探偵事務所を選ぶ際、料金や実績を比較する方は多いでしょう。しかし、同じように見える探偵事務所でも、調査員の技術や調査方針の立て方によって、得られる結果は変わる可能性があります。今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、探偵業界の視点から、調査力と提案力という2つの観点で事務所ごとのスキルの違いを解説し、依頼先を選ぶ際に確認したいポイントを紹介します。
探偵事務所のスキルの差
先日、お客様と探偵業界について話していたところ、「探偵事務所のスキルの差は、どこに表れるのですか?」という質問を受けました。
探偵業界にいる人間であれば、事務所や調査員による技術の差をなんとなくイメージできます。
しかし、一般の方からすると、それぞれの探偵事務所がどの程度の技術を持っているのか、外から判断することは難しいと思います。
「どこへ依頼しても同じで、違うのは料金だけ」と思われることもありますが、実際には明確なスキルの差があるんです!
細かく分ければ数多くありますが、大きく分類すると、探偵に必要な能力は「調査力」と「提案力」の2つ。
◯現場で求められる調査力
現場における基本的な技術には、
- 張り込み力
- 尾行力
- 撮影力
があります。
一般的には、これらをまとめて「調査が上手い」と表現します。
しかし、実際にはそれぞれ別の技術です。
長時間その場に溶け込みながら対象者を待つ張り込み。
相手に気づかれず、その動きを追い続ける尾行。
必要な場面を逃さず、証拠として使える映像を残す撮影。
ただし、探偵同士で調査員の能力を見るときには、細かな上手さを競うというより、必要な水準を超えているかどうかを重視しています。
任せておけば、特別なイレギュラーがない限り、張り込み、尾行、撮影を行い、必要な情報や証拠を持ち帰ることができる。
多くの一般的な案件を、安定して完遂できる。
その水準に達していれば、一定以上の調査力を持った探偵だと言えます。
調査歴が長ければ、必ず技術が高いというわけでもありません。
2~3年目の探偵が、10年、20年と経験している探偵より優れていることもあります。
重要なのは、単純な年数ではありません。
どのような現場を、どの程度経験してきたのか。
誰から、どのような方法で教わったのか。
そして、一つひとつの失敗や成功を、次の調査へ生かしてきたのか。
こうした経験の中身によって、調査員の技術には大きな差が生まれます。
この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ
そしてもう一つ、一般の方からは見えにくい重要な能力があります。
それが「提案力」です。
どれだけ現場の技術が高くても、調査する日時や方法が対象者の行動と合っていなければ、結果にはつながりません。
例えば、ある探偵は、「平日の朝6時から夕方6時まで、週5日調査しましょう」と提案します。
別の探偵は、「金曜日と土曜日の17時から24時まで、まずは2日間調査しましょう」と提案します。
探偵の料金は、調査時間に応じて加算されることが一般的です。
もし対象者が金曜日や土曜日の夜に動く可能性が高ければ、後者の方が少ない費用で必要な証拠を得られるかもしれません。
一方で、その見立てが外れれば、2日間調査しても何も起きず、「最初から、もっと広い時間帯で調査しておけばよかった」という結果になる可能性もあります。
調査範囲を広げれば、対象者の動きを捉えられる可能性は高くなりますが、費用も大きくなります。
反対に、日時を絞れば費用は抑えられますが、動きを逃すリスクが高くなります。
依頼者から状況を詳しく聞き取り、対象者の性格や生活パターン、過去の行動、調査の目的、使える予算を踏まえて、最も可能性の高い方法を組み立てる。
この判断こそが、探偵の提案力!なんです。
と言うことで、探偵事務所のスキルを大きく分けると、現場で証拠を得るための「調査力」と、限られた予算の中で調査を設計する「提案力」になります。
この二つを確認したうえで、初めて料金を比較する意味が生まれます。
料金が安くても、適切な提案がなく、必要な証拠を得られなければ、結果的には高い買い物になります。
一方で、料金が高いからといって、必ず調査力や提案力が優れているわけでもありません。
業界にいる僕の感覚では、この二つが優れている探偵事務所ほど、極端に高額な料金を設定しているわけではなく、業界の中間程度の料金で運営していることが多い印象です。
探偵事務所へ相談する際には、料金だけでなく、
「なぜ、この日時に調査するのか」
「なぜ、この人数や時間が必要なのか」
「予算の中で、どこまでの結果を目指すのか」
を聞いてみるとよいでしょう。
その説明に具体性と納得感があるかどうか。
そこにも、その探偵事務所のスキルが表れます!
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