「自由と平等の国」と呼ばれるアメリカですが、実際には厳然と存在するマジョリティとマイノリティとの格差。NY在住の起業家・中川不二雄さんは自身のメルマガ「誰でもなれる海外起業家論」で、現地における「日本人の立場」について、そのリアルな現状を紹介しています。
マイノリティーを自覚
アメリカで仕事していると、我々はマイノリティーであることを実感します。
日本ではこの感覚は決