北海道で発生した、父親が我が子を「しつけ」と称して山中に置き去りにした事件。7歳の男の子は無事に保護され解決したものの、まさに我が耳を疑う衝撃的な事件でした。子どもが言うことを聞かない時にどのように「しつけ」をすれば良いのか? この問題は、多くの親御さんの頭を悩ませているのではないでしょうか? 家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、自身のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』で、子どもの片付けを例に、叱らず「工夫」を施した「しつけ」をすることが大切だ、と提案しています。
子供がだらしなくて困る
Q: 小学2年の息子が片付けができなくて困ります。
昨年から自分の部屋ができたので喜んでいるのですが、整理整頓はしないし、掃除もしないので、部屋の中はめちゃくちゃです。
脱いだもの、食べたものはそのままやりっぱなし。それでも楽しそうな息子の神経がわかりません。
家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答
息子さんが楽しそうならそれほど目くじらを立てなくても良いと思います。
けれども、親としてはもう少し片付けてほしいですよね。
なかなか片付けられない子どもへの工夫として3つのポイントを挙げました。
1.仕分けを目に見えるように
片付ける場所を一目でわかるように工夫しましょう。
例えば、押し入れやクローゼットは、中が見えるようにふすまを外し、クローゼットの扉は開けっ放しにしておくことです。
そして、中には、透明のコンテナなどを利用して仕分けをします。
そしてコンテナに何が入っているのかが一目見てわかるよう、「下着」「セーター」「ズボン」などラベルを貼っておくと良いでしょう。
2.整理整頓された状態を確認
まずは、子どもと一緒に片付けましょう。
その時、片付けながら小言を言うのは避けましょう。
なるべく楽しく、これはどこへしまおうか?これはどうしよう?と親子で相談しながら仕分けしていきましょう。
綺麗に片付いたら、整理された状態を写真に撮り、それを拡大コピーして子どもの部屋に貼っておきましょう。
3.片付けタイムを作る
毎日ガミガミ片付けなさい!と言うのも言われるのも嫌ですよね。
時間を決めておくと気分的にも楽になります。
「さあ、9時になったから片付けの時間、一緒に片付けるわよ」
などと、親はリビングやキッチンを、子どもは自分の身の回りや部屋を片付けましょう。
また、ゴミ箱を机のすぐ脇、ベッドのすぐ脇、の2カ所に用意しておくと机の上や、床へゴミを置きっぱなし、と言うことが少なくなるでしょう。
初めから一人でできる子どもはいません。
毎日のお片付けタイムを利用して、親が確認しつつ片付け方を伝えることが大切です。
◆家庭教育アドバイス・・・「習慣づけること」
子どもが幼いうちに片付ける習慣を付けることは、のちのち子どもにとって楽です。
片付けか方がわからない、洋服の畳み方がわからない、と言う中高生が実際にいます。
そう言う子ども達には、丁寧に一つ一つ教えていくしかありませんが、習慣づけることはなるべく幼い時期の方が簡単です。
靴を揃えるために、洗濯ばさみを利用している家庭がありました。
その家では、息子さんが全く靴を揃えることができず悩んでいたのですが、靴の内側を洗濯ばさみで留めるようにしたそうです。
アンパンマンキャラクターの洗濯ばさみを用意してからは、自分で揃えるようになったと言います。
子どもの友達が来たときには、その友だち自身が、洗濯ばさみを使って靴を揃えたそうです。
ユニークな工夫ですよね。
親力のひとつは、子どもを叱らずに、しつけていく「工夫」をすることです!
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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き、毎週月曜、木曜の二回に亘って配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。
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