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アメリカでは当たり前。「転職引き止め」の厚遇すぎる条件

国によって大きく異なってくる転職事情。アメリカ・シカゴにお住いのリサ・ハンターさんが、現地でキャリアウーマンとして日々奮闘する様子を自ら綴る『キャリアママは今日も元気。シカゴからのお便り』では、アメリカでは当たり前の「Counter Offer」にまつわる悲喜こもごもを取りあげています。

アメリカの転職話

今日は、アメリカで転職の際によくある話です。

私自身は、もう今の会社に長くて、転職は既に15年ほどまえ。当時は日系にいたので、この経験はありません。

今、うちの課は人出不足でずーっと一年以上求人をしているにも関わらず、うまく採用できていません。

今回、ようやく採用が決まりました

この候補者は、まだ若く、大学出て3年目。業界にいますが、私たちの課がやる内容については経験なし。

それでも、まだ若いし、頭もよさそう。業界にはいる。ということで採用が決まりました。

一年以上、ポジションがあいていたため、上司はかなり興奮していました。やっと新しい人が入るということで、準備万端

一週間前には、既にデスクも整えられ、名札もつけられ、ばっちりでした。

ところが、直前の金曜になって、この彼は来ないことが正式に決まりました。

何があったのでしょうか。

それは、今の彼の会社から、Counter Offerがあり、留まることになったのです。

このCounter Offer、アメリカでは本当によくあることです。

アメリカでは、At Willといって、お互いに合意のもとで仕事をしています。辞めるときは2週間の事前通達が決まりです。

この二週間前の通達をすると、優秀で、引き止めておきたい人間の場合は、ほとんどの会社はCounter Offerを出します。

以前、私の知っている人でも、ほぼ間違いなくこのCounter Offerをもらっています。

内容は、人によりますが、だいたいは給料アップが約束され、ポジションの昇格も場合によってはあります。

私の知り合いは、もう転職は決め、相手の会社はEmail Addressのセットもしていました。Counter Offerは、二度あり、一度目は断りました。でも二回目で、結局留まることに。

後で聞いたら、このCounter Offerは、給料はもちろんですが、彼の出身地である南部への引越し。そして家から働く日も含めた、かなりありがたいOfferだったようです。

これは、ほんの一例ですが、アメリカ、これはよくある話です。

転職するだけが、昇給、昇格の道ではありません。転職を決めたとたんにCounter Offerがあって、どんどん昇格していくのです。

ただし、これには、会社が失いたくないという人材でなければいけません。

これも、私の知り合いに本当にあった話ですが、この彼は、勘違いがすごい人。

転職が決まり、ぜったいに引き止められるだろうと本人は思っていたようですが、あっさり引きとめはなし。Counter Offerはなし。どうぞ辞めてくださいが会社の本音だったようです。

そういうケースもありますので、おどしで転職はできません。

まあ、優秀だからこそ、転職の話があり、会社も引きとめに入るのです。

さて、断られてしまったうちの上司。かなり頭にきていました。

一年以上、埋まらないポジション。また一からやり直し。まあ気持ちはわかりますが、でもこれはよくある話でしょ?って誰もが言っていました。

人手不足なうちの業界。

早く誰か優秀な人が入ってくれることを願うばかりです。

今日も最後までありがとうございました。

また来週もよろしくお願いいたします。

image by:Shutterstock

 

 

『キャリアママは今日も元気。シカゴからのお便り』
アメリカ在住19年のワーキングママです。日本人の弱かった自分がアメリカに住み、仕事をもち、そして国際結婚、離婚を経て、離婚後はフルタイムのお仕事をしながらのシングルマザー。大都会シカゴで日々奮闘する様子をお伝えします。
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