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深刻化する中高生のLINEいじめ、知らぬ間に「あなたも」加害者に?

先日明らかになった関西の名門高校でのLINEいじめ。中学校の7割でLINEのトラブルが起きているとのデータもあります。『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、我が子をいじめの被害者にも加害者にもさせない方法が紹介されています。

止まらないLINEいじめ

子供たちのLINEによるトラブルが後を絶たないようです。

関西学院高等部(兵庫県西宮市)のバレーボール部(34人)の2~3年の男子部員5人が、同じ部の3年の男子生徒の自宅に無断で侵入して部屋を荒らし、動画をLINEに投稿していた事件。

愛媛県四国中央市の市立中学校で5月、男子生徒が同級生の男女5人からいじめに遭い、土下座させられる様子などを撮影した動画が、LINEの仲間のグループに投稿されていた事件。

このような事件が報道される中、先月の下旬、NHKのEテレで、子供たちのLINEについての番組が2つ放映されました。1つは、「ウワサの保護者会「親は心配!子どものLINE」」で、保護者の皆さんが集まって、子供のLINEについて話し合う番組。もう1つは、「いじめをノックアウト番外編『どうする?! SNSいじめ』」で、中学生10人が集まり、LINEについて徹底討論した番組でした。

「ウワサの保護者会」では、「友達とのLINE」と「知らない人とのLINE」を取り上げました。

「友達とのLINE」では、特に片時もスマホを離せない依存症が問題でした。1日3時間を超えたら依存のレベルであり、学力も落ちてくるので、親としても注意が必要です。

「知らない人とのLINE」での情報では、ネット上だけでの付き合いをしている子供たちは多いようで、そのうち、15人に1人はネットで知り合った人と会っているという現実があるそうです。やはり、親としては子供と話し合いをして、きちんとルールを決めることが大切です。

親が買って与えているので、本来、中を見ることは前提であり、これをしないのは、親としての責任放棄だと認識することが大事であると思います。日本人の感覚として、なかなかここまで踏み込めないのですが、海外では、これは常識です。

>>次ページ 効果的なルールの作り方は?

「いじめをノックアウト番外編」では、ある中学で作成されたLINEいじめの劇をベースに、話し合いが進められました。

今、中学校の7割でLINEでのトラブルが起きているのが現実です。参加した中学生からも、様々なLINEいじめの実態が紹介され、他の参加者もそのひどさに驚いていました。

その中で、アメリカの中学生の調査結果が紹介されました。それによると、12~18歳の若い年齢の人は、攻撃的なメッセージを投稿する傾向が他の世代に比べて40%も高かったということです。そして、悪口の投稿をする前に、注意のメッセージを出すプログラムを使ったところ、93.4%の子供が攻撃的な投稿をやめたということが紹介されました。

子供たちのグループの中で、悪口大会が始まってしまうと、どんどんエスカレートしてしまい、LINEの中だけでなく、現実の世界でもいじめが始まってしまうという危険性があります。取り上げられたLINEいじめの劇も、そんな題材でした。やはり、流れの中で、勢いで投稿してしまうのではなく、考える時間、立ち止まる時間が必要です。

ルールを決めることに関しては、自治体や学校でルールを決めるところも出てきているのですが、このように与えられたルールよりも、自分たちでルールを決める方が守りやすいし、指摘もしやすく、有効だという結論になりました。

どちらの番組でも、まずはルールを決めることが大切だという結論に至りました。子供たちもLINEの怖いところは、理解しており、間違った方向に行かないようにとは思っています。

しかし、子供たちはその場の状況に流されてしまうことがあります。だからこそ、親としては、変な遠慮はせず、子供とルールを決めておくことが大切です。一度、放置して黙認してしまうと、認めてしまったことになってしまいます。それでは、いざという時に子供を守ることが出来ません。子供たちを守るためにも、話し合ってルールを決めていただきたいと思います。

私たちも、LINEについては、きちんと取り組んでいかなければならない問題だと思っております。他の取り組みなど、情報を集め、対応を考えてまいりますが、皆様からのアイデアもいただければ幸いです。よろしくお願いします。

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
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