近年、訪日外国人観光旅行客の数は増え続けていますが、2015年には年間の観光客数が過去最高の1,973万7千人となり、45年ぶりに訪日外客数と出国日本人数が逆転しました。そのような観光ブームを迎えている日本ですが、海外の人はどんな予備知識を持って日本にやってくるのか、気になりませんか? 外国人が日本に来る際に心がけていることを解説します。
海外の人の視点から見る日本文化の不思議
シンガポールの旅行予約サイト「skiddoo」では、「”無礼な外国人”と呼ばれず、日本滞在を乗り切るには?」というタイトルで、いくつかのアドバイスを掲げています。
日本旅行で気をつけていること
背筋を正してウエスト辺りからお辞儀をする
「きっとこれは最も有名な日本の文化で、すべての観光客が気をつけなくてはいけないこと。日本ではお辞儀は複雑なもので、たくさんのルールがある。子供は小さい頃からお辞儀の仕方を学び、それは社会人になっても、会社ではお辞儀のための特別な研修がおこなわれるほど。外国人はお辞儀をすることを期待されてはいないが、もし行うと良い印象を与える。背筋を正して、両手を横に。ウエストのあたりからお辞儀をしよう。深いお辞儀は尊敬の念を表す。もし、ちゃんとしている自信がなかったら、とびっきりのスマイルで、”ハロー”と言おう」
支払いの時は会計トレイにお金を置く
「支払いの際には、会計トレーにお金をおきましょう。会計トレーを無視して、レジ係にそのままお金を渡すのは無礼。旅行するなら、会計トレーに注意して支払おう」
エスカレーターは左に立つ
「エスカレーターを使うとうき、欧米では右に立つが、アジアでは左に立つ。もう一方は急いで歩く人のためにあけられている」
イチャつくときはドアを閉める
「日本の文化では、キスやそのほかの愛情表現を公共の場ですることは、とても失礼にあたる。ほっぺにチューはOKだが、それでも少々恥ずかしいと考えられている。日本人はセクシャルなことについてはとても慎重。コンドームが自動販売機で売られており、お店で購入しなくてもいい。有名な日本のラブホテルは、家族と同居している者やプライバシーが欲しい人のために作られた。恋人と日本を訪れるときには、愛情表現に気をつけよう。ドアを閉めてイチャつくのが望ましい」
ルールがわからなくても、謙虚でいれば、物事はスムーズに
「自慢しない、うるさくしない。常に笑顔で、興味を持った態度で日本人と接しよう。もしあなたが外国人で、文化のルールがわからない場合、日本人は許す。謙虚であることが、日本文化の複雑さをスムーズにする助けとなる」
Go Abroad.comでも、「日本に行く前に知っておきたいこと」と題して、日本文化に関する疑問について説明しています。
日本文化に関する外国人の疑問
なぜ医療用のマスクをつけているの?
なぜみんな静かなのか?
「一般的に、外では室内で話すような声で話す。これは西洋人にとっては難しいかも。私たちはたいてい大きな声で話すから。もしあなたが静かに話していると思っても、日本では違うかも」
なぜチップを受け入れないの?
「日本ではチップ文化がない。実際にチップをあげることは、失礼なジェスチャーにあたる。ウェイターやタクシー運転手がチップを返してきても、驚かないで。日本では、いい仕事をするのに金銭的なインセンティブを得ることは必要と思われていない。でも日本人はこのことを心得ているので、深刻に取らないので、ご安心を。余分にお金を渡すと、彼らは笑顔でそれを返すはず。悪意はない」
なぜクレジットカードが使えないの?
「日本は現金主義の社会。クレジットカードを使えないところが多い。なので、何か買う時には両替が必須」
日本語を少し覚えるだけで、旅が豊かに
日本訪問は5回目という日本好きのジャーナリストのローレン・オルシニさんが「なぜ日本に行く前に日本語を学ばなければいけないのか」という記事をForbes誌に書いています。
ローレンさんは、「日本に行く前には日本語を学ぶことをオススメします。私の日本語は下手だけど、日本語を話すことについてシャイではなくなりました。私の経験上、日本に行くと、質問をしたり、新しいことを学んだりと、話すことが必要不可欠でした。そのようなことが旅を豊かなものにさせてくれるのです」と、話しています。
ローレンさんは日頃からエバーノートに使いそうな日本語をピックアップして、それを友人とオンライン上でシェアしているそうですが、以下の言葉が最も役立ったと話します。
外国人が覚えておきたい日本語
方向に関する言葉
「左、右、前、うしろ、中、あるいはまっすぐ、などの日本語で覚えておくと良いでしょう。『どこですか?』と尋ねたときに、回答を理解することができます」
疑問系の必須
「“doko”(どこ)は重要。“itsu”(いつ)、“dare”(だれ)、“ikura”(いくら)、“nanjikan”(何時間)も同様に」
Aru(ある)/ Arimasu(あります)は便利
「この動詞は「存在する」という意味です。“[名詞] ga arimasu ka?”と尋ねるだけで、ほとんどのものがわかりますね」
色
「電車の路線の色を探すときによく使う」
“おいしい” ”楽しかった”
「恥ずかしがって沈黙するよりも、こんな言葉を店員にいうと良いですね」
“欲しい”
「モノ、サービス、目的地にいくとき、に使えます」
“お願いします” ”ありがとう”
「必要なときに使っておくと便利」
海外の人の視点を通してみると、こんなところに戸惑っていたり、あんなことに感心しているんだということが見えてきましたね。
日本では当たり前のことばかりですが、こんなところが外国人には不思議に見えているのかもしれません。
Image by: shutterstock
Source by: 日本政府観光局, Forbes, skiddoo, Go Abroad.com
文/MAG2 NEWS編集部