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嗚呼、カン違い。SNSの「リア充自慢」は思わぬ転落を招く

「リア充」とは今さら言うまでもなく、リアルな毎日が充実している人のことを指すネットスラングですが、今や一部のSNSが、まさに「リア充自慢大会」の場と化しています。これが学生であれば「若気の至り」で片付けられるのですが、起業家が同じことをしているとなると、時として取り返しのつかない転落につながると、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者の弘中勝さんは警鐘を鳴らしています。

一流自慢が転落を招く

ネットスラングだった「リア充」という言葉が、いまや一般的に浸透しています。「リアル現実の生活が充実している人」のことです。仕事が充実している、趣味が充実している、人間関係が充実している、など、すごく幸せな時間が送れていますよー、と言える人のことを指します。

生活が幸せで充実しているのは、いいことです。ところが「生活が幸せで充実しているのは、いいことだよね!」と、そのリア充であるかのように振舞う、リア充であるかのように演出するというのは、非常にむなしいことです。

実はこれは意外にも、起業して間もない人たちの多くが陥ってしまうことです。

起業したばかりの人は、実績が乏しい。実績が乏しいとどうなるかというと、「実績は乏しいが自分はすごいんだぞ」という雰囲気を見せようとします。その雰囲気をどこで見せるかというと、少しでも宣伝しようと始めたSNSやブログなどです。こんな夜景のところで起業家パーティーをしましたとか、こういう人とこんな所でディナーをしましたとか、セレブ自慢のようなことをやり出すのです。そして、こんな一流レストランを知っている、こんな人脈を持っている、というようなことをアピールしていくんですね。

残念なのは、こういうことをやっていても、ちょっとした売上に貢献してしまうことです。そういうリア充自慢の仲間内でちょっとした仕事になったり、そういう自慢に憧れる頭の弱い人がたまにいたりして、ちょっと売上が上がってしまうんですね。だから、「こういうことをもっとやればいいんだ!と勘違いして、さらにセレブ自慢を強化すればいいと思い、ただ夜景をバックに写真を撮りたいために東京湾の船に乗ってシャンパンを持ったりします。

そしてこういう人たちは結局そこから浮上することはありません。ノリが、学生のサークル活動と同じなのです。複数の仲間で砂浜に行ってセルフタイマーで一緒にジャンプして撮った写真に「みーんなズッ友! この夏を忘れない!」みたいなコメントを入れてSNSに載っける、若気の至りの学生連中と変わりがないのです。

学生サークルレベルのことをやっていたところで、まともな仕事が来るはずがありません。そういうリア充自慢はビジネスの幅を大きく狭めてしまう、非常に危険なやり方なのです。

「情報発信をする」という話になった時に、そういうリア充自慢を情報発信だと勘違いしている人が、ものすごく多くいます。例えば、自分の好きな一流店を紹介していきます、というような類のものがそうです。

本当に自分の好きな店があって、「これは私が本当に好きな店です」と紹介するのは、それは決して悪いことではありません。しかし、「自分の好きな一流店を紹介していく」というその自分の博識ぶりを披露したくて、その披露のために一流店に行く、というようなことをやりだしたら、終わりです。

それは相手のための情報ではなくて、自分のための装飾です。自分を飾り立てるために時間を使い、その店や知り合いを利用するということです。そのような意識の人に人はついてきません。何パーセントの読み手は騙せても、どんどん人は離れていきます。「私がお勧めする店を紹介します」と言いながら、その「私」がどんどん廃れていってしまっているから、まったく情報になり得ないのです。実際、それが100回続いたとして、その100回分をまとめたものを改めて見てみると、単なる個人的日記のようなものになっていて、全体的には何の価値もないことが分かります。

情報発信を考えるというのは、そういう方向に走ってはいけない、ということでもあります。自分の一流自慢がコンテンツになる、という考え方は、三流以下のコンテンツ企画力です。起業したばかりの人、情報発信を始めたばかりの人などはまず、この思考に陥らないようにして下さい。

では、起業したばかりの人、これから情報発信を始めるという人は、どんなコンテンツを発信するといいのでしょう?

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

  • 自社が毎日1回情報発信を行い、それを365日続けて365回分を1冊の本にまとめるとする。どのような情報を発信するといいか、ノートにまとめる。
image by: Shutterstock 
 
 
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