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ダイエットフード食べさせても猫が痩せない…本当に効果ある?

ニューヨーク在住の医学博士・しんコロさんが読者からの猫のお悩みに答えてくれる『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男』のQ&Aコーナー。今回は愛猫の肥満にお悩みの読者さんからのご相談です。ダイエットフードを食べさせたり、食事量を制限したりとダイエットに取り組んでも痩せないようです。同じお悩みをお持ちの飼い主さんも是非参考にしてみてください。

ダイエットしてるのに太る一方…猫の肥満対策を教えて欲しい

Question

現在約7歳、避妊手術済みのメス猫を飼っています。(完全室内飼い)ノラでしたが、二年前に保護してから体重がかなり増えて心配になっています。

保護したときは2.9 キロ、今は5.2 キロになってしまいました。獣医さんに相談して、カロリーの低いご飯を与えているのですが、太り続けます。1 日に与える量は2 キロの猫の分量よりもすくなくしています。(フードパッケージに書いてある目安票を参考にしてます)多頭飼いですが、他の猫のご飯は食べません。

おやつもめったにあげていません。よく一緒に遊びますが、やはりノラ時代に比べると室内飼いでは運動量が足りないのでしょうか?獣医さんは「太りやすい体質だ」と言っていましたが、それにしても太りすぎだと思います!
もともと小さな猫なので、3.5~4.0 キロくらいになればいいなと思います。なにか良い肥満対策法はないでしょうか?

しんコロさんの回答

小柄なねこちゃんということなので、5.2 キロは少し肥満傾向にあるようですね。ダイエット用のカロリーの低いフードを与えてらっしゃるということですが、そういったフードがダイエットに効果があるかどうかは実は議論が分かれるところです。

それにはいくつか理由がありますが、まずダイエットフードには肉由来のタンパク質と脂肪分を少なくし、穀物を増やしてある製品が多く見かけられます。このメルマガでも何度かに渡ってお伝えしてきましたが、ねこは絶対的な肉食獣で、代謝に必要なエネルギーを肉由来のタンパク質から摂取する必要があります。また、脂肪分も肉食獣のねこにとっては消化と代謝に適したエネルギー源でもあります。

ダイエットフードにはこれらの重要な栄養素が少ないことがあり、それをさらに与える量を減らすと栄養不足に陥る可能性もあります。また、カルニチンというアミノ酸は脂肪を燃焼させるのに必要な栄養素なのですが、肉に多く含まれています。穀物ベースのフードを与え続けることによって、カルニチンの摂取量も不足する可能性もあります。ダイエットをするには摂取カロリーを減らすことは確かに重要ですが、肉を減らして穀物を増やすという形だと代謝に必須な栄養素まで不足してしまい、健康を損ねてしまいます

必須な栄養素は与えつつ摂取カロリーを減らすという方針で一番効果的なのは、肉ベースのウェットフードを与えながら、少しずつ量を減らして時間をかけてダイエットをすることです。ちなみに、ドライフードとウェットフードの水分含有量はそれぞれ10%と70%なので、ドライフードはカロリー密度が高いのでダイエットにはおすすめしません。ダイエットの基本と応用については、バックナンバーVol.017 とVol.018 に詳しく書きましたので、もしよかったら参考にしていただけたら幸いです。

image by: Shutterstock

 

しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」
著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
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