ではなく、「安心・安全・先進」という三位一体の新たな価値体系に基づくものであり、それが外資系の中でも突出していると高く評価。

また、『自動車人視線』は、「トヨタのように、本当に現地チームに権限を委ねる覚悟を持った企業だけが、中国市場で新たな成功を掴める」と結び、トヨタを未来志向型の「成功する外資系」のロールモデルと位置付けた。

VWはドイツ人登場

bZシリーズのナンバリングには迷走感が垣間見えるトヨタだが、日本人の登壇がなかったことに対して、中国現地では強く印象に残った形。

そういえば、VWは今回の上海ショーで、本社のドイツ人トップが登壇していた。

現地のことは現地で、トヨタの思い切った中国改革が中国現地でも受け入れられ始め、トヨタの中国における評価を上書きしようとしている可能性がある。

出典: https://mp.weixin.qq.com/s/YCxL-tAnXnlpLKNmEElYNA

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image by:  Robert Way  / Shutterstock.com

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