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毎年恒例「映画野郎」2015年ベストテン特集。1位の作品はコレだ!

毎年恒例の『映画野郎【無料メルマガ版】』が選ぶ、2015年度映画ベストテンが決定しました。ラインナップをみてみると、男性向けの映画メディアならではのランキングになったようです。さて、去年1年間のランキング結果やいかに。ランキング選考時の座談会も合わせてお楽しみください!

激選! 2015年度「映画野郎」ベストテン特集!!

毎年恒例となりました、男性向け映画媒体である「映画野郎」編集部が選定した、年間ベストテンを大発表!! 2015年に劇場公開された、1年間の傑作の数々を振り返ります! 果たしてどんな作品が上位に入っているのか!?

2015年度 映画野郎ベストテン発表!!

1位:マッドマックス 怒りのデス・ロード【R15+】 133点
2位:キングスマン【R15+】 59点
3位:スター・ウォーズ/フォースの覚醒 51点
4位:ナイトクローラー 49点
5位:セッション 46点
6位:ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション 42点
7位:シェフ 三ツ星フードトラック始めました【PG12】 36点
8位:アメリカン・スナイパー【R15+】 22点
9位:フォックスキャッチャー【PG12】 20点
9位:ザ・トライブ【R18+】 20点

※2015年1月~12月末までに日本で劇場公開された作品から選出! 映画野郎スタッフと映画野郎を応援する友情出演者による選者27名のランキングを1位=10点…10位=1点として換算集計しました!

総評

男性向け映画情報媒体「映画野郎」が選定する、毎年恒例の年間ベストテン選定企画!! 2007年に始まった前身の「映画秘宝.com」時代から数えると、今回が9回めとなります! 今年も映画野郎オススメの2015年のベストテンが決定しました!

1位に輝いたのは、大方の予想通りかと思われますが、30年振りの「マッドマックス」シリーズ復活作である「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。とにかく得票率が高く、2位に倍以上の点差をつけての圧勝劇!! 昨夏に封切られるやいなや野郎たちのハートを鷲掴みにし、R15+のマッドな内容ながらロングランヒットを記録した神話的傑作。

2015年はスパイ映画の当たり年と言われた中で、「キングスマン」が2位「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」が6位と、それぞれハイテンションな内容で本家「007」を差し置いてのランクイン!! 3位は現在大ヒット公開中の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」。締め切り間際の12月18日に公開されたばかりにも関わらず、3位に食い込む健闘をみせました。

4位の社会派サスペンス「ナイトクローラー」は、ジェイク・ギレンホールの鬼気迫る演技と衝撃的なシナリオで堂々の4位に!! 5位「セッション」、8位「アメリカン・スナイパー」、9位「フォックスキャッチャー」は、いずれも昨年の映画賞レースで多数ノミネートされ、話題を呼んだ重厚なドラマ。

7位「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」は、ベストテン内では唯一のハートウォーミング系。「アイアンマン」の監督ジョン・ファヴローが「アイアンマン3」のオファーを蹴ってまで監督・主演した作品で、その心意気も票に加わったか。9位「ザ・トライブ」は低予算のウクライナ映画でありながら、ろうあ者たちの殺伐としたドラマを全編手話で構成するという革新的な映画表現で度肝を抜き、ベストテン内へ滑り込み!!

とにかく今回は洋画が大豊作!! 遂に今年は日本映画が1本も入らないという結果に。それぞれの選者による個別ランキングと総評は映画野郎メルマガにてお楽しみください!

【映画野郎ベストテン参考資料・11位以下ランキング (※11点以上獲得の作品)】

11位:グリーン・インフェルノブ【R18+】 19点
12位:バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)【PG12】 18点
12位:クリード チャンプを継ぐ男 18点
14位:野火【PG12】 17点
14位:ピクセル 17点
14位:ストレイト・アウタ・コンプトン【R15+】 17点
17位:はじまりのうた 16点
17位:コードネームU.N.C.L.E 16点
19位:おみおくりの作法 15点
19位:群盗 15点
21位:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 13点
21位:アントマン 13点
21位:ジョン・ウィック【R15+】 13点
24位:シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア【PG12】 11点
24位:プリデスティネーション【R15+】 11点
24位:海にかかる霧【R15+】 11点
24位:チャッピー【PG12】 11点

恒例! 2015年映画野郎ベストテン結果とその裏側を語ります!!

