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ペットボトルが開かない。些細なことから親の異変は始まっている

胸を張って「親や祖父母が感じている不自由に気づいてあげられている」と言える方、はたしてどれくらいいらっしゃるでしょうか。無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』によると、現代の高齢者は子供に心配をかけまいとその「不自由」を隠すことも少なくないそうです。手遅れになる前に気づいてあげられる手段はあるのでしょうか。

ペットボトルのフタが開かない?

さて、本日はちっこいけど重大な不自由のお話。

最近、針穴に糸を通しづらくなったことに気がつきました( ̄□ ̄;; 子供の頃一緒に住んでいた祖母について、「どうしてこんな簡単なことができないんだろ?」とフシギに感じていたのが糸通しでした( ̄□ ̄;; 明らかに見える針穴が祖母には見えにくくなっていたわけですが、とうとうその祖母の視力を体験できるようになってしまったんです。どひゃー!

おそらく老いるということは、日常のささやかな行為に不自由を感じることを言うのでしょう。たとえば

こんなふうでしょうか。さすがに私にはまだこういうコトはないんですが、遠方に住んでいる両親には、こんなことのひとつやふたつやみっつは、きっと起っているはずです。こんなふうに身体機能が衰えてくると、握力も視力も脚力もすべてが弱くなってしまい、以前はフツーに出来たことが出来なくなってしまいます。それも日常生活にゴロゴロしていそうなささいなことなんです。

…ま、そうは言っても、こういう不自由はこれまで連綿と続いてきた人類の歴史の中で、すべてのトシヨリたちが通って来た道です。ところがね。現代のトシヨリには、以前と違う特徴があると言われています。それが「不自由を言わない(●_○)」ということです。以前はもっとずっと大人数で暮らしていたわけです。そのため日常生活の不自由を周囲が気づきやすくまた本人も言いやすかったのでしょう。

つまり少人数で、しかも離れてくらしていたりすると、こうした不自由を言い出しにくく気がつきにくくなるわけです。

長くなってきたので、続きは次ページ。

現代のトシヨリたちは、身体が衰えて不自由になった日常生活について、子供たちに語りたがらないというトコでしたね。まあ、こういうのは昔だって「言う」というより「周囲が気がつく」ものだったのかもしれません。

その意味で遠くに離れて家族が暮らしていると、当然そうした些細な変化に気がつけなくなります。親側にしてみても、まさか電話で「ペットボトルのフタが開かないの(泣)」なんて、言えませんよね。そこには親なりの

という気持ちが潜んでいるんです。念の入った方だと、子供家族が帰省してくる前に、いつも飲んでいるクスリを隠したりするそうです。

…なんか泣けてきますね(/_;) ペットボトルのフタを開けられないほど握力が弱っているくせに子供のことばかり心配して。自分の心配をして欲しいですよね。ペットボトルのフタでさえこんな有様なんですから、もっと重要な

なんていう、老いの深刻さをカンジさせるような出来事はもとより言わないわけです。こうした親の遠慮に基づく言わないということが遠距離家族の事態を深刻にしているんです。もっとずっと重大な状態になってから、病院や警察、近所の人の連絡で知ったなどということが起こりうるのです。

もとより、こうなってからでは打てる手は限られてしまいます。病院に相談して様子を見るとか、食事をどうするとか、リフォームすればとか段階はぜーーーーんぶすっ飛ばして「遠距離介護(○@;;」になってしまうわけですよ。その前に、親ならでは親心理を理解して、子供の側から話しかけることが大切なのでしょう。向こうから話してくれるのを待つのではなくこちらから話しかけるんです。別に簡単なことですよね。ちょっとケータイで電話するとか、メールするとかするだけですから。その日常のささいな行動によって、日常のささいな不自由をキャッチ出来るのです。

用がなくてもちょっと声だけ聞いてみる。それだけでも親が不自由をクチに出しやすくなるのかもしれませんね。

image by: Shutterstock

 

システマティックな「ま、いっか」家事術
食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。
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