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あなたの家に潜む、飼いねこの命を奪うこれだけの危険

あなたの日常に癒しを与えてくれるねこ。家族も同然という方も多いかと思います。そんな大切な”家族”が命を落としてしまう危険が、家の中にもたくさん潜んでいること、知っていましたか? 悲しい思いをしないよう、医学博士でしゃべるねこを飼うしんコロさんが提唱する「ねこの命を守る7個条」をしっかり頭に入れておいてください!

ねこの命を守る7箇条

『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』 Vol.075号より一部抜粋

メルマガ読者さんの中には、ねこを飼っている方は多いと思います。家庭内での事故は、人間だけでなくねこ達にも起き得ます。今日は、ねこに起きやすい家庭内事故の防止について一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。皆さんはきっと既に色々気をつけられていることとは思いますが、幸せな毎日を決して悲しいものにしないように、今一度どのようなことに気をつけるべきか、一緒に考えてみましょう。

僕が思いつく、ねこに起こりうる家庭内事故を、「ねこの命を守る7箇条」としてリストアップしてみたいと思います。

(1)熱いものから目を離さない!

大量の熱湯などを鍋で沸かす時はコン奥を使ったり、鍋なども安定したものを使うのも良いでしょう。また、ねこが突然コンロの上に飛び乗ることもあります。キッチンがドアを閉められるのであれば、料理中はねこを入れないのが最も安全です。我が家のようにオープンになっている場合は、鍋に火を入れたら決して目を離さないことです。

また、キッチン以外でも熱を持つものはあります。古いタイプの石油ストーブなどは至近距離ではかなりの高熱になります。ストーブの上に飛び乗ったり、その上のやかんをひっくり返す可能性もあります。ペットがいても安全なタイプのファンヒーターなどを使うのが良いでしょう。その他、アイロン等でもやけどの可能性はあります。アイロンが熱いうちは目を離さないようにしましょう。

(2)風呂場にいれるべからず!

お風呂の浴槽でねこが溺死するという事故は恐らく家庭内事故のトップ3に入ります。日本のお風呂は深いので、使用後に水位が下がっている状態の所にねこが落ちると、足が底に届かず、なおかつ淵に掴まることもできないということが起き、溺れてしまうことがあります。残り湯があたたかいので浴槽の蓋の上でくつろぐのが好きなねこも多いですが、これは危険なのでやめて下さい。お風呂には入れないようにするか、使用後は水を抜いて下さい。蓋があっても安全ではありません。蓋ごとねこが浴槽に落ちて、蓋が邪魔して這い上がれないなどの事故も起き得ます。

また、洗濯機も要注意です。洗濯する服の中にもぐってしまうねこもいるので、ねこが入っているのを気づかず洗濯機を回してしまう危険性もあります。特にドラム式の洗濯機は、一度回し始めるとすぐにドアを開けられないものがあります。その短時間でもねこは窒息死します。洗濯機を回す時には、中にねこが入っていないことを確認しましょう。

(3)放置禁止なのはおもちゃだけではない!

ねこはおもちゃで遊ぶのが大好きですが、誤飲してしまいそうな小さいおもちゃや等は放置しないようにしましょう。目を離している時に飲み込んで窒息してしまうこともあります。

またカプセルや錠剤などのなども放置しないようにしましょう。薬をテーブルに出して、水をとりに台所に向かう一瞬でさえねこが飲み込んでしまうことがあります。代謝ができない薬だったら死に至ることもあります。

しおちゃんはつり遊びが大好きですが、体に絡みつく可能性があるも時には危険です。首と家具の足に絡んでしまい、もがいてさらに締め付けて窒息してしまう危険性もあります。ビニールの手提げ袋なども、手にもつ部分が輪になっており、ねこが首を通して絡みつく可能性があります。

さらに、メルマガの読者さんからのお便りでもありましたが、意外にあるのが箸やペンをくわえたまま高いところから飛び降り、それが脳に刺さってしまうというケースです。食卓の準備をしているほんのちょっとの隙に、ねこが箸をくわえて飛び降りてしまうということもあります。以前、しおちゃんも箸を齧る癖があって、それ以来僕も箸は放置しないようにしました。ペンなども、先が鋭利なものは、引き出しや安定したペン立てに入れるようにしています。

また、鋭利繋がりでは包丁を扱う時も注意です。意外に危ないのは包丁で食材を切っている時よりも、包丁を洗ったり拭いたりしている時など、気を抜いている時にねこがキッチンに飛び乗ってきたりした時です。包丁を扱う時は一時も気を抜かず、ねこの位置を把握しておきましょう。もちろん、包丁やナイフを放置することは論外です。

以上、これらの危険になる可能性のあるものが身の回りにないか今一度見回して、目を離したり留守にする時には必ずねこの手がとどかない所に閉まっておきましょう。

>>次ページ 飼い主のお尻も凶器に!

(4)コンセントには危険が潜む!

