中国による南シナ海埋め立て問題が騒がしい昨今、今度は尖閣諸島や沖縄が中国に狙われているという話もよく聞こえてきます。しかし、「まさか、今の時代に中国がそんなこと……」と楽観視していられるのでしょうか。メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』は、その考え方こそ「平和ボケ」であり、日本と中国との「戦争」はもう始まっている、と断言しています。
あなたをだます「今の時代に」というキーワード
「中国は、尖閣だけでなく、沖縄も狙っている」
この件について、相当著名な方でも、「必殺キーワード」を使うことがあります。
「必殺キーワード」とは、【今の時代に】です。
皆さんもきっと、どこかで目にしたことがあるでしょう。
中国の脅威について、「【今の時代に】そんなことがあると信じられますか???」
で、有名な先生にそういわれると、素直な人は、「そうだよな~。【今の時代に】ありえないよな」。
ところで「今の時代」ってなんでしょう? そう、「平和な時代だ」といってるわけです。確かに、日本は、ここ70年間戦争をしていません。だから、「平和な時代だ」と思っている。
しかし、「今の時代 = 平和な時代」というのは事実ではありません。「今の時代 = 平和な時代 = 平和ボケ」です。「事実」を見てみましょう。
21世紀は「戦争」の世紀
「今の時代に」という枕詞に、「21世紀」という言葉が伴われることがあります。
「21世紀の今の時代に」
こう表現すると、「人類はとっくの昔に戦争時代を終わらせた」というニュアンスがあります。
しかし、それは単なる「平和ボケ」。実際、「21世紀」は、現在まで「戦争の世紀」になっています。
証拠をお見せしましょう。
2001年9月11日、アメリカで「同時多発テロ」が起こりました。
2001年10月、アフガン戦争開始。この戦争は、14年経過した現在もつづいています。
2003年3月~、イラク戦争。
2008年8月、ロシアーグルジア戦争。グルジアはこの戦争の結果、「アプハジア」と「南オセチア」を事実上失いました。
2011年、リビア戦争。
2013年8月、オバマ「シリア戦争開始」を宣言するも、断念。
2014年3月、ロシア、クリミアを併合。ウクライナで内戦ぼっ発。実際は、欧米とロシアの「代理戦争」。
2014年8月、アメリカ、「イスラム国」空爆を開始。
2015年5月、「南シナ海埋め立て問題」で米中関係が悪化。「軍事衝突」を懸念する声が聞かれるようになる。
2015年9月、ロシア、「イスラム国」およびシリア「反体制派」への空爆を開始。
2015年10月、アメリカ「航行の自由」作戦実施。再び「米中軍事衝突」の懸念が。
思いついたできごとを列挙してみました。
皆さん、これを読んで、
「あ~~~、今の時代は、平和じゃのう。20世紀で人類は戦争を卒業した。平和な21世紀万歳!」と思われましたか?
「今の時代に、中国が」のウソ
実をいうと、「今の時代に」という、「思考を停止させる」「必殺技」は、ある国を守るために使われます。
そう、「中国」です。
「21世紀の今の時代、中国が尖閣を奪いにくるなんて、皆さん信じられますか???」
こう偉い先生に聞かれると、世界で何が起こっているか全然関心のない人たちは、
「そうだよね~~。今の時代に中国が尖閣をとりにくるわけないよね~~~」と信じてしまう。
そして、中国の脅威を語る人がいると、
「戦争を煽るな!」
「右翼だ!」
などといって、非難する。
日本と中国の間で、ここ数年何が起こったのか見てみましょう。
2010年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」。
この事件の後、中国は世界中で、「尖閣はわが国固有の領土であり『核心的利益』である!!!」と宣言しました。
そして、自分が悪いにも関わらず、次々と過酷な制裁を課し、日本と世界を仰天させた。
中でも、「レアアース輸出禁止」措置は、中国の異常性を世界に示す大きなできごとでした。
2012年9月、日本政府、尖閣を「国有化」。
2012年11月、中国の代表団は、モスクワで「対日戦略」を明らかにします。
その概要は、
1、中国、ロシア、韓国で、「反日統一共同戦線」をつくろう!
2、中ロ韓共同で、日本の領土要求を断念させよう!
日本に断念させる領土とは、
・北方領土
・竹島
・【沖縄】(日本に沖縄の領有権はない!と断言)
3、アメリカを「反日統一共同戦線」に入れよう!
これが「今の時代」に起こっていることです。
中国は明確に、「反日統一共同戦線」をつくり、「日本を破滅に追い込もう」としている。
それで私は、2012年11月から、「戦争状態にある」と認識しています。
なんといっても、戦争は、「実際の戦闘」の前に、「情報戦」「経済戦」がある。
今、日中間は、「情報戦」の段階なのです。
とはいえ、日本は「戦争がはじまっていること」も知らない。
それで、事実上「サンドバック状態」にあります。
しかし、少し希望も見えてきました。
前号で触れましたが、アメリカの「超大物スパイ」ピルズベリーさんが、その著書「China2049」の中で、「中国世界制覇計画」を暴露してくれたからです。
CIA,国防総省、FBIの協力でできあがった驚愕の本。
これでアメリカの国論は変わり、「パンダハガー」(親中派)は一掃されることでしょう。
「またアメリカが頼り」で、まったく情けないですが仕方ありません。
日本では相当の知識人でも、「今の時代に中国が尖閣をとりにくるなんてありませんよ」なんていってるくらいですから。
ちなみに「China2049」で明かされる、衝撃の事実の数々。
ダイヤモンドオンラインさんに記事を書きました。
ものすごい反響で、出てからしばらくトップを独走していました。
まだの方は、是非ご一読ください。
そして、この歴史的名著、是非実際に読んでみてください。
image by: Shutterstock.com
メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』より一部抜粋
著者/北野幸伯
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