じょ~い小川(以下、小川):さて、今回のシネトークは毎年新春恒例の映画野郎ベストテンの結果についてあれこれ語りたいと思います! その前に、新年明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いします。

原口一也(以下、原口):謹賀新年! 毎年、映画野郎編集部の仕事始めは年間ベストテンの集計と、昨年の傑作映画の総括ということで。今年もよろしくお願いします。

KANTO:今年はもっとたくさんの映画を観たいと思います。よろしくお願いします。

小川:今回も映画野郎スタッフ以外に友情出演の方々を含めて、27名の選者の参加がありました! 参加していただいたゲストの皆さま、ありがとうございます! さて、まずはランキング全体の感想から行きますと、「映画野郎」らしいランキングになったんじゃないでしょうかね? 1位の「マッドマックス/怒りのデス・ロード」だけに限らずね。

原口:そうですよ! やっと「映画野郎」という看板にふさわしい、男っぽいラインナップになったかなと。今までって実はあまり男っぽい作品で統一できていなかったので感無量です!

小川:原口さん、これはですね、みなさんの「映画野郎ベストテン」に対する男らしいランキングのシフトが見事だったと思いますよ。大本命の「マッドマックス~」だけでなく、それに対抗した「キングスマン」と「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、さらには中規模公開作品やミニシアター系まで押さえられた辺りはお見事でしたね!

原口:選者の皆さんの作品選びに対する誠実さ、そして目配りの鋭さには感謝ですね。

KANTO:僕が上位に入れた作品も反映していて、嬉しい限りです。

小川:それはボク個人的にも同意見ですよ。それにしても、1位の「マッドマックス~」は大圧勝でしたね。

原口:夏に公開された時からスタッフまわりで話題で、10年に1本あるかないかの傑作だったと思ったし、1位はカタいんじゃないかと思ってましたよ。その通りの結果になって全く意外じゃないです。

小川:超ど真ん中のストレートで、まさしく鉄板ですね。

KANTO:「マッドマックス~」は、数年に1本の傑作と言っても過言ではないですね。

原口:ただ、12/18に封切られた「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」もかなり評判良かったので、コレが締切までの短い期間でどれだけ追い上げるかな、という部分に期待したんだけど。牙城は崩せなかった。実はどっちも「30年ぶりの新作」という目線で見ても興味深かったんだけど。

小川:今回の「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の存在は前回(2014年)で言えば「ゴーン・ガール」(2014年12月12日公開)的な存在でしたね。もっと言えば、2009年の「アバター」(2009年12月23日公開)的な存在と言うかね。

原口:年明け早々の投票締切までに鑑賞が間に合わなかった方もけっこういたようなので、これが例えばもう1ヶ月公開が早かったら、かなり点数的に肉薄していたと思いますよ。

KANTO:ふむ。昔の「スター・ウォーズ」が好きな人には、傑作かそうでないかに完全二分しているようですが、僕は観れば観るほど残念な映画だったので、この結果には驚いてはいますけどね。

原口:それにしても「マッドマックス~」の得点133点はスゴイですよ。前年1位の「ゴーン・ガール」が37人の参加で92点だったので、それと比べても圧倒的。内訳をみても、1位にしたのが7人。ほとんどの人がベストテン内に入れていて、支持率も圧倒してました。

小川:メインのベストテン参加者で「マッドマックス~」を入れなかったのはボクと要ゆうじさんだけでしたね。

KANTO:各人基準点が違うことで、生まれた結果でしょう。全員が「オッケー」とか言うとそれも気持ち悪くもありますので。

小川:ありがとうございます。そう考えていただければ幸いです。

原口:あと「マッドマックス~」について、発表されたばかりのキネ旬ベストテンでも1位でしたね。キネ旬って感動作が1位を獲るようなイメージがあるけど、それだけ、昨年は「マッドマックス~」を無視できなかった1年だったということかと。

小川:ボクもキネ旬まで「マッドマックス~」が1位とは思わなかった。けど、2位以下はいつものイーストウッド枠(「アメリカン・スナイパー」)、マノエル・デ・オリヴェイラ枠(注:昨年107歳で亡くなったポルトガルの巨匠/「アンジェリカの微笑み」)、ホウ・シャオシェン枠(「黒衣の刺客」)、アカデミー賞枠(「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」/米アカデミー賞:作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞)、カンヌ国際映画祭パルムドール枠(「雪の轍」)など、平常運転でしたね。まあ、他誌のことはさておいて、「映画野郎」においての1位の「マッドマックス~」は鉄板中の鉄板でしたが、2位の「キングスマン」はベストテンへのランクイン確実とは思っても2位になるとは思わなかった。大、大健闘でしたね。やっぱり、「キックアス」のマシュー・ボーン監督の「映画野郎」での人気は高いね。

原口:スパイ映画としての評価というより、マシュー・ボーン監督が彼らしい容赦ない過激さでスパイ映画を撮った! ってところが良かったと思いますよ。教会で繰り広げられる、あのワンカットでの大殺戮シーンなんかもう最高だったし。個人的にあの名作「キックアス」を超えたと思う。「マッドマックス~」に次ぐ2位というのも納得ですよ!

KANTO:「キックアス」があっての評価なんですね。僕は、スパイ映画としての期待感があったので、拍子抜けしましたが。これも、基準値の違いかな。

小川:原口さんもいってましたが、コリン・ファースがレイナード・スキナードの「freebird」をBGMに暴れまくるシーンなんかマシュー・ボーンらしかったじゃないですか。あれって、「キックアス」でのクロエちゃん(クロエ・グレース・モレッツ)演じるヒットガールが暴れるあのシーンに被りましたよ。

原口:それと、あの物語の柱って青年エグジーの成長物語にあったと思うので、スパイ映画らしさは薄かったかもね。スパイ映画といえば、2015年はスパイ映画が豊作で、6位にもしっかり「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」が入りましたけど、真打ちといえる本家の「007」に票が入らなかったですねえ。

KANTO:「007 スペクター」は、「スター・ウォーズ」と同じ間違いを起こしている気がします。過去作のオマージュを、シリーズ作品でやって欲しくない。と言うか、やった結果がコレという気が。

小川:あ~、なるほど。そのオマージュを良しとするかどうかだね、「007 スペクター「と「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は。話をスパイ映画豊作にもどしますと、2015年は「キングスマン」を始め「ミッション:インポッシブル~」、あと総合ベストテンには入らなかったけど16点の17位に入った「コードネームU.N.C.L.E.」など、超良質なスパイ映画のあとに冒頭シーン以外はクラシカル要素に共感が持てないとピンと来ない「007スペクター」は、唯一好評価をしているボクがベストテンに入れなかったら誰もいれませんよ。

KANTO:そう言えば、僕が力を入れて2位に推した「コードネームU.N.C.L.E.」はランク外でした(笑)。

小川:「キングスマン」を誉めつつも、ボクも「コードネームU.N.C.L.E.」は「キングスマン」よりも1つ高く評価したんですよね。音楽良かったし、60年代ムードがムンムンだったし。

原口「コードネーム~」も面白かったけど、ただ「キングスマン」「ミッション:インポッシブル~」と比べちゃうとちょっとテンションが落ちるかなー。割を食ったかも。あとベストテン中で、ちょっと毛色が違うかなと思ったのが「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」。自分観てなくて、内容的に映画野郎読者向きじゃないんじゃないかと思って、アンケート用のノミネートリストにも入れてなかった作品だけど、投票する人が多くてびっくりした。

KANTO:アンケート用のリストに外れていて、最初「え?」と思いました。ああ、そうか。このジャンルは、映画野郎向きとは言えないのか。いや、違うだろ。料理の世界のスポ根じゃんと、個人的には憤慨したんですけどね。

原口:いや、観た人だったらそう思うのかも知れないけど、観てなくて宣伝的な部分しか拾っていなければ、グルメが絡んだヒューマンな感動作かなって思いますよ。あと2012年に「シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~」って似たタイトルの映画があって、それと印象がごっちゃになったというのも。

小川:「アイアンマン」を手掛けたジョン・ファブローが監督、主演をやっているから非「映画野郎」的な映画じゃないことはなんとなくは察したけど、結構観ていた人が多いことに驚きました。

KANTO:監督自ら主演していて、結構極端なキャラなんで、惹きつけられましたよね。

原口:そんなに男泣きな要素が強いなら観ないとイカンですね。うーむ。

小川:今回のベストテンの主役こそは「マッドマックス~」でしたが、助演的な存在とも言える「ナイトクローラー」も健闘ですよね。これは外せなかった!

原口: 今回サスペンス系では最高位で、僕もランク上位に入れましたね。TV局のスクープ合戦という業界内幕モノの面白さがあり、スクープにのめり込んでいく主人公の狂気の描き方も凄かったし、終盤の展開も衝撃的でした。オスカーの脚本賞にノミネートされるだけありますよ。コレ観てない人はもったいない!

KANTO:今回の、未見なのが申し訳ないという映画の1本ですね。観ていたらランクインしていた可能性が高いです。

小川:あと個人的には狂気と陰惨さが際立つ「フォックスキャッチャー」がちゃんとランクインしているのも嬉しかったですね。同じ去年のアカデミー賞候補の「セッション」と「アメリカン・スナイパー」のベストテンのランクインはあっても、「フォックスキャッチャー」は個人のベストテンだけだと思っていましたのでね。

原口:「フォックスキャッチャー」は内藤瑛亮監督が1位に推したのがデカかった。

小川:なるほど! 流石は「先生を流産させる会」の監督だけある! 大納得! 内藤監督の作品の暗さと「フォックスキャッチャー」の暗さは通じますよ!

KANTO:「フォックスキャッチャー」と「アメリカン・スナイパー」も未見で申し訳ないとしか言いようがありません。ちなみに、最近ようやく「ストレイト・アウト・コンプトン」も観ましたが、これも年内鑑賞に間に合ったら、ベストテンは変わった可能性があります。あくまで、自分の中では、今年鑑賞作にしますけど。

原口:僕が未見ですみません、と思ったのは、「ザ・トライブ」かな。公開当時MUNEさんが絶賛していて気になっていたんだけども、間に合わなかった。ベストテン内で唯一のR18+作品だし、自分も観たら順位が変わったかも。

小川:ボクも「ザ・トライブ」については同意見ですね。ボクも去年は見逃した映画が多くてね。

原口:ランキング全般をみて、やはり思うのが、日本映画の得票が圧倒的に少なかったことですね。ベストテン内に日本映画ゼロというのは今回が初。日本映画の最高位が14位の「野火」で、その他も目立った票が入らずで。これをどう見ますか。

KANTO:「野火」も観たかったですね。

小川:まあ、昨年の邦画は不作と言っていいでしょう。唯一、「映画野郎」に近いのは橋口監督の「恋人たち」ぐらいで、次が塚本晋也監督の「野火」ですからね。年末に公開した山田洋次監督の「母と暮せば」はシニア向けでしたしね。

KANTO:山田洋次監督って、若者に期待されているんですか? 逆に知りたいですけど。

小川:いや、若者云々じゃなくて、世代を問わない邦画ファンですね。勝手ながら、日本映画界の現代のマエストロは山田洋次監督だと個人的に崇拝してます。ま、本当は崇拝とか言っちゃいかんでしょうけどね。

原口:日本のマーケットって、女性向けやファミリー向けの作品がヒットするし、幅を利かせているから、今後もこの傾向は続くでしょうね。そんな中でも、期待の園子温監督は去年4作も監督したし、三池監督もヤクザ+ヴァンパイア映画を撮ったんですけどね…。

小川:ここ4、5年「映画野郎」のベストテンに絡むことがある園子温は4作とも…厳密には「ラブ&ピース」と「リアル鬼ごっこ」がとことんダメな映画でしたしね。三池監督も、他の年に比べればおとなしかった。あと、「進撃の巨人」は……邦画の特撮の限界を痛感しましたね。

KANTO園子温監督は、多作ゆえに全てが雑だっとしか言いようがない。もっと、1本をじっくり撮らないと、良い映画なんてできるわけありませんから。昨年の映画はどれも観たくないですね。

原口:あと2015年の興行収入1位で、評判も良かった「ジュラシック・ワールド」も「映画野郎ベストテン」では票が伸びませんでしたね。

小川:「ジュラシック・ワールド」は観たけど、まあ、ぶっちゃけ思い入れがあるシリーズ(「ジュラシック・パーク」シリーズ)じゃなかったしね。

KANTOアトラクションとしては良かったですが、これもシリーズの中でオマージュやっていて、作品評価は必然的に低くなりますね。

原口:この流れで、15年は4DX(MX4D)で鑑賞する、アトラクション的な映画鑑賞の面白さが広がった年だったかと思うけど、アトラクション性の高い映画をこういうアンケートに入れるかどうか、物語性や俳優の演技で見せる作品と同じ土俵で評価するのか、それぞれの見識も興味深いかと。

小川:昨年、「映画野郎」の企画としてMX4Dで何本か観たんですけど、どれもライド感とかアトラクション的な楽しさはあっても、正直後には残らない。これ、3D映画でも薄々気がついてましたけどね。だからこそ、年末間近に観た脚本がずば抜けていたピーター・ボグダノヴィッチの「マイ・ファニー・レディ」とかに惹かれましたね。

KANTO:アトラクションとしてのエンタメ映画と、映画らしい映画とは食い合わせが悪いみたいですね。今回、「スター・ウォーズ」で確信しました。だからこそ、今年は「ヘイトフル・エイト」に期待しているわけです。映画らしい映画とはどういうことかを教えてくれそうな予感がします。

原口:この内容の二極化傾向が進んだらそのうち「アトラクション映画」と「2Dオンリー映画」のランキングを分けなくてはいけなくなるかもしれませんね。

小川:ボクなんか今回すでにベストテンをすっぱり2Dだけにしましたし、実は今年(2016年)3月公開までの作品ですでに傑作がいくつかありますが、1つを除いていずれも2Dでしたね。しかも、いずれも脚本重視。その中でもクエンティン・タランティーノの「ヘイトフル・エイト」がこだわりの70mmフィルムの2Dで、しかも物凄い脚本なんだよね。

KANTO:なんで、実写にこだわったエンタメ映画って、脚本にこだわった映画にならないでしょうね。両方頑張れるのは無理なのかな? いや、そんなことは無い。それを成功させたのが、「マッドマックス」ですよ!

原口:そうなんですよね、「マッドマックス」って4Dでもやった映画ですからね。そういう意味でも「マッドマックス」って画期的だったかも。それと、連載企画のクロスレビュートークで扱った作品って意外と得票に結びつかなかったけど、コーナー史上初の満点だった「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」はもっと上位でもよかったような…他にも「プリデスティネーション」「海にかかる霧」もほぼ満点の高評価だったけど、その3本がみんな11点で並んでいるという奇遇。

小川:クロスレビュートークの作品はいつも作品のチョイスで頭を悩ませますが、悩んだ分だけ今年はレベルが高かった。やっぱり、どの作品とは言わないけど、参加者全員が2つ星や3つ星の作品ってトークがどよ~んとしちゃうんだよね。勢いがないというか。だから、慎重にチョイス……いやね、「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」と「プリデスティネーション」、「ブライド・ウエポン」はいずれもなんとなく「これにしない?」みたいに選んで当たった回だったんですよ。「海にかかる霧」はボクのゴリ押しでしたけどね。

原口:今後も、面白い映画をチョイスしていきたいです!

小川意外にランクインしなかった作品では個人的には「ピクセル」をランクインさせなかったからベストテンに入んなかった気がしてならない。

原口:そうですよ! 当時お互い褒めてたじゃない。おれは1位にしましたよ! ボンクラ度も高くて内容的に「ピクセル」はベストテン入りしてもおかしくない傑作だと思っていたんですが、他ランクインさせてたのが、僕と同じゲーム業界に関わっていたとみさわ昭仁さんだけ。ゲームの世界に思い入れがないとピンと来ない作品だったのかなー。

小川:あの映画は3秒で傑作であると分かったけど、まあ、個人的にランクインさせなかった作品っていうのは、今この場で「2015年のベストテンは何?」って訊かれて瞬発的に答えられなかった作品は消した、という感じですね。その方法で5つ星をつけていても個人的ランクインしなかった作品がいっぱいあるな~。

KANTO:「ピクセル」も「テッド2」も観るタイミングを失いました。昨年は、本当に分母が少なくて、自己嫌悪に陥りますね。

小川:あとね、みんなリーアム・ニーソンの「ラン・オールナイト」を観てないんだよね~。みんなヨーロッパ・コープは飽きたのかな?

KANTO:てゆーか、正直彼も同じジャンルで出過ぎていて食傷気味なんですよ。

小川:まあ、それを言っちゃえばね……。

原口:リーアム・ニーソンって年初の「96時間/レクイエム」が微妙な評価だったから、そこでちょっと見限った人も多かったのかも。僕も見逃してました。

小川:惜しいね。それはそれで「ラン・オールナイト」は観て欲しかった。それでもボクだって個人的に2015年は見逃した映画が多い年だった。なので、今年は反省の意を込めてレビューをバリバリ書いてます!

皆さま、2016年こそ、金本阪神じゃないけど「超変革」のじょ~い小川を……じゃなかった、いつも通りですが「映画野郎」を今年もよろしく!

◇原口一也 facebookプロフィール
https://www.facebook.com/kazuya.haraguchi/about
◇KANTO facebookプロフィール
https://www.facebook.com/kanto.yokoi/about
◇じょ~い小川 facebookプロフィール
https://www.facebook.com/joeyogawa/about 

image by:Shutterstock

 

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