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ゲーセンは終わったのか? レトロゲーム専門「ミカド」が見せた復活のカギ

発売以来20年以上経つレトロゲームが人気を集めています。例えば、21年ぶりにファミコンカセットの新作「8BIT MUSIC POWER」が発売されたり、スマホのイヤホンジャックに刺すだけでレトロゲームが楽しめる「ピコカセット」の発売が発表されたり、11機種もの古いゲーム機のソフトを1台で遊べる互換機は予約分が即完売するなど、レトロゲームの人気は止まるところを知りません。そんなレトロゲームのみが置かれたゲームセンター「ミカド」も注目を集めています。ゲーセンが減少傾向にあるなか、個人経営のこちらの店舗の業績は右肩上がりと絶好調。その秘密は「資金力がないからこそのアイデア」と、ある「強い姿勢」でした。無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で詳しく分析しています。 

いまあるもので何とかする

今回はレトロゲームに特化したゲームセンターで右肩あがりの業績をあげている企業を分析します。

ミカド(ゲームセンター) 

戦略分析

■戦場・競合

■強み

1.連日盛り上がる

2.ヒーローになれる

3.上級者でなくても楽しめる

4.旧作ゲームで長期間遊べる

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス

★圧倒的な企画・運営能力とレトロ(旧作)ゲームそのもの

上記のように他社が取り扱わない旧作のゲームを現役として扱うための企画運営ノウハウや気合で乗り切る文化があるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

戦術分析

■売り物

■売り方

■売り場

まとめ(戦略ショートストーリー)

30代の元ゲーマーをターゲットに、企画・運営能力やレトロ(旧作)ゲームに支えられた「連日盛り上がる」「自分がヒーローになれる」という強みで差別化を実現しています。

有名なプレーヤーを集めた大規模な大会やレトロゲームを活用したイベントを連日開催し続けることで、来店客をとにかく楽しませることにより、支持を得ています。

分析のポイント

「弱みを強みへ」

新作が少なくレトロ(旧作)が大半を占めているということは普通のゲームセンターであれば、弱みであるといえるでしょう。

なぜなら、新作ゲームを取り揃えることが、集客するうえで、非常に重要であり、新作と旧作の入れ替わりが遅いようだと、流行りのゲーム(遊びたいゲーム)がないということで、顧客が離れていってしまうからです。

しかし、ミカドのような個人経営のゲームセンターにとって、新作をどんどん入れていくということは資金的に難しいようです。

つまり、資金力のある大手でないとこの新作中心の戦い方はできないということです。これがゲームセンターの淘汰が進み、店舗数も減少傾向にあることの一つの要因といえるでしょう。

そこで、ミカドは、いまあるもの(レトロゲーム)でいかにして顧客に楽しんでもらえるかを模索する中で、連日の大会開催に行きついたようです。

レトロゲームでも企画の工夫次第で、集客できるということですね。

つまり、いままでの「流行り=新作」という考え方を覆し、旧作でも、工夫次第で、流行らせることはできるということを発見したわけです。

要するにミカドは、レトロゲーム中心という弱みを強みに転換することに成功したということです。

ミカドの「いまあるもので何とかする」という姿勢は、見習いたいですね。この姿勢が、弱みを強みに変えるために必要な要素のひとつといえるでしょう。

image by: Shutterstock

 

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