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予約ミスした米航空会社がヒドい対応「次便にすれば飯おごってやるよ」

日本の航空会社でダブルブッキングが起こった場合、丁重にお詫びをされるはず。しかし、その常識はアメリカでは一切通用しなかった!? マンハッタン在住で米国邦字新聞「WEEKLY Biz」発行人・高橋克明さんのメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、アメリカの航空会社のまさかの対応が語られています。

アメリカってこんな国

出張。 たぶん50回目くらいのロサンゼルス。

一睡もせずに早朝JFKへ。

搭乗すると僕の席に、すでにメガネの初老の白人女性が座ってました。 間違いなく僕の席。

「Mrs.、そこたぶん僕の席です」

おかあさん、僕を一瞥してひとこと「NO」と言って、次の瞬間には読んでた雑誌に目を落とします。

いや、いや、確認してよ。 狭い通路、後ろから来る人も(僕に)怒ってます。

揉めてるうちにCAがめんどくさそうにやってきて、さすがにオバサン、CAには自分のチケットをしぶしぶ見せました。

航空会社のミスらしく、ダブルブッキング。 僕とその女性の搭乗券には同じ席番が記載されていました。

「See! (ほらっ!)」と勝ち誇った顔で僕を見るけど、オレも間違えてないんだけどな。 とりあえずぐっと我慢しました。

CAのお姉さんに、とりあえずなんとかするから待ってて! となぜか半ギレ気味に言われ、その場に僕は携帯まくらを持ったまま放置されました。

後から入ってくる人、くる人に、迷惑そうな顔されます。

こんな場合、アメリカでは、日本の航空会社のように「大変申し訳ございません! このまま少々お待ち頂けますか」と謝られることは皆無です。 被害者の僕のほうがなぜか怒られてる感満々です(それ以前に、日本では、ダブルブッキングされた場合、先に座ったもん勝ち! な空気もない)。

全員が着席するまで、文字通り居場所もないまま、狭い通路で待たされる。

もう15年もこの国で生活すると慣れてきたなぁ…日本という国のほうが世界ではまれなんだろうなぁ……とか、ぼーっと考えていたところ。
全員満員ブックになりました。 空いてる席がない

メガネのオバサン、当然の権利のように座ったまま。 CAさんたち「困ったコね~」みたいな感じで、枕を抱えたまま通路に立ってるアジア人(僕)に視線を向けてくる。

どうするんだろう…と(なぜか)申し訳ない気持ちで(全然悪くないのに)立っていると、

機内に呼ばれたであろう、スーツを着た責任者(50代?インド系)のおっさんがズボンに手を入れたままやってきました。

CAさん、「あれよ、例の問題児」みたいな感じで僕を指差します。

ジェネラルマネージャーと書かれたネームをした、その小男「あー、あいつか」とズボンのポケットに片手を突っ込んだまま、もう片方の手でちょいちょいと僕を呼ぶ。 なんだよ、と日本語で僕も行く。

「っったいっっへん、申し訳ございませんッ!!! 弊社のミスでございます!! お客様には多大なご迷惑をおかけ致しましたので、ファーストクラスをご用意させて頂きますので、もし可能でございましたら、次の便への変更をして頂けませんでしょうか。 なお、お食事等ももちろん弊社にて持たせて頂きますので」

……と謝ることなんてあるわけなく

まさかのアメリカの航空会社の対応とは

おもむろにイキナリ僕の肩に腕を回してきて、

なぁ、朝メシ食ったか?

はぁ?

「そこにSbarroあるからさ。 おごってやるよ

そことは、空港内のフードコート。 Sbarroとは、全米どこにでもある、やっすいファーストフード

ニヤニヤしながら「人生そんなに焦ってどうすんだよ、のんびり行こうぜ♪ 80分後にロス行きのフライトがあるからさ。 それに乗んなよ。 悪いこと言わない。 Sbarroで好きなもん食ってから行ったほうがいいって」

先にまず謝れよ

いまのとこ“SORRY”のひとことも聞いてないぞ。 なんて、言うつもりも、もうありません。 この国のサービスに対して。

「悪いけど、ロスの空港に人待たせてるんだ」なんとか自分を抑えて穏便に断りました。(チッと舌打ちされたときはさすがにキレそうになったけどw)。

そのあと、CAが場内アナウンスで、乗客の中から、次の便に変更してくれる人を募る。 その間もオレ通路立ちっぱなし。

機内、まだ離陸できないのは、こいつのせいって言われてるみたい(笑)。

機内、僕のせいでフライトできない空気が蔓延。 結構、みんなに睨まれる。

そのとき20代の女性が手を挙げて「アタシ、別に急いでないから」と立候補して席を立ちました。

場内からは「おー!」と賞賛の声。 パチパチと拍手するひとまで。

それにひきかえ、おまえは」みたいな目でみんなに見られる。

彼女とすれ違う際、絶対言うまいと思っていた言葉が我慢できず、つい出てしまいました。

I’m sorry…

カチューシャをしていたその子は「That’s OK!」と微笑みました。

6時間の機上。 窓の外、涙をこらえて見る(w

これがアメリカですw 憧れることなんて一切ないよw

日本の航空会社だと、どんな対応してくれるんだろう…。

もう忘れてしまったことが悲しい。

少なくとも、Sbarroではないはずだ

image by: Shutterstock

 

『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 より一部抜粋

著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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