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大学は偏差値より「どんな大学生活を送りたいか」で選ぶと後悔しない

大学受験の季節が近づいてきましたね。「やりたいことが見つからない」、けれど「行きたい大学を決めないと勉強が間に合わなくなってしまう」と焦りだす時期でもあるのではないでしょうか。家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんがメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』にて、読者からの質問に答える形で「大学選びのコツ」を紹介しています。

迷う大学選び、どうしたらいい?

今高校2年です。大学進学を目指していますが、やりたいことが見つからずどの大学を受験するか迷います。

僕の通う高校は、進学校なので周りの友人たちは皆すでに大学を絞り、受験に向けてスタートしています。

しかし僕は志望する学部や大学をどう決めていいのかわかりません。

 (静岡市在住 K・Hさん 高校2年男子)

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答

よく受ける相談です。決め方は人それぞれです。

何をやりたいのか、将来何になりたいのかが見えていない方達に私がお勧めするのは、「合格できるかどうか」よりも「どんな大学生活を送りたいのか」を基準にして考えることです。

以下の3つのポイントに留意してみてください。

1.得意・不得意よりも好きか嫌いか

幼い頃から図鑑の鉱物ページを見るのが大好きな女生徒は、将来理系に進み、材料に携わる仕事をしたいと思っていましたが、数学が大の苦手で、理系に進むことを諦めるよう、周りから言われました。けれども、「好きなことをしたいから」という気持ちは、苦手な科目を克服できるほどのパワーをもたらすものです。

彼女はものすごい努力の結果、希望通り私立理系に入学し、今では好きな研究に没頭でき、学生生活を楽しんでいます。

一例に過ぎませんが、得意だから、という理由よりも、好きだから、という理由の方がモチベーションが上がるものです。得意でなくても、本当に好きならば、是非とことん挑戦してみてください。

2.学部、学科の枠を超えて幅広く履修できる大学を

〇文理どちらの分野も学べる

〇選択できる専門分野の幅が広い

〇学部や学科の枠を超えて履修できる

といった大学を選ぶのも一つの手です。

大学に入って初めて興味の湧く学問に出会うこともあります。焦らずに、4年間で自分のやりたいことを見つけると言うスタンスでも良いのです。

3.大学の雰囲気が自分に合うかどうか

偏差値は幾つもある大学の評価基準の一つに過ぎません。偏差値は同じでも大学の雰囲気は全く違いますし、集まる学生の雰囲気も異なります。自分の学力にあった偏差値でも建学の理念、校風などを調べることはとても必要です。

4年間を過ごすことになる大学のロケーション、友達と授業後に過ごす場所があるか、建物や施設がどれくらい整備されているか、さらに留学制度の充実度、キャリア支援の内容、資格取得へのサポートなども、しっかり把握したうえで志望校を決めましょう。

次ページ>>「三日会わざれば刮目して見よ」とはよく言ったもの

◆家庭教育アドバイス・・・「三日会わざれば刮目して見よ

いい大学とは人によって様々です。けれども卒業するときに、この大学に入って良かったと思えること、卒業して何年も経った後に、あの大学を卒業して良かった、と心から思えることだと思います。

 18歳からの4年間に、どのような人に出会い、何を学び、どんな体験をするのかによって人生の方向性は違ってきます。

ブランドや偏差値だけで判断するのではなく、自分が何をしたいのか、学びたいのか、そしてその大学は自分に何を気づかせてくれるのか、力を付けてくれるのかと言った観点で選びましょう。

今年社会人になった私の教え子は、中学生当時不登校でした。勉強もできる部類ではなく、むしろ下位の生徒でした。定時制高校に進んだ彼女は、そこで共に学んだ友人と、短大進学後に出会った教員に触発され不登校時代に熱中していたアニメを描くことを本格化しました。

それと同時に、人気マンガ・アニメ・ゲームなどのキャラのコスプレを楽しむ趣味も見つけました。そしてこの春、大手のアニメーション制作会社に就職し、キラキラと輝いています。

 何と素晴らしいことでしょう。

三日会わざれば刮目して見よ」とはよく言ったものです。

短大に入り、人生の幅を広げ、趣味も見つけたのです。

大学合格だけが人生の目標ではありませんが、より豊かな人生を送るためにも、大学生活大きな転機となるはずです。このような点からも自分の通う大学をじっくり吟味しましょう。

image by: shutterstock

 

子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育

家 庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でで きる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校 生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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