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ドン・キホーテ会長が設立した奨学金は、なぜ返済しなくていいのか?

先日、都内の高級住宅地である港区白金台に高級志向の店舗を出店するなど、ますます勢いに乗るドン・キホーテ。実はその創業者・安田隆夫会長は、日本への留学生向けに返済義務のない奨学金支援をしているんです。前参議院議員・田村耕太郎さんによる『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の中で、こっそりその手厚い奨学制度について紹介しています。

ドン・キホーテ安田会長の志

躍進を続けるリテール業界の風雲児、ドン・キホーテの安田隆夫会長のご依頼で安田奨学財団の留学生選考委員をやらせていただいているが、これがすごい。ご本人は「別に宣伝しなくいい。善行はひっそりとやりたい」といわれるが、これだけのことをやっている財団が日本にあるとは私も選考委員になるまで存じ上げなかったので、シェアさせていただきたい。

  1. 日本への初回来日渡航費用(日本国内移動交通費を含む)の実費
  2. 来日から1週間の宿泊費、大学までの交通費の実費
  3. 来日から1週間の食費(一日3000円 合計21000円)支給
  4. 4・5・6月分の奨学金30万円の前払い(通常7月支払いのところ、来日後銀行口座開設次第支給)
  5. 居住先を決める際のサポート
  6. ドン・キホーテへのアルバイトの紹介

私はマレーシア、フィリピン、タイ等ASEAN諸国からの留学生の選考をやらせていただく。

財団の提携先の大学をまず選考し、そこからの推薦者をさらに選考させていただく。彼らはやがてASEAN各国でリーダーとなるだろうが、日本の応援団にもなってくれるだろう。台頭するASEANの次世代リーダーを日本ファンにするためにこれだけのサポートをして頂いて本当に頭が下がる。私も各国を飛び回ってクタクタだが、これからは時間を作ってせっかくの安田会長の志に応えて、日本のため、アジアのために、頑張っていきたい。

>>次ページ なぜ早稲田や慶応はダメになったのか

三田会loveとか稲門会loveとかいうなら大学にちゃんと寄付しましょうよ。18歳人口が激減する中、定員を減らすどころか、妙な学部を新設して定員水増しすれば、そりゃ早稲田も慶応も質が劣化するの当たり前でしょう。一昔前だったら入れなかった学力の子がどんどん受かっているんだから。

ハーバードもエールも英語化する世界中の志願者からアプリケーションが10倍以上に激増しても定員増やしていませんよ。そりゃ質は上がるでしょう。それが学生のクォリティコントロールなんですよ。差がつくわけですよ。早稲田や慶応がそれができないのは資金力が弱く、受験料や入学金に依存しないといけないから。

三田会がどうのとか稲門会がどうのとかいうなら、大学がクォリティコントロールできるように、定員水増ししなくていいように、定員を減らせるように、寄付してあげてはどうでしょう?

または、教員に英語で立派な授業させて、論文も英語で立派なジャーナルに出せるよう頑張らせて、海外でのブランド力もあげて、海外からも受験生増えるようにさせてみたらどうでしょう。

それにもお金が必要です。母校愛とか言われるなら、まず寄付してから言ったらどうでしょう? ハーバードやエール等名門大は、卒業生も大学も頑張ってお金集めて世界に営業かけて質を維持向上しているのです。

image by: wikimedia commons

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.161より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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