「どうして部下が思うように動かないのか」「なぜ商談がかみ合わないのか」…そんな悩みを抱える営業職の方も少なくありません。実は、問題の本質は本人も気づかない深い部分に隠れていることが多いと語るのは、メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さん。表面的な言葉に惑わされず、真の課題にたどり着くための質問力について語っています。
聞き込む力を磨けば営業成績も人間関係も一気に改善される
個人コンサルティングでのこと。Zoomではなく直接話がしたいとのことだった。私もそのほうが好き。
相談者は営業スタッフAさん。
見るからに「かなり悩みを抱えているのだろうな」という感じがした。
事前に送ってもらったメールにはこのように書かれていた、
・部下が思うように動かない
・お客様と商談がうまく進まない
中堅営業ではよくある悩みだ。もちろんこの悩みもあるが「もっと本質的な問題があるのでは」と思っていた。
少し雑談をした後「今、一番困っているは何ですか?」と質問してみた。
分かっていることでも、あえて質問することで“別の切り口”が見つかることもある。
いくつか質問を重ねると、表面的には見えなかった“本当の問題”がじわじわと姿を現すもの。
Aさんと30分くらい話をした。話をしているうちに「雰囲気が変わったな」と思えた。少しずつ緊張感がほどけてきた感じだ。
話しているうちに“部下が動かない本当の理由”が見えてくる。
実際は指示の出し方ではなく“部下との関係に問題がある”ということ。Aさん自身はその点について自覚はなかった。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
Aさんは勉強熱心な人。コーチング理論などを応用し「君はこのタイプだからこのように行動して」と指示を出していた。
それが間違っているわけではない。部下と関係ができないうちに指示を出す。これが問題の本質だったのだ。
まずは部下の本心を聞き取るようにする。それから始めるべき。早とちりをしてはならない。
これは営業で例えるとよく理解できる。お客様と話がうまく進まないとする。その理由をこのように考える。
「この客は価格に不満があるな」
「この人は商品の理解が足りないのかもしれない」
しかし、実際はこのようなことではない。
たとえば「価格が高い」と言っていたお客様、実は「予算を出す理由が社内で弱い」ということもある。
別のケースでは、「機能に納得していない」と思われた顧客が、本当に困っていたのは「上司を納得させる資料が足りないこと」ということだったりする。
ようするに、表に出ている言葉は氷山の一角に過ぎない。問題の本質はもっと別のこと。しかも相手自身も気づいていないこともある。
だからこそ、営業で成果を出す人ほど“質問力”に優れている。
いろいろな角度から質問することで見えてくるもの。
ポイントは“なにか引っかかる”という部分に深く切り込むということ。
そうして本音に辿り着いたとき営業で結果は出る。また人はあなたのために動いてくれるのだ。
基本原則として“部下がやるべきことは、こちらが決めるのではない”ということ。
コンサルティングでも営業でも「こうすればいい」とアドバイスするのは簡単。
しかしそれではーーー(『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』2025年5月30日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)
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