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株式からの資金大移動と「ウクライナ後」の為替相場シナリオ。米金融引き締め、台湾有事の先を読む=馬渕磨理子

ウクライナ戦争の長期化と米利上げへの懸念から、乱高下を繰り返している金融市場。一時は世界同時株安と言える状況にまで下がった各国の株価指数も、直近では日経平均をはじめとしてほぼ値を戻しています。為替相場に目を向ければ「有事の円買い」がなぜか今回は起きず、6年ぶりの円安・ドル高水準となっています。先が読めないこの相場で、私たち個人投資家はどう資産を守って増やせばよいのでしょうか?現在の相場状況と今後の展望について、経済アナリストの馬渕磨理子さんに解説していただきました。本記事の後半では、この荒れ相場をチャンスととらえて資産アップを狙う投資家たちから「リスクを限定できるから“攻め”の投資ができる」と注目されているFX&株価指数ノックアウトオプションについてもご紹介します。

プロフィール:馬渕磨理子(まぶち まりこ)
経済アナリスト。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院、公共政策修士。医療法人で資産運用・管理を行い、そこで学んだ財務分析・経営分析を生かし、金融情報配信会社であるフィスコでアナリストとして、個別銘柄・市況の分析を行う。全国各地で個人投資家向けセミナーで講師として多数登壇。現在は日本クラウドキャピタルでマーケティングに従事。大学時代はミス同志社を受賞。

ウクライナ侵攻前から見えていた荒れ相場。株式からの資金大移動が始まっている

予想外に起きたロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、世界経済の混乱が続いています。とはいえ、開戦はもう1ヶ月前のこと。マーケットはウクライナ情勢を織り込み、次の材料を求めて動き出しています。

そもそも、2020年春に起きたコロナショック以降「上昇トレンド」だった株価が調整入りすることは、ウクライナ侵攻前から見えていたとも言えます。株価を押し上げる要因となった金融緩和の終わりが意識され、FRBの利上げ・量的引き締め(QT)に注目が集まり、昨年末からすでに調整が始まっていました。その調整がウクライナ情勢によってさらに加速し、資源高・商品高に拍車をかけています。

一方、突然の有事を受けて米国の景気・物価の先行き不透明感が強まったことで、利上げペースはやや緩やかになるとの観測も出ていました。しかしながら、ロシア制裁によってエネルギー価格の高騰が続けば、インフレリスクはさらに高まり、米利上げ・QTの必要性もさらに増していく状況です。実際に3月15日・16日の行われたFOMCでは、2022年末には政策金利が約1.9%に達するとの見通しを示し、ウクライナ危機が始まる前の予想を大幅に上回るペースの利上げを示唆しています。

先が読めないこの金融市場で、個人投資家はどんな戦略で相場と向き合うべきでしょうか。まずはかんたんに現在の相場状況を確認しておきましょう。

米利上げによる、日米の金利差の拡大から円安・ドル高が加速しています。また、地政学リスクから安全資産としての金が投資対象となり、金属価格の上昇によって商品市況にも資金が流入しています。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

金(現物 1oz.あたり)日足(SBI証券提供)

金(現物 1oz.あたり)日足(SBI証券提供)

大規模金融緩和から利上げに方針転換がなされるなかで、株式市場以外にもリターンを得られる市場への資金移動が始まっています。

為替相場に投資妙味も

株式市場の不安定さから安全資産である金(ゴールド)に資金が移動している一方、この荒れ相場を投資チャンスととらえて「攻め」の意味合いで為替相場に参入する投資家も増えていると言います。

2022年はドル円相場の大きな転換点に立っているとも言えるでしょう。1ドル=110円前後の「心地いいレート」で安定していたのは昨年秋頃までのこと。直近でもさらに大きく円安に振れましたが、利上げほか日米の金融政策格差でさらに乱高下することが予想されます。またウクライナ情勢のよる国同士のパワーバランスの変化から、FXに投資妙味があると見ています。

ドル円は米利上げを背景に121円超の円安となっていますが、125円水準までの円安はあり得ます。黒田総裁が3月18日の金融政策決定会合後の会見で「為替の円安が日本経済にプラスという基本構造に変化はない」との認識を示したことを受けて、さらに円安基調が強まっています。過去、地政学リスクが高まると「円が安全資産」として買われ、円高になる傾向がありました。しかし、今回のウクライナ情勢では「円買い」は今のところ、発動していません。米利上げによって「最も安心できる通貨=ドル」だとの認識から「ドル買い」の流れが継続しています。

もう1つ注目したい通貨ペアとしてユーロ・ドルが挙げられます。ユーロ・ドルは、ウクライナ情勢を巡り、ユーロ圏景気の下押し懸念によって「ユーロ安」圧力となっています。しかし、年後半以降は、インフレに対するECBのタカ派スタンスにより、ユーロは底堅さを取り戻す見通しです。

とはいえ、過度にレバレッジをかけて投資するのは危険です。株式投資と同じように中長期の視点をしっかりと持ち、世の中のトレンドがどっちに向いているのかを意識しながら投資することが大切だと思っています。

「台湾有事」も起こりうる!?

