最近よく「AI-nativeな会社を目指す」という言葉を聞きますが、人材紹介会社の場合はどんな会社になりますか?という疑問が世界的コンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』で、人材紹介会社がAI-nativeになった場合のイメージについて具体的なシナリオを紹介しています。
AI-nativeな人材紹介企業とは、どういうイメージになりますか。
Question
最近よくAI-nativeな会社を目指すべきとか聞きますが、人材紹介企業の場合は、どういうイメージになるのでしょうか。うまく想像できないので、教えていただけると幸いです。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。AI-nativeは今年のキーワードの一つで、AIで多くのことができる前提で、新たに会社のあり方をゼロベースで見直すことを言っています。
これは、過去数百年の最大のイノベーションだと考えています。これまでは人がいろいろなことを判断し、動いて価値を生み出してきました。AIのレベルが上がるにつれ、「状況を把握し」「判断し」「価値を生み出す」ことの大半をAIがやってくれるようになります。
人材紹介企業の場合は、
1. 仕事を探している人をXの投稿、それ以外のSNSの投稿などからAIが自動でクローリングし、探し出し、データベースに登録します。
2. 人を探している企業をIR資料、企業のウェブサイト、企業のブログ、企業の経営者インタビュー、人材採用サイトへの登録などからAIが自動でクローリングし、探し出し、データベースに登録します。
3. 登録時には、仕事を探している人、人を探している企業と契約を結びます。
4. それぞれのニーズをマッチングさせ、仕事を探している人にはマッチングした上位30社を紹介し、人を探している企業にはマッチングした上位30人を紹介し、希望を募ります。
5. 相互の希望がマッチングしたところから、AIが自動で相互の面接可能日程を確認し、マッチング状況に応じて、相互のカレンダーに入れていきます。
6. 仕事を探している人には、面接相手の企業の情報をAIが自動で作成し、提供し、面接練習も行って準備をさせます。
7. 人を探している企業には、面接相手の人に応じて、どういう質問をすべきかAIが自動で作成し、助言します。
8. 面接後の評価結果を提出してもらったら、二次面接に進むべきか、進むなら二次面接では何を確認すべきか、AIが自動で判断し、二次面接を設定し、面接結果に応じて三次面接に進みます。二次面接に進まない場合は、AIが自動で応募者に連絡し、他の企業を紹介します。
9. 合格した場合は、入社日の決定、入社条件のすり合わせなどをAIが自動で進めます。
10. 入社日までに必要なスキル獲得をAIが自動で提供し、準備を促します。
のようなことをイメージしてみてください。人間がやることはほぼなくなります。いかがでしょうか。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com