電気ケーブルを齧るのが好きな子もいますが、これは感電の恐れがありとても危険です。一時期しおちゃんはコンセントを抜くのが好きで、僕が目を離すと電化製品のケーブルのコンセントをくわえて抜いてしまうのです。間違って舌が電極にでも触れたらと思うと身の毛もよだつ思いです。幸い今はその癖はなくなりましたが、ティーすこがケーブルを齧るのが好きなので注意しています。

また、電化製品のコンセントは奥までしっかり差し込みましょう。中途半端に隙間があると、そこにたまったホコリに触れることで感電の可能性もある上、ショートを起こせば火災の原因にもなります。また、毛足の長い子の場合はしっぽの毛がコンセントの隙間に入って電極に触れてしまうこともあります。

(5)隙間に潜む危険を知る!

ねこは狭い所が大好きです。家具の裏やちょっとした隙間に入ってゆく癖があります。ティーちゃんも、NYに来た直後に冷蔵庫の裏に入ってしまいました。入ったは良いけれども出られなくなり、もがいているうちに完全に自分を圧迫した体勢にしてしまったり、最悪窒息をすることもあります。そもそも、家具などの後ろにあまり隙間を作らないようにすることが大切です。

また、成長期のねこにあるケースなのですが、いままで入れていた隙間が身体が大きくなるにつれて入れなくなってくることがあります。その隙間に走って飛び込もうとしたら頭を強打してしまったり、今までは出られたのに出られなくなってしまったりすることもあります。家具のみならず、穴が開いたスピーカーをはじめとした電化製品など、ねこが入ってしまう可能性のあるものが置かれている場合も注意が必要です。

(6)飼い主の尻!その尻に注意!

これは、ねこ飼いならきっと目にしたことがあると思います。ねこが、布団や毛布の下や、ソファーの上のラグの中に潜り込むことです。それに気づかずにベッドの上に飛び乗ったり、ソファーにドスンと座ってしまって、ねこを潰してしまうことがあります。

そもそも、ベッドに飛び乗ったりソファーにドスンと座ったりするのは人間にも安全ではないので、そこから変えてゆきましょう。ねこからしたら飼い主の体重はまさに凶器です。自分の尻をおく場所を必ず確認してから座るなり寝るようにしましょう。時々ねこは想像以上に平べったくなることがあります。毛布の下にいないだろうと思ったという時にこそ事故は起こります。自分の視覚情報だけに頼ってベッドやソファに倒れこむのは危険なのでやめましょう。

(7)緊急時の準備をしておく!

さて、以上のことに気をつけていても、それでも何かしらの事故が起きてしまうということはあります。その万が一の時のための準備を、普段からしておくことが大切です。事故が起きた時には、人間はパニックになります。パニックの時は、正しい判断ができなかったり、正しい判断に至るまでに時間がかかったりします。その判断をする必要がない状況に普段からしておけば、いざという時にすぐに対処することができます。

まず、ねこをすぐに獣医に連れていかなければならないケースです。みなさんのお宅には、ねこを運ぶケージはありますか?普段使わなくても、必ず移動用のケージは常備しておき、そのケージに入れるのにも慣らしておきましょう。事故でなくても、災害時などに非難する時も必要になります。

そして、どんな状態でもねこをすぐに捕まえられる住環境にしておきましょう。家の中に人間の手のとどかない家具の後ろの隙間や、人間の手が届かない高い位置などはありませんか?万が一の怪我などが合った場合、すぐにねこを捕まえてケージに入れて運び出すことができる状況にしておくことが大切です。触らせてもくれない「家庭内野良」状態は決してつくらないようにしましょう。

さらに、24時間やっている救急の獣医の位置や連絡先を書き留めておきましょう。スマホなどに入れておくのはもちろんですが、メモとして書き留めてどこかに貼っておくことも良いでしょう。いざという時に、救急病院を探したりうする時間を短縮することができます。

以上のように、普段からの備えを行っておくことで、緊急時にほとんど頭を使わずに対処することができます。それが時間の短縮になると同時に、飼い主のパニックやストレスもやわらげてくれ、その後も適切で安全な対処ができるようになります。

以上、「ねこの命を守る7箇条」として、僕なりに考えてみました。みなさんも、「こんな意外な事故があった」などありましたら、情報を共有していただけたら幸いです。

『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』 Vol.075号より一部抜粋

【Vol.075号の目次】
●最近のおきゃん//友人の容態その後、皮膚移植手術
●T2のほんわかん//家庭内事故を防ぐ、ねこの命を守る7箇条
●Q&A//しこりができた、どんなバイトしたい、アメリカ生活楽し、眠気解消策、だっこ嫌いな子対策、自給自足したいか、しおちゃんカレンダー

著者/しんコロ(ねこブロガー・ダンスインストラクター・起業家・医学博士)
神奈川県生まれ。ニューヨーク在住。メルマガではアメリカでの生活について綴ったり読者からの質問に丁寧に答えている。
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