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テレカ、hogehoge、巻き戻し…「通じない若者」こそ正しい

自分が当たり前のように使っていた言葉が、若い世代にはまったく通じなかった……。そんな経験は誰にでもあるかと思いますが、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは、そんなときの反応ひとつで、これからも大きな成長が望めるか、あるいは時代に取り残されてしまうかに大きく分かれると語ります。

通じない世代

最近、19歳の少年がtwitterで、「テレカって何だよ」と発言したことがネット上で話題になっていました。

ある漫画のノベルティグッズ紹介のページで、その漫画の過去の記念品テレカが紹介されていて、「トレカじゃねーのかよ。カードの効果とか書いてないから対戦で使えない」とつぶやいていたんですね。

この19歳は、テレカとはテレホンカードのことだ、という略語を知らなかったわけではなくて、テレホンカード自体を知らなかったのです。

19歳は、トレカは分かっていても、テレカが分からない世代になっているのです。

これは「今の若者は、テレホンカードも知らないのか。若い奴は本当に無知だな」という話ではありません。

無知ではなくて、もうテレホンカード自体が人々に無くてもいい存在になってきているのです。

「いや、いざという時に重宝するカードだよ」などと大人がいくら言ったところで、彼らは実際に無くても生きていけているのですから、全く無くていいものなんですね。

つまり、そのモノの存在を知らないというよりも、「そんな要らないものがなぜ存在しているのかが分からない」ということになっています。

この若者がテレホンカードをなぜ知らないかというと、「携帯電話が当たり前の世代だから、公衆電話をほとんど使うことがない」というだけではありません。

「カードなのに、Suicaみたいにチャージできずに使い捨てらしい」ということに驚いているのです。

若い人たちにとっては、カードというものは何かをチャージしていくもので、「使い捨てのカードなんてあるのか……」ということが信じられないんですね。

もうすぐ社会に出ようかという年齢の世代が、もうこういう意識なのですから、時代の移り変わり、技術の移り変わりはあっという間です。

自分たちが常識と思っていることが、新入社員の世代には、もう通用しなくなります

そんな時が、いきなりやってきます。

この『ビジネス発想源』はメールマガジン、つまり一般的にいう「メルマガ」ですが、もう大学生や高校生の世代には、「メルマガって何ですか?」という人が増えています。

LINEやカカオトークを当たり前のように使っているから、「メールアドレスって何ですか?」という学生もいます。

象徴的な話で言えば、録画した番組を観ていて、一度見たシーンをもう一度見る時に、昔は「巻き戻し」と言っていましたが、今の若い世代には「巻き戻し」が分からない人が多い。

今はビデオテープではなくてデジタルなので、何も巻かないからなんですね。

確かに、最近のリモコンを見てみると、「巻き戻し」ではなく「早戻し」と書かれています。

プログラマー志望の大学生や高校生にプログラムの課題を出す時に、サンプルコードで「hogehoge」などと書くと、今の学生には全然通じないのだそうです。

「このホウジホウジみたいな部分は何ですか」などと真顔で聞かれ、またその昔の慣習のことから、説明する時間が取られてしまうんですね。

そういう以前の慣習や技術が分からない世代に、以前の慣習や技術を説明したところで、ものすごく労力と時間がかかってしまいます。

だから、「若者は何も知らない」とため息をつかず、「あ、もうこういうのが通じる時代じゃないんだ」という危機感を持たなければなりません。

つまり、時代の主流が通じないことに移っていて、それが通じると思っていた自分のほうが古いんだ、ということです。

「今の人には通じない言葉」を、仕事の中でも無意識に使っていませんか?

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・新入社員や20代社員など「若い世代に対して使わないようにする語録」を作る。若い人たちに恐らく通じないだろうから使わない単語を3つ以上ノートに書く。

image by:Shutterstock

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