「毎日の接客や営業に慣れてしまうと、たまに遭遇する異質なゲストに対する免疫がなくなってしまう」と指摘するのは、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者・坂本りゅういちさん。そんな異質なゲストにどう対応するかが、デキる・デキないを分けてしまうそうなのですが…、坂本さんは、女性下着販売店の販売員が突如現れた男性客に行った接客を例に上げながら、その「正解」について記しています。
女性下着店に来る男性客
普段から店頭に立っていると、ある程度、自店にやってくるお客様に慣れてきます。若い世代向けのお店なら、若い世代のお客様が来店されますし、主婦向けのお店なら、主婦層のお客様が来店されます。そういったお客様たちの来店に販売員も慣れて、話題も増え、どんどん接客しやすくなっていくのです。
ですが、そうして慣れてくると、今後は違う問題が浮上します。「異質なゲスト(お客様)」に対して、免疫がなくなってしまうのです。
例えば、10代女性向けのバッグを取り扱うお店だったとしたら。普段、来店されるお客様は、女性客やカップルがほとんどでしょう。だから販売員もそういったお客様への接客力は自然と身につきます。
でもそこへ、ご年配の男性客がやってきたらどうなるか。10代の女性向けバッグですから、ご年配の男性客ひとりでは明らかに客層が違います。そうすると、販売員は慣れていないため
「なんでこの店に来たんだろう」
「あなたの来るお店ではないよ」
と、訝しがってしまったり、敬遠してしまうんですね。これが接客や顔に出ます。まず遠巻きに観察をして、なぜ来店されたのか見ようとします。中には、「いらっしゃいませ」の言葉すら出ず、じっと見てしまったり、目が合った瞬間に逸らしてしまったりすることもあります。
当然、お客様は歓迎されているとは思えずに、「自分が入る店ではなかったな」と感じて出ていってしまいます。そしてもう足を運んでくれることは二度となくなってしまうのです。たとえ、娘の誕生日プレゼントを買いに勇気を振り絞って来店されていたとしても。これはとても残念な話です。
異質なゲストというのは、少なからずいます。でも、そういうお客様も何かしら目的があって来店されています。明らかに異常な場合は別としても、そんなお客様たちへの対応はきちんとお店としてできているでしょうか?
そういえば、以前こんな話を聞いたことがあります。女性下着の販売員の話です。
女性下着を販売するお店には、基本的に女性客しか来店がないと思われがちです。しかし、お店にもよりますが、実際には男性ひとりでの来店もあるのだそうです。しかもプレゼントではなくて。
聞いたことがあるかもしれませんが、世の中には女性下着を着用する男性の方もいるらしいのですね。人によっては、そういう嗜好があるんだそうです。それを知っている下着販売員は、男性客ひとりでも、平気で声をかけます。そして自分用に買ってもらい、リピーターになってもらったという話です。
この話は極論かもしれません。他のお客様がいづらくなるという場合も少なからずあるでしょう。でもそれだって、販売員の対応の仕方ひとつで解決する方法はあります。電話とカタログで注文してもらえば他のお客様も問題ありませんよね。
販売員の仕事は、買うお客様を勝手に判断することではありません。欲しいかどうか、買うかどうかを決めるのは、常にお客様がやることなんです。販売員はそのお手伝いをするために店頭に立っています。
異質と思えるようなお客様が来店された時に、どんな対応ができるか。それがきちんとできる販売員こそが、売れる販売員です。
今日のおさらいです。
- 異質なゲストへの対応を間違えない。
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