がんばって毎日ブログやFacebookを更新しているのに「アクセス数が少ない」「反応がない」などとお悩みの方には耳の痛い話かもしれません。無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者でマーケティング戦略の指導者として知られる弘中勝さんが、そんな悩みを抱える人が99%犯しているという「勘違い」について、厳しく指摘しています。
情報発信されていない
「情報発信をやったほうがいいですよ」というアドバイスをしたら、「もうやっています」と、ほとんどの確率で言われます。もう3年前からブログを始めてますよとか、Facebookにずっと書いています、なんていうことを言うんですね。
でも、そのほとんどの人の「もうやっている」というものを見ると、まず99%ぐらいの確率で、「情報発信」というレベルではありません。中身が「情報」というレベルでもないし、やり方が「発信」というレベルでもないのです。
「私が良いと思ったオススメのお店を、いつもブログで紹介しているんです」などと言うのですが、それが「情報」だと思い込んでいる時点で、やっている時間がものすごく無駄です。それは情報というレベルのものではなく、単純にメモ書きと変わりません。
「私の考えをいつもSNSでつぶやいていて、知人からいいね! をもらえています」などといういう人も多いですが、それを「発信」だと思い込んでいる時点で、ものすごく無駄に時間を使う人なんだな、というぐらいの感想しかありません。
そういうのは、情報発信ではなくて、その辺の女子高生でもやっているウェブ日記のようなものです。その辺の女子高生が片手間にやることを、仕事の時間を使ってやっているようでは思いっきり時間という資産を浪費しているし、別に仕事の時間を使ってはいないというならそれほどのテキトーなものを世に出しているという恥さらしをしていることになります。
よくもまあ、そんな程度のことで、「情報発信? ああ、やってますよ」などと平気な顔で言えるなあ、と不思議です。
実際、「もうやっている」という人の大半が、「アクセス数が少なくて困っている」「本当にこんなことやってていいんだろうかと思いながらも、続けている」などと、イヤイヤやっていたり、懐疑的にやっていたりします。
それは「もうやっている」ではなくて、やめるべきものに対する「やめどころが分からない」だけです。それを「情報発信はもうやっている」と勘違いして必要な情報発信を学ぶ機会を自分から放棄するのは本当にかわいそうだなと思います。
かつて、BBSなどが廃れていって、やがて、ブログ文化がだんだん廃れていって、さらにSNS文化も廃れ始めています。情報発信メディアも盛衰を繰り返しています。
本当に「もうやっている」というならば、きちんと時代に合わせたやり方を会得して対応できていなければならないのに、ずっと同じことを繰り返しているだけだったりします。それは、ポエムをノートに書いて「情報発信はもうやってます。毎日書いてるし」と言い張っているのと同じことです。
情報でもないし、発信でもないのです。
「情報発信をしているんですが、効果がありません」
「情報発信を始めたのに、うまくいきません」
と悩んでいる方。まずそれは「情報」ではないし、「発信」ではない、と自覚することからが改善のスタートです。「そんなことはない」と思うかもしれませんが、まず99%はそうなのです。
実際、私がそのような相談を受けて、「情報」でも「発信」でもなかったケースが99%程度であり、「情報発信してるなあ」という会社や人はほとんどいないのです。自覚できない人は、「自覚したくない」と自己否定を嫌がっているだけの人なので、今後その「情報」でも「発信」でもない単なる落書きに、貴重な時間を費やして下さい。
「ならば、自分はきちんとしよう」と受け入れてくださる方は、まず「情報」とは何か、「発信」とは何かをきちんと理解することから始めましょう。企業が行うべき「情報発信」というのは、「情報」とはどのようなことを指すか、「発信」とはどのようなことを指すか、まずはその定義を考えてみましょう。考えられない、答えが分からないという人がやっている情報発信なんて、やっぱり情報発信ではないと言えます。まずはお手元のノートに書いてみて下さい。話はそこからです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
- 自社が行うべき情報発信を考える際に、その情報発信の「情報」とはどのようなことを指すか。自分の定義をノートに書く。
- その情報発信の「発信」とはどのようなことを指すか。自分の定義をノートに書く。
image by: Shutterstock
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