MAG2 NEWS MENU

ニッチな市場で年商2億。客の7割がリピーターになる通販サイト

消費者の財布のヒモがどんどん固くなるこのご時世、中小零細企業が生き残る道などあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で現役コンサルタントの梅本泰則さんが、「バトミントン」というニッチな市場で成功を収めた須田祥充さんの著書を引きながら、その秘訣と中小企業が市場で勝ち抜くための戦略を探ります。

小規模零細企業がとるべき基本戦略は

中小零細企業が市場で勝ち抜くための戦略があります。それは、大企業が手を出しにくくて、しかも競争相手が少ない市場を狙うことです。スポーツ業界にも、そんな戦略をとって成功をしている知人がいます。「株式会社Ba・lanza」代表取締役の須田祥充さんです。

須田さんが狙ったのは、「バドミントン市場でした。このバドミントン市場はどのくらいの大きさか、ご存知ですか。矢野経済研究所の調査によれば、2015年のスポーツ用品市場は、約1兆4,000億円です。そこでは、野球やサッカーなど18種目のスポーツ用品市場が分析されています。

最も市場規模が大きいのがゴルフ用品で、2,590億円です。2番目はスポーツシューズで、2,520億円。以下、順番に見ていくとバドミントンは、14番目にようやく登場します。その市場規模は、たった143億円で、なんと、市場全体の1%です。

この小さな市場で頑張れば、何かで一番になれる可能性があります。ですから、須田さんがバドミントン市場で勝負をしたのは、正解です。では、須田さんは、どうしてこのバドミントン市場を狙ったのでしょうか。そして、どんな方法で攻めていったのでしょうか。

須田さんの戦略

実は最近、須田さんはそのノウハウを公開してしまいました。『好きなスキマで楽しく稼ぐ新副業・起業術』(秀和システム)という新著を出版したのです。

読んでみますと、「こんなことまでバラして大丈夫?」と聞きたくなるほど、内容が詰まっています。本のタイトルからすると、「起業本」や「副業本」かと思っていましたが、違いました。確かに、起業の仕方や副業のノウハウもあるにはありますが書いてあることのほとんどは、マーケティングノウハウです。そこで、それらを少しかいつまんでご紹介することにします。

まず、須田さんがどうしてバドミントン用品を販売することにしたか、ということです。理由は単純でした。それは、須田さんが、この上なくバドミントンを好きだからです。

須田さんは、商売をするなら自分が好きなものを扱うべきだとはっきりとおっしゃいます。そして、須田さんは、「社会人のためのバドミントン上達法」を教えてくれるお店や情報が少ないことに、不満を感じていました。そこで、自らそうした情報をメールマガジンという形で発信することにしたのです。「頑張らずに勝てるためのラケットの使い方」とか「フォーメーションの組み方、配球の仕方」といった内容です。

すると、同じような情報を求めていた人たちがいました。そのメルマガは、一気に人気のメルマガとなります。ここからが、須田さんのうまいところです。記事に書いてある内容をDVDにして販売を始めました。これが大当たり。

次は、いよいよ本格的にバドミントン用品をネット販売し始めます。

バドミントン専門店 頑張らないバトミントン研究会

扱う商品は、須田さん自身がほしいと思うこだわりの商品ばかりです。売れないはずがありません。そんなことを続けているうちに今や、年商が2億円に届くところまできたそうです。すごいですね。さらに驚くことがあります。

リピーター獲得法

須田さんのお店では、リピーターが7割を占めるそうです。ネットショップですよ。信じられませんね。その秘訣も、しっかりと公開されています。リピーターを増やすには、そのための商品があるとのこと。どんな商品でしょう。

それは、消耗品です。バドミントンで言えば、「シャトルコック」ですね。このシャトルをうまく仕入れて売ることがリピーター獲得につながっています。また、単価の安いアクセサリー、例えばバドミントン用のお守りなんかも品ぞろえをすると、効果があるそうです。

そして、商品だけではありません。須田さんは、しっかりとお客様を囲い込む仕組みを実行しています。まずは、お買い上げいただいたら、すぐにお礼のハガキです。一切、商品紹介はしません。次に、一か月後に同じ人にハガキを出します。今度は、商品紹介をするそうです。これで、購入につながることも多い、と言います。

上得意のお客様には、季節ごとのダイレクトメールを送ります。そのほか、フェイスブックページを作って、毎日記事を投稿してるそうです。そこで、お客様とのやりとりをします。

こうしたアクションは、お客様を増やして買い続けていただくための、基本中の基本です。しかも、顧客を「バドミントンが上達したい社会人」に絞り込みました。そして、集めたのが、他店では売っていないユニークなバドミントン用品。これは、マーケティングの基本ですね。つまり、愚直に基本を実行し続けることが、ビジネス成功の秘訣と言えます。

いかがでしょうか。須田さんの本には、まだまだ多くのヒントが書かれています。さらに詳しいノウハウを知りたい方は、この本をお読みください。きっと、あなたのお店でも役に立つことでしょう。

■今日のツボ■

image by: Dziurek / Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け