この数年だけでも、新型コロナウイルス蔓延やウクライナ危機など想定していなかった出来事が立て続けに起きています。

そして、にわかに懸念されているのが「台湾有事」です。実際のところはわかりませんが、欧米メディアが可能性について言及しはじめたということは、株価や為替もそれを織り込んで動くということに注意が必要になってきます。

「台湾有事」が起きた場合は、ウクライナ情勢よりも日本への影響は大きいものになると予想されています。台湾有事は、米中の対立になりますので、地政学リスクを懸念し、NYダウ・S&P500などのインデックスに下落圧力がかかり、日本株にも影響を与えることになります。

中国関連のFA機器メーカーや半導体関連企業のダメージは大きいものになり、サプライチェーンの混乱から、日本の基幹産業である自動車企業にも深い影響を与える可能性があります。また、株価下落の際に、見るべき指標の1つにVIX指数(恐怖指数)があります。10~20:「市場が安定している」、30:「警戒領域」、40:「パニック状態」であり、VIXが40まで上昇すると、下落相場が底打ちする確率が高いと言えます。株式市場や為替相場において「市場全体が落ち着きそうだ」というアンテナを貼る意味で、活用できる指標です。

先が読めない相場だからこそ、いろいろな投資先・手法について学べるよい機会だと思っています。株式投資だけでなく商品・債券・FX・株価指数先物取引などにも目を向けることで、想定外のことが起きたときにも崩れない資産を築けるはずです。

リスクを限定して「攻め」の投資ができるノックアウトオプション

この荒れ相場でどう資産を守って増やせばよいのか。ここからはマネーボイス編集部が、いま投資家の間でFXや株価指数トレードにおいて「リスクを限定できるから攻めの投資ができる」と話題になっているFOREX.comの『ノックアウトオプション』について解説します。

ノックアウトオプションとは、最初に最大損失額(損切りが確定するノックアウトレベル)を決めて、ドル円・ユーロ円・株価指数(日経225・ダウ工業株平均・S&P500)といった原資産をトレードするという、非常にシンプルなオプション取引です。含み益については、取引時間中であれば、いつでも確定することが可能です。

「これって普通のFXや株価指数CFDとどう違うの?」とお思いの方も多いことでしょう。実際にFXや株価指数CFDとほとんど同じ感覚で取引することができますが、大きな違いは2つあります。

特徴その1:最大損失額を最初に決められる(利益は限定されない)

1つは、ノックアウトレベルという「最大損失額を最初に決める」という点です。

トレードをしたことのある方はわかると思いますが、損切りというのは非常に難しいもの。それを意思の力ではなく事前にシステマチックに決定することによって、想定を超えた損失を避けることができます。

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また、「最大損失額 =(イコール)オプション購入金額」となりますので、最大で自分がどれぐらい損をするのか、事前にリスク許容値を設定することで、わかりやすく「透明性の高い」取引が可能となります。

特徴その2:資金効率が良い(少ない証拠金で取引できる)

また、もう1つは、少ない証拠金で取引ができるという点が挙げられるでしょう。たとえば、通常のFXではドル円を1万通貨取引きするために、最低でも4〜5万円の証拠金が必要となります。

しかしノックアウトオプションの場合は、自分の決めた最大損失額が購入金額となりますから、同じ1万通貨の取引であっても、最小で1,500円程度から取引が可能です(さらに1,000通貨単位の取引にも対応しているため、最小150円程度から取引が可能)。日経225などの株価指数トレードでも数千円から取引が可能で、夜間・祝日でもほぼ24時間トレードができることが強みと言えるでしょう。

このように通常のFXや株価指数CFDよりも少ない資金で同じ数量の取引が可能なことから、「資金効率が良い」ということが言えるでしょう。※購入金額(最大リスク金額)が小さいと、ノックアウトされる可能性が高いというリスクもあります。

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この「透明性が高く」初心者でもリスクが見えやすくリスクをコントロールしやすいこと、少ない資金でも「資金効率の良い」取引が可能ということが、ノックアウトオプションの大きなメリットとなります。

この他、通常のFX取引では逆指値でスリッページ(指定レートで約定しないこと)が発生して想定外の損失を負うこともありますが、ノックアウトオプションはオプション取引であるため、最初に決めた以上の額を損することはありません。

ウクライナ情勢や各国の金融政策によって乱高下を繰り返す「荒れ相場」で大きく資産を増やしたい投資家にとって、週をまたいだ「窓開け」においても損失が限定的である点は非常に魅力的です。

リスク管理を徹底できて、少ない証拠金で取引ができる。この「ノックアウトオプション」を上手に活用することが、荒れ相場を追い風に資産を増やせる勝ち組投資家になるための条件となりそうです。

【概要】
商号等:ストーンエックスフィナンシャル株式会社
金融商品取引業:関東財務局長(金商)第291号
加入協会等:一般社団法人 金融先物取引業協会 会員番号1539
日本証券業協会

外国為替証拠金取引(FX取引)、CFD取引及びオプション取引(以下、「すべての取引」といいます。)は、元本および収益が保証されているものではありません。FX取引及びCFD取引はレバレッジを利用して取引代金に比較して少額の証拠金で取引を行うために、相場の変動による価格変動やスワップポイントの変動により、思わぬ損失が発生する場合があります。オプション取引の場合、予測と反対方向に外国為替市場が動き原資産価格がノックアウトレベルに達すると価値はゼロとなります。想定した前提と異なる場合や金利調整額、円転レートの変動により、口座残高がマイナスとなるリスクがあります。

文:マネーボイス編集部
image by:FOREX.com, Da Antipina / Shutterstock.com
PR:FOREX.com

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