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東條英機のひ孫に「儲け話」や「末裔」名乗り近づく、実に怪しい人々

A級戦犯として裁かれた東條英機氏を曽祖父に持つ東條英利さんは、9年前に裸一貫同然で独立しました。東條さんは自身のメルマガ『東條英利の「日本の見方」』の中で、今まで出逢った「儲け話」を持ちかけてきたり「●●の末裔」を名乗るなど、さまざまなタイプの「怪しい人々」について詳細に語っています。なかなか他では語られない、ちょっと「危ない香り」のする話が満載ですよ。

グレーな住人

さてさて、私も独立してからおよそ9年の月日が経とうとしている。思えば、何だかんだ、よく続いているものだと自分ながらに感心さえもするが、もちろん、この9年は決して平坦な道のりだったという訳ではない。

それなりの失敗もあれば、それなりの苦悩もしている。まぁ、今を思えば、かなり寄り道も多かった気もしないでもないが(笑)、結果的に見れば、これもそれなりに必要な時間だったとも言えるだろう。

そんな9年間を振り返った時に、一つ言えることがある。それは、「人付き合いの選び方は慎重に!」ということだ。私もこうした出自というのもあるし、独立当初は何ら人脈も持たず、裸一貫で世に出た部分も少なくないので、それなりに交流会といった人の集まるところに顔を出したものだ。

それだけに、お会いした人を数えてみれば相当数に上るし(一万人以上は軽く超えるだろう)、それなりに様々なタイプの人たちと遭遇してきたとも言える。ただ、こうした家に生まれると、ちょっと厄介な、というか、怪しげな面々と相対することも少なくない。

というわけで、今回は、他ではあまり語れない部分として、私が今までお会いしてきた実に怪しい方々について、語ることの出来る範囲にて少し回数を分けて、お話をしてみたいと思う。

一部、センシティブになる可能性もあるので、極力外部への発言は慎んで頂ければとは思うが、もし、こうした経験が人と接する上で何かしらの参考としてお役立て頂けるようであればなお幸いでもある。一応、分かりやすくするため、こうした方々を「グレーな住人」とだけ呼んでおこう(笑)。

そんな住人の特徴も、傾向で申し上げればいくつかの特徴に分けることができる。「神社人」をやっていることから、いわゆるスピリチュアルな方々からのアプローチはもちろんのこと、そのまま特定の宗教団体からのお誘いを受けることも少なくない。

また、「東條」という名前がある意味、全国区なので、それなりの影響力を見越してか、怪しいビジネスに誘ってくる輩もいる。私なんぞ、何も力はないんですけどねぇ(笑)。

内容的には、マルチ系はもちろんこと、詐欺的な投資話なんかもあるから実に怖い。無論、私もそこまでバカではないので、安易に乗っかるような真似はしないが、それでも一時はこうした人たちのあまりの多さにこの世の終焉を感じることもあったくらい。とりわけ、東京という街にはそんな話が尽きないようだ。

また、こうした禍々しい話題を振りまく方々の特徴に多いのが、何かしらの権威という衣をまとおうとしようとする、もしくはまとっていること。

もっとも分かりやすいもので言えば、やはり著名人との関係性を強調する場合なんかは最たるもので、要するに、他人のふんどしで相撲を取ろうとするようなもの。

特に、注意しなければならないのは、そうした著名人との関係性において、「知っている」というレベルと「実際に動かすことができる」レベルとでは大きな違いがあるのだが、権威付けで話題を振りまくタイプは得てして前者の場合が多いことがある。

私も単純な話題の一つとして、著名人の名前が上がることはあるが、この手のタイプはあくまで自身の「信用」を引き出すためのツールとして用いるので、その点は注意が必要と言えるだろう。

実はこのロジックは普通のビジネスにも言えることで、一時、中国市場への進出ブームが起こった時、まことしやかに言われていた禁断フレーズがあった。それが、「○○のナンバー2、または親戚が協力をしてくれる」というもので、中国進出への足掛かりとして、こうしたコネクションに期待される方は往々にして失敗に終わることが多い

何故なら、物を売るのはそのコネクターではないからだ。結局、同じようなトリックで期待だけで終わるケースを私も何度も見ている。まぁ、期待してしまうのも分からなくはないが、実際そんなもんである。

同じような話は中国以外にも聞くことはある。むかし、あるアフリカの小国で、金鉱脈の採掘権の話を聞かされたことがあったが、この時も現地の大統領とのツーショット写真を見せられた。

まぁ、実際、当該国があまりに無名過ぎて、いきなり言われても、その大統領と思しき人物が本物かどうかの確証すら得ることはできなかったが(笑)、これも話の内容に信用を添えるための方策である。

無論、その真偽は分からないが、少なくとも、話を正せば、当該国は日本と国交すらないようで、そんな不確実な条件で莫大な権益の話を主張されても、「左様ですか」となるわけがない(笑)。少なくとも今までこうした権益的な話をほうぼうから耳にしたことはあったが、実際、そのおかげで巨万の富を得たなどという話は一向に聞いたことがない。

現実はやはりそれなりにシビアということなのか、そもそも詐欺的な意味合いが込められていたのか、その真相は分からないが、少なくともそんな簡単にいい話というものはない!ということだけは改めて指摘しておきたい。

又、中には、こうした権威を他者から用いるのではなく、自らがまとってしまうというケースもある。それが「○○の末裔」といった類の方たちだ。まぁ、これに関しても私も同じカテゴリーに含まれてしまうので、言っている自分も恥ずかしい気になるのだが(笑)、ここでいうグレーな方々は、得てしてその系譜が判然としないパターンが多い。

私の場合、幸いにして直系本家筋となるため、簡単に説明できるのだが、この手の方々はそのあたりの関係性が少々複雑で不透明な部分も多い。以前、武田信玄の末裔を自称するキャバ嬢が関係筋から否定されて炎上騒ぎになったことがあるが大概このパターンである。

ちなみに、私が今まで聞いて、「まさか?」ともはや笑う他なかったというのが、「スサノオの直系の末裔」と呼ばれる方で(笑)、「東條さん、お会いしてみる?」と聞かれたことがあった。

これが本当であれば、国家の一大事にも通ずるものだが、丁重にお断りしたのは言うまでもない(笑)。もちろん、中にはきちんとそうした末裔を名乗る方々がいるのも事実。有名なところでは、華族会館を前身とした霞会館は知る人の中ではとみに有名な場所だ。

こちらでは、いわゆる旧華族の末裔たちが名を連ね、皇族出身者や前田家・松平家・岩倉家といった伯爵家・侯爵家の出身者が多勢を占める。

今でもこうした場所で親交を育んでおられるようで、かつては本家筋長男筆頭のみが在籍を許されたと聞く。

今では、時代の変化と共にその制限もかなり緩和されたようで、二人以上の推薦があれば一定の審査は必要であっても、男女問わず入会出来るという。以前、私も入会を勧められたことがあったが、分不相応にて返答は濁したままで終わった。

image by: Shutterstock

 

『東條英利の「日本の見方」』より一部抜粋

著者/東條英利
いわゆるA級戦犯とされる東條英機は私の曽祖父でありますが、その直系の長男のみが、この「英」の字を継いでおります。私もその継承者として、時にはこの名を疎ましく思ったこともありましたが、戦後70年を迎える今こそ、この名前がもたらした様々な事実や経験、考えを語ってみたいと思っております。
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