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希望の党の正体は、小池知事が1年間で何をやったか見れば分かる

安部総理の会見前に突如「希望の党」の結成と、自身の代表就任を発表し世間を驚かせた小池百合子東京都知事。さらに民進党を始めとする各野党から希望の党に鞍替えする議員が続出し、ネットでは「駆け込み寺」などと批判の声もあがっています。そんな現状に無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんは憤りながらも最後に審判を下すのは国民だとし、マスコミが報じない「希望の党」の現状を詳しく解説しています。

衆院選挙は小池百合子都政の中間試験

9月16日頃から噂が拡散され始めた解散総選挙。そこで繰り返された批判が「大義がない」です。

いわゆる小池新党がまだ産声すら上げず、民進党は党勢回復のためと、前原誠司氏が代表に就任するも、幹事長に大抜擢しようとしたガソリーヌことゲスリーヌこと、山尾志桜里氏の不倫疑惑で大ブレーキ。

民共連合という、選挙のために主義主張を脇に置き去りにする「野合」もまとまらないなか、野党が弱い状態での解散総選挙を「卑怯」の文脈で、左派系マスコミは安倍政権と自民党をなじっていました

10月3日、小池新党こと「希望の党」の第一次公認候補者が発表されました。192人のうち民進党の公認内定者は110人です。

小池新党参加の条件とされる、俗にいう「踏み絵」と呼ばれる安保法制に賛同したのなら、彼ら民進党どもが執拗に反対し議論すら拒んだ国会でのあれは何だったのでしょうか。

また、それを受け入れる希望の党も含めて、大義どころか、日本社会では大切とされる「節操がないということです。

すっかり「希望の党」の顔のように振る舞う細野豪志氏に至っては、SEALDsの活動でトラメガを持ち、演説をぶっていた人物。

約2年前には反対していた政治家が、いま、ひと月ちょっと前まで「仲間」だった連中を、それも同じ理由でクビを切っている。また、若狭勝氏にしても投票を「棄権」しています。実におぞましい光景です。

政治家は選挙に落ちればただの人。だから必死になる感情は理解できます。

9月30日のNHKの報道によれば、民進党側として交渉にあたっていた玄葉光一郎元外務大臣は「時間がないが、候補者の人生がかかっているので、1つ1つ丁寧に進めていく。できるかぎり希望する人を公認してほしいが、あすも協議を行って、前原代表に一定のレベルの報告ができるようにしたい」と述べて、ネットは炎上

ネット批判をまとめるとこんな感じ。

就職活動かよ。かかっているのは国民の生活

私は玄葉氏を責めはしません。それが本音なのでしょう。それが民進党という政党の本質なのでしょう。そんな連中を選ぶかどうかは有権者の仕事ながら、この言葉に批判を加えずに報道するNHKに呆れます。

情報をそのまま流す「ストレートニュース」という強弁も、日頃は何かとつける「角度」の前には虚しい限りです。

首相やその周辺の言葉の揚げ足をとるマスコミもこれを批判しません。これも「報道しない自由」です。しかし、選挙の「大義」を「就活」に設定する民進党が目指していたのは国益ではなく、所属議員の私益ということで、これにニュースバリュー(価値)を見いだせないなら、余程のアレか確信犯です。

なお、近頃ネットでは侮蔑語、罵倒語、中傷が、著名人レベルでも飛び交っております。言葉の乱れは心の乱れと考えるので、それ以外の表現が見つからない場合を除き、「アレ」といったらアレのことで、皆様の想像力にお任せします。

このNHKの報道では希望の党側の若狭勝氏は「民進党出身者は含まれないが、50人は超えると思う」と語っています。既に述べたように民進党がらみの内定者は110人です。

土曜日夜の話が、火曜日になるとまったく違うものになると、三日坊主もビックリです。

ある程度の予定が狂うことは仕方がありません。しかし、極度な変更が繰り返されれば、それは確信犯としてのの可能性を疑うのが健全な大人の態度です。

「信じられぬと 嘆くよりも人を信じて 傷つくほうがいい」とは海援隊『贈る言葉』の一節ですが、まともな大人なら、嘘つきとつき合うことの時間の無駄、人生の損を知っています。

ネットではすでに行われている、こうした「発言の一貫性」についての検証を、既存のマスコミはほぼ報じません

一般的な国民は、ニュース報道のすべてに目を通すことなどできません。そこで、ニュースやワイドショー情報を頼りにします。嘘が疑われる情報を垂れ流しするマスコミの罪は重いと断じます。

若狭勝氏でいえばヤメ検弁護士として、メディアに売り出していた7年前のTBS「朝ズバ」で、首相だった菅直人の二転三転する発言に対して「自己矛盾の供述は信用できない。刑事訴訟法の精神だ」と嘲笑を交え批判していました。

10月1日には「次の次に確実に政権交代出来るなら今回は小池代表が出なくて構わない」と述べながら、翌日には「政権交代は十分可能と今は思ってる 」と自己矛盾の供述をしています。

