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「おせっかい」が救う、50歳の引きこもり息子を抱えた高齢家族

先ごろ、「50歳までに一度も結婚したことがない人は男性で4人に1人、女性で7人に1人」という調査結果が発表されました。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で住居・マンション事情に詳しい廣田信子さんは、この未婚の男女には「引きこもり」の人たちも含まれいるはずで、現状では本人とその家族のフォローが行われていないことを危惧するとともに、「おせっかい」の有用性を訴えています。

50歳独身引きこもりを抱える家族をどう見守るか

こんにちは! 廣田信子です。

国立社会保障・人口問題研究所の調査で50歳まで一度も結婚したことがない人が2015年に男性で4人に1人女性で7人に1人いたと報道されました。

研究所は5年に1回、国勢調査を分析して「生涯未婚率」を割り出しています。50歳まで結婚したことがない人の割合を生涯未婚率」といっています(50代、60代で結婚する人もいるだろうと思いますが、一応そういう定義です)。

「生涯未婚率」は、男性が前回調査比3.23%増の23.37%女性は3.45%増の14.06%でした。この数字にはさすがにびっくりしました。

男性は1970年まで女性は60年まで1%台だったのに、その後、ものすごい勢いで増加しています。少子化が進むのも、うなずける数字です。

同研究所が昨年9月に公表した出生動向基本調査によると、「いずれは結婚したい」と考える18~34歳の未婚者の割合は男性85・7%、女性89・3%となっていて、結婚を望んでいない訳ではないのに、結婚に踏みきれない障害として、「結婚資金」や「結婚のための住居」の確保をあげる人が多く、「非正規労働者の増加も生涯未婚率の上昇に影響している」と言われていますが…。

もっと深刻な引きこもりのまま50歳を迎えるというケースもあります。先日、名簿を提出してもらえない状況を憂う理事長さんが、言っていました。

「もう、分からないんだよね。誰がどのような状況で暮らしているか。どうも、80歳代の親のところへ、途中で戻ってきたまま引き込もっている50歳の男性がいるらしいけど、もちろん届出はないし、親は近所とも付き合わないし、その息子の姿もほとんど見ないので、管理員さんしか存在を知らないんだよね。親が隠したがっているので、知らないふりをしているべきかとも思うけど、親が弱ったらどうするのか心配なんだよね…」

と。話を聞いた私も心配になりました。

引きこもりの人の就労支援は、ほとんどが34歳までと言われます。40歳になると難しいと言われる中、50歳を迎える人も、今後どんどん増えてくると思います。この理事長さんのように、何となく察して気にしてくれている人がいるのはまだましで、本当に、マンションの中で孤立していても誰も気がついていない高齢親子も、きっとたくさんいるんだろうと思います。

みんなが、さりげなく近所に注意を向けるって、やっぱり必要ですね。で、もう少し、踏み込んで、ちょっとおせっかいに働きかけることも…。そのおせっかいが孤立している人を救うことにもなります。私も、ちょっとおせっかいになろうと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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