「成功して幸せになってやる!」と、死に物狂いのみなさん、ここらで一度肩の力を抜いてみませんか?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、「幸せが成功の向こう側にあるうちは幸せになれない」と断言。その理由をハーバード大学講師で作家のショーン・エイカー氏の言葉を引きながらわかりやすく解説。さらに、同氏が紹介していた「脳が前向きになる訓練法」も紹介しています。
幸せを感じるためには?
「幸せをつかむにはどうしたらいいのでしょう? 成功するにはどうしたらいいのでしょう?」
そんな漠然としたご相談を受けることが時々あります。
ハーバード大学講師で作家でもあるショーン・エイカー氏が以前、TEDというカンファレンスで紹介したものに、「幸せのメカニズム 幸せと成功の意外な関係」と言うものがありました。
人の幸せは環境に左右されない
「人の幸せは環境によって決まる」と思われがちですが、実際に環境が影響するのは、幸せの10%で、残りの90%はその人が世界をどう見るかによる、と言います。
ハーバード大学は世界最高峰の大学です。ハーバードで学べるなんて幸せな学生だ、と思う人も多いでしょう。学生も、志望して進学してきているのですから。
ところが、入学して暫くすると、ハーバードで学べる喜びより、競争や勉強の重荷、ストレス、不満を感じることの方が多くなり、カウンセリングを受ける学生が多くいるのが現実です。
一方で、同じ状況で「ハーバードにいられて幸せ」と思う学生もいます。要するに、自分が幸せかどうかは環境が決めるのではなく、環境を自分の脳がどう捉えるかで決まってくるのです。
幸せだと成功する
必死にやれば成功できる、成功すれば幸せになれる、幸せになるには成功しなくてはならない、こうした考え方は逆です。
なぜなら、成功する度に脳がゴールを設定し直すからです。
例えば良い成績を取ったら もっと良い成績を取りたくなります。
幸せが成功の向こう側にあるなら、脳は到達できません。
「成功すれば幸せになる」と言う考えに囚われているからです。
でも脳は、その考えとは逆の働き方をします。幸せな気分だと脳は良く機能するのです。
思考力や生産性も上がることが証明されています。
ポジティブな状態の脳はネガティブなときより生産性が31%も高くなるのです。
脳を前向きに、幸せにする訓練法
エイカー氏が開発した訓練法を5つご紹介します。
- 毎日感謝していることを3つ書く
これを3週間続けるとポジティブに捉えようとする考え方が身につきます。 - ポジティブな体験を日記に書く
日記に書くことにより、脳が追体験をします。 - 運動する
運動をして行動が大切だと脳に教えます。 - 瞑想する
複数の作業をこなそうとして発生する問題を瞑想して克服します。 - 意識して親切な行動をとる
誰かに感謝のメールや手紙を書くというのもいいでしょう。
これらの訓練によって、筋肉を鍛えるのと同じように脳も鍛えることができる、とショーンエイカー氏は仰っています。
是非、皆さんもこの5つを始めてみてはいかがですか?
笑顔が減ってきたな、疲れが溜まってきたな、と感じたらなおさらです。
きっと、幸せを感じることができるようになります。
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