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「マドゥロ拘束」の衝撃。北朝鮮の金正恩体制は“第2のベネズエラ”にはならないのか?

米軍がベネズエラで軍事作戦を実行し、マドゥロ大統領夫妻を拘束・連行したという衝撃的なニュースは、国際社会に大きな波紋を広げました。この事態を北朝鮮の金正恩総書記はどのように受け止めたのか。メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、著者で宮塚コリア研究所代表の宮塚利雄さんが、朝鮮半島にも影を落とし始めたベネズエラの現実について語っています。

北朝鮮は第2のベネズエラにはならないのか

新年早々物騒な話が飛び込んできた。

米軍が軍事作戦を展開しベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、ニューヨーク市にある連邦政府の拘置所に大統領夫妻を拘留したというのである。

「ベネズエラ軍を無力化し、真夜中にマドゥロを拘束した。米軍の兵士は一人も死亡せず、信じがたいものだった」とトランプ大統領は3日の記者会見で作戦御成功を称賛した。

トランプ大統領が「第二次世界大戦後最も華々しいものだった」と成果を誇示した作戦とはどんなものだったのか。

米軍制服組トップのケイン統合参謀本部議長の説明によると、作戦名は「絶対の決意」と名付けられた。

トランプ大統領が作戦実行を命じたのは米東部時間の2日午後10時46分。西半球にある20か所の米軍基地から京城150機以上の爆撃機や戦闘機、偵察機が飛び立ったというから尋常な数ではない。

ベネズエラの防空システムを破壊し、マドゥロ大統領の拘束部隊を乗せたヘリコプターがカラカスに向かったという。

部隊は3日午前1時ころにマドゥロ大統領の滞在場所に突入し、大統領と妻を拘束したという。

この時、銃撃を受けるなどして戦闘が発生したが全機が帰還し、二人は米強襲揚陸艦に運ばれたとのこと。

この作戦は「数ヶ月にわたる計画と訓練の集大成」であったが、当然のことながら事前に「マドゥロ大統領の居場所を特定し、行動パターンや居住地、移動経路、食事、服装、ペットまでを把握していた」とのこと。

ケイン統合参謀本部議長は作戦の様子をリアルタイムで見ており、マドゥロ大統領が拘束直前に「鉄製のドアがある要塞のような厳重な警備区域にいた」と説明し、「マドゥロ大統領が「逃げ込もうとしたが、我々の突入があまりにも早く、そこにたどり着けなかった」と述べた。

もっとも、ことがここまで迅速にできたのは、米軍は侵入した建物と同じような家を事前に建設し、訓練を重ねていたという。

事前に突入する建物と同じような家を建設ということで思い出すのは、北朝鮮が韓国のソウルにスパイを侵入させるために、韓国から拉致してきた人物にソウルの街を再現させ、ソウル市民と同じような会話でショッピングをする訓練をさせていた、という脱北者の証言を思い出した。

このアメリカ軍によるベネズエラの大統領拘束と、アメリカへの連行のニュースは当然のことながら北朝鮮の金正恩総書記にも伝わっている。

金正恩総書記の動静は側近ですらも正確に把握していないようだが、今回の事件に接して心持は決して穏やかではないはずだ。

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朝鮮中央通信は昨年2025年12月25日、金正恩総書記が原子力潜水艦の建造事業を視察したと報じた。

そこで、金総書記は「最近、建造している攻撃型駆逐艦と原子力潜水艦は、わが艦隊の戦闘力を飛躍させ、安全守護に寄与するだろう」と述べた。

さらに、朝鮮中央通信は26日に金正恩総書記がミサイルや砲弾の向上を視察し、来年から生産能力を拡大するように指示し、「抑止力を高めるうえで特にミサイルと砲弾の生産部門が最も重要だ」と強調した。

さらに朝鮮中央通信は12月29日、黄海で28日に「長距離戦略巡航ミサイルの発射訓練」が行われたが、訓練を参観した金正恩総書記は「戦略的反撃能力の絶対的な信頼性と戦闘力に対する実践的な検証であり、明確な誇示になる」と主張した。この日ミサイルは2発発射された。

さらに年が明けた2026年1月3日に金正恩総書記は「戦術誘導兵器」などを清算する軍需工場を視察し、これらの兵器の生産能力を2・5倍ほど拡大するよう指示した。

北朝鮮は4日に弾道ミサイル数発を日本海に向けて発射したが、これは韓国の李在明大統領が4日から中国を訪れ5日に習近平国家主席と会談するのを念頭に置いての発射だったのか。

北朝鮮のメディアは1月2日、1日に金正恩総書記が金日成る主席と金正日総書記の遺体が安置されている平壌の錦繍山太陽宮殿を党幹部らと参拝したと報じた。

参拝では最前列の中央に娘の金主愛が、金正恩総書記と妻の李雪主がその両脇に立ち、党幹部らが後方に並ぶ構図となっていたが、金主愛が宮殿参拝に同行したことを北朝鮮メディアが配信した写真で初めて確認された。

内外に金主愛の存在感を印象図けるのが狙いで会ったか。いくら軍備を拡張し、娘を後継者づくりに勤しんでいるようだが、今回のベネズエラ大統領拘束という事件では、大統領周辺からの情報が大きかったという。

金正恩総書記の胸中は穏やかではないはずだ。(宮塚コリア研究所 代表 宮塚利雄)

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image by: Shutterstock.com

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元山梨学院大学教授の宮塚利雄が、甲府に立ち上げた宮塚コリア研究所から送るメールマガジンです。北朝鮮情勢を中心にアジア全般を含めた情勢分析を独特の切り口で披露します。また朝鮮半島と日本の関わりや話題についてもゼミ、そして雑感もふくめ展開していきます。テレビなどのメディアでは決して話せないマル秘情報もお届けします。長年の研究対象である焼肉やパチンコだけではなく、ディープな在日朝鮮・韓国社会についての見識や朝鮮総連と民団のイロハなどについても語ります。

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