発言が二転三転、七転八倒の例を挙げれば切りがなく、こうした客観的事実から見たとき、若狭勝氏は嘘つきとなります。嘘つきがスポークスマンを務める政党を、国民はどう評価するでしょうか。

あるいは別の意思決定機関があり、若狭氏らがどれだけ議論を積み重ねても、それを無視する存在がアリ、端的にいえばそれは小池百合子氏で、つまりは若狭氏の証言には一片のニュースバリューもないとなります。

同時に「希望の党」とは「小池新党」であり、小池百合子氏の専制、独裁による政党だということ。そしてあの旧ドイツの、アドルフ・ヒトラーが率いたナチス党も、同じく選挙で勝つことで実権を手に入れたのです。

ネット情報を渉猟するだけでも、独裁が確認される情報で溢れかえり、一部の内部情報はそれを裏付けています。私はこれが希望の党の実態だとしても、それそのものを批判しません。なぜなら有権者が決めることだからです。しかし、こうした情報に触れている国民はわずかです。

小池百合子氏が、民進党議員の合流に際して「排除」との語句を用いたことで、潮目は代わり、とりわけ左派メディアは小池氏への総攻撃を試みようとするも、それは安倍政権へのアシストにも繋がりかねず、それを怖れたからか、実に中途半端で屁理屈をこねくり回すだけの惨めで幼稚な言説ばかりで、左派、というより正確にはTBSの反政府啓蒙番組「サンデーモーニングはお通夜のようだったのには笑いました。

そもそも小池氏が思想信条により、一部の民進党議員を「排除」しようとしたことは、理念や信条による結集する「政党としてはむしろまともです。自称保守から極左まで同居していた民進党よりは筋もあれば大義もあることでしょう。

惜しむらくは「アウフヘーベン」「ワイズ・スペンディング」など外語が大好きな小池百合子氏が「選択と集中」という日本語を思い浮かばなかったことです。

いや、「とっさにどこの国の言葉を思い浮かぶか」も政治家を選ぶ基準のひとつともいえます。蓮舫さんだとニーハオかもしれませんので。

はてさて、「排除により潮目が変わり小池百合子批判もそれなりに出るようになりましたが、彼女の言葉選びがもう少し上手であったなら、テレビや新聞でしか情報を得られない国民は、どういう判断をしたでしょうか。

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶといいますが、本当の愚者は経験からも学ばないものでしょう。

熱狂を持って選ばれた小池百合子都知事。この1年間で何を成したか。

まず、朝鮮学校への都有地の提供を中止しました。次に大不評だった東京五輪の観光ボランティアのユニフォームも廃止…以上です。あとは都議会議員選挙での圧勝ぐらい。

東京五輪の会場見直しで「400億円削減」したというのはです。環境対策目的の都債「グリーンボンド」を財源とすることで、「予算」から切り離しただけのこと。

豊洲移転と築地についてはご覧の通り。移転派と残留派の間に深いシコリを残し、移転までの経費と休業補償と、いま、それこそ最前線で対応にあたる都民ファースト所属の都議会議員は悲鳴をあげているとか。

これは八百屋の義父の話。

築地はいいよ。大きいし名前がある。でもこれからはやっていけない。あそこは暑いし汚い。いまはマシかも知れないけど、昔はマグロなんかコンクリートに直置きだし、夏場なんか空調がないから魚がすぐに傷む。

義母が築地のどこかで養女同然で可愛がられていたこともあり、聞いた築地今昔のまとめで、築地の良さはわかるけどこれからは無理という見立です。

行政の正当な手続きにのっとりすすめられた、市場の豊洲への移転について、当時の石原慎太郎都知事への個人賠償の可能性を模索したのも現都知事閣下。

これはこの1年ちょっとの間に「経験」したことです。

さらに希望の党の結党に際して「しがらみのない政治」と繰り返しましたが、第1次公認で東京7区から出馬するのは、「都民ファーストの会」の現代表・荒木千陽(あらき ちはる)氏の御尊父で、熊本県議の荒木章博氏。

熊本2区から出馬すると産経新聞が報じていましたが、なぜか東京選挙区からの出馬です。こうした縁故関係も「しがらみ」なんですがね。

憲法改正の発議に必要な3分の2という勢力を捨ててまで挑む解散総選挙は、安倍政権への審判」という大義があります。そしてここにきてもう1つの大義が、都民には生まれました。それは「小池百合子都政への中間試験」という大義です。

希望の党が、少なくとも東京で大勝することがあれば、それは信任といってよいでしょう。

そして、東京は愚者が多いと添えておきます。

image by: 小池百合子 – Home | Facebook

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ネット番組「みやわきチャンネル(仮)」の宮脇睦が氾濫するメディア情報から社会のホントを指摘しています。マスコミは本当の「全部」を話しません。嘘つきとは言いませんが、誠実な正直者でもありません。そして「情報」はその裏に隠されている「真実」を伝えているとは限らないのです。

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【著者】 宮脇 睦 【発行周期】 ほぼ 週刊

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