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欧州では6色。日本人が「虹は7色」と信じて疑わない理由

お子さんや家族に「空はどうして青く見えるのか」と聞かれて答えに窮した経験がある方、いらっしゃいますか。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんがその答えを教えるとともに、「虹が7色」とされるようになった経緯についても紹介しています。

どうして空は青いのか?

夏真っ盛り。空を見上げたら、真っ青な空。今日も暑くなりそうだなあ…。そう思いながらの毎日ですが、いかがおすごしですか?

さて、この空の青色。なぜ空が青く見えるのでしょうか? 「子供の素朴な疑問・質問」の代表格でしょう。ずっと昔に本で読んだ解説の「おぼろげな記憶」では、

太陽からくる光は、色んな色が混ざって「白」になっている。地球の大気に入ると、その中の青だけが反射される。青だけがあちこち反射するので、一面に青が広がる。だから空は青いんだ。

ということです。その時は、「青だけが反射するのかあ」と納得していた記憶があるのですが、今から思うと、これでも子供が簡単に納得するかどうか難しいですね。念のため「空はなぜ青い」で調べてみると、科学館などの答えも含めて、おおよそ似たようなものです。

初めに気になったのは、「太陽の光は7色でできている」という説明です。みなさんも昔、「プリズム」を使って太陽の光を「分解」する実験をしたことがあると思います。「虹」でもいいですね。同じことです。太陽の光が分解されて見えるのですが、「7色」だというのは誰が決めたのでしょうか?

この7色は日本では

と言われています。虹の写真でもプリズムの実験の写真でもいいのですが、あらためてじっくり見てみてください。本当にこの7色ですか? 「黄」と「緑」の境目ってどこですか? 「青」と「藍」と「紫」はどこで変わりますか?

虹にしろプリズムにしろ(他に、CDやDVDの裏面にしろ)、色の変化の境目はありません。「ここまで赤、ここから橙」というのは人によって違ってもおかしくありません。「青」と「紫」だけだという人がいてもいいでしょう。でも、「7色」と私たちは思っています。

これの起源は、なんとニュートンの時代にさかのぼります。太陽光の研究をしていたニュートンは、18世紀の初めに『光学』という本を著します。この中に、色の屈折率などの研究を紹介するとともに、虹の色は7色だとしました

それまでヨーロッパでは虹は5色とされていたところに、「橙」と「藍」を加えて7色としました。ニュートン自身は「色の変化は無限」ということは知っていたようですが、「7」という数字にこだわったようです。「7」は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シという音階に一致するという理論からです(当時は音楽は立派な「自然科学」だったのです)。

日本には、明治維新とともに西洋科学の知識がどっと入って来て、学校教育に取り入れられていきます。その中で「虹は7色だ」ということが浸透します。意外にヨーロッパでは未だに6色だというのが通例のようです。フランスは日本と同じく、学校教育で「7色」と教えるので「7色派」だと聞いたことがあります。

「空の色はなぜ青色なの?」と聞かれて、「太陽の色は7色でできていてね…」というところから始めても、「なぜ7色なの?」と重ねて聞かれたらやはりそこで止まってしまいそうです…。もし聞かれたら、一緒に虹を作ったり、プリズム遊びをしてみて色々考えてみるのもいいですね。

まあ、ここはクリアしても「じゃあ、なぜ青だけ反射するの?」と聞かれると、これはこれで次の難関ですが…。

ニュートンは物理学史における天才の一人ですが、身近なところにたくさんの業績を残しています。一方で、結構無謀なこともしているようで、「太陽光をずっと見続けているとどうなるか?」ということを自らの目で実験しています。普通だったら失明しそうな危険な実験ですが、幸い、視力を失うことはありませんでした。

そういえば…2012年の金環日食の時に「太陽観測用サングラス」がたくさん売れましたが、みなさん、まだお持ちですか? 久々に太陽を見てみるのもいいかもしれませんね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 1日1粒!『幸せのタネ』 【発行周期】 日刊

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