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全米憧れの街・ポートランドに非常事態。ホームレス急増で街が激変

毎週のように世界中を飛び回るクリエイターの高城剛さんが、自身のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』で、先日カナダから米国西海岸にかけてロードトリップをしてきた様子について綴っています。高城さんは、かつて「全米で最も住みやすい街」ともてはやされたオレゴン州ポートランドの見るも無残な衰退ぶりを目の当たりにしたのが今回の旅で最も衝撃を受けたことだったとのこと。このポートランドの現状を「ダークサイドへ落ちた米国の象徴」と語り、今後これが全米に広がる可能性を指摘しています。

米国は、B面へと移り変わった

今週は、コロラドのボルダーとデンバー、シアトル、ポートランド、ポートランド郊外のマウントフッド国立公園やネイティブアメリカンの街ワームスプリングやオンココ国立公園と移動しています。

この夏はカナダと米国西海岸をロードトリップしてまして、部分的に飛行機を使うこともありますが、基本的には野宿同然の車中泊やモーテル泊の日々を送っています。

この時期の米国西海岸は好天が続き、なにより湿度が低いのが快適で、野宿や車中泊でも苦になりません。

さて、三年ぶりにポートランドを訪れましたが、その変貌ぶりに驚きました

まず、ホームレスの数が尋常ではありません

いまから二年ほど前に、急増するホームレスに対し「非常事態宣言を出したポートランド市政府ですが、住宅提供や表現活動を支援対策するも、増え続けるホームレスに事実上打つ手がないようです。

十年前は、コンパクトシティとして世界的に評価されたポートランドでしたが、いまでは見る影もありません。

なにしろ、人口の1%近い人たちが、ホームレスとして街に溢れているのです。

前回ポートランドへ訪れた際に、本メールマガジンでこの街の本質を書いたと思いますが、ここは、古きシークレットソサエティ(秘密結社)によっていまも動いている街です。

元々フリーメーソンのグランドロッジだったポートランド美術館には、一般の人たちが入ることができない「開かずの間」があり、儀式が行われています。

街のど真ん中にサイエントロジー教会があり、年々拡大している様子も伺えます。

世界最大の独立系書店「パウエルズ」に訪れれば、総合ベストセラーの第一は「マインドフルネス」関連の書籍で、この街の人々が相当疲れている様子が伺えます。

なにより、街中のレストランやカフェの品質が落ちているのが残念です。

いまだに日本ではワケ知り風に理想郷として語られることがあるポートランドは、過去に黒人を徹底的に排除した歴史があり、白人住民の割合が極めて高いのが特徴です。

その強力なエンジンが、新興宗教と秘密結社でした。

そして2ヶ月ほど前、朝の混雑した通勤電車内で1人の男白人が2人の少女イスラム系と黒人に差別的な暴言を浴びせ、見兼ねた3人の乗客が止めに入ると男は逆上し、ナイフを振りかざし3人の首を刺し2人が死亡する事件が勃発。

この事件は、ポートランドのダークサイドが再び浮上してきたことを知らしめています。

政党色のない米国の非営利団体、公共宗教研究所(PRRI)が5万人を対象に実施した「アメリカン・バリューズ・アトラス(米国人の価値観調査)」によれば、米国の大都市圏で住民の信仰心=キリスト教が最も薄い場所はポートランドだと発表しました。

街中を歩くと、ホームレスのほとんどが白人であることに気がつきます。

そして、彼らはキリストも政治も信じていないことから、この街に数多ある新興宗教に救いを求めているのが、現在のポートランドの真実なのです。

この街を歩けば(引いては米国全体が)、ダークサイドに突入したのを実感します。

米国は、B面へと移り変わったのです。

image by: photo.ua / Shutterstock.com

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高城未来研究所は、近未来を読み解く総合研究所です。実際に海外を飛び回って現場を見てまわる僕を中心に、世界情勢や経済だけではなく、移住や海外就職のプロフェッショナルなど、多岐にわたる多くの研究員が、企業と個人を顧客に未来を個別にコンサルティングをしていきます。毎週お届けするメルマガ「FutureReport」は、この研究所の定期レポートで、今後世界はどのように変わっていくのか、そして、何に気をつけ、何をしなくてはいけないのか、をマスでは発言できない私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。

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【著者】 高城剛 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 金曜日(年末年始を除く)予定

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