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Ollyy/shutterstock

おもちゃ売り場で駄々をこねる子供に絶対にやってはいけない対処法

おもちゃ売り場などでお子さんに「これ買って~!」と大騒ぎされ困ったというシチュエーション、かなりの方にあるはずです。あの状況、どう対処したものでしょうか。そんな悩みを現役教師の松尾英明さんがメルマガ内で解消してくださいます。間違えるとお子さんが大変なことになるらしいですよ!

おもちゃ売り場でギャーギャー騒ぐ子どもへの対応で考える

注意されて泣く」という行為は、かわいそうどころか、反抗的でかつ攻撃的であるといえる。何か言われて「周りの人にわかるように泣く」というのは、相手の注意に対する反撃行為である。

この最も典型的な例は、おもちゃ売り場でギャーギャー泣く子どもの姿である。要は「買いません」という言葉への反撃として、要求を通すために周囲にアピールしている。

体験的に「こうすれば周囲の目も気にして相手が困り、要求が通る。」ということを知っている。本人にそんな考えはなくとも、脅しと同種の行為である。

ちなみに、赤ちゃんが泣くのとは訳が違う。「周囲へのアピール」という点では同じだが、赤ちゃんが泣くのは言語の代わりである。大声でギャーギャー泣くことが、伝えるための適正な手段となっている(逆に、何かあるのに泣かない赤ちゃんは困る)。だからこそ、泣き方も周りが焦って行動を開始するような「必死さ」がある。

もし赤ちゃんがしゃべることができて、相手を気遣うようなら、次のように言うかもしれない。

「お手数ですが、おっぱいを飲ませていただけますか。」

「勝手を言って申し訳ありませんが、眠いので、お静かにしていただけないでしょうか。」

「大変恐縮ですが、おむつを替えていただけないでしょうか。」

赤ちゃんがそれを言えたら泣く必要はないのだが、そんなことは言えない(言えたら可愛くない)。赤ちゃんは自律の力がなく、我慢ができないからこそ生きていける。

さて、少し大きくなっても、子どもは自律の力をつける途中段階である。先のおもちゃ売り場での状況があり得る。ここの対応で子どもの今後が決まる

>>次ページ A・B・C、あなたはどのパターンで対応している?

Aパターン

「しょうがない、今回だけね。」(じじばばパターン)
→子どもの勝利、大人の負け。

ただし、「一時的勝利」である。以前紹介したが「大人が負けたら、子どもも負け」である。結果的に、子どもが不幸になる典型的パターンである(しかし、親にとって一番楽な対応なので、最もとってしまいやすい対応でもある)。

子どもはこれで「こうすればうまくいく」という成功体験をする。親としては「今回だけ」という限定性を持たせたつもりだが、子どもは成功体験の必勝パターンを繰り返すことになる。

そしてこれは、おもちゃ売り場だけでなく、学校や社会のあらゆる場面で本人の「武器」として活用される。この手法を主に使う人は「気弱そうで実はあの人頑固よね。人の注意聞かないし。」と言われる。「強そうで頑固」と同様、頑固なので接しにくい。結果、人が寄ってこなくなりやすい。

Bパターン

「買いません。絶対買わない。ダメなものはダメ。」(頑固親父パターン)
→大人の勝利、子どもの負け。

この対応がベストの時がある。明らかに無茶な要求と自覚している場合で、本人が「これはさすがにダメだろうな」とどこかで思っている場合。子どもの側にある程度の知識や理解があるなら、これで通る。しかし、そうでない場合、「うちの親は何もわかってくれない」と不平・不満を抱える場合もある。

Cパターン

「今は買えない。〇〇だから。どうすればいい?」(カウンセラーパターン)
考えさせるパターン。

定石。ただし、相手が落ち着いてないといけないので、実際にこの状況で使えないことも多い。子どもが落ち着くまでかなりの忍耐が必要で、親の側としては最も辛い選択肢でもある。

要は、子どもを良く育てるのに、「ぼろい」ことはないということ。より良い選択肢ほど、一時的には辛いことが多い。それを自覚して、教師も指導に当たる。前々号で紹介した「嫌アプローチ」を使う子どもにも、嫌だけど我慢してきちんと指導するのが教師の仕事である。

『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』
著者/松尾英明
『まぐまぐ大賞2014[無料部門]教育・研究』の大賞受賞メルマガです。「教育を志事にする」を信条に、真に役立つ実践的な情報だけを厳選してお伝えします。教育関係者を中心に、子どもに関わる全ての方々に向けて発信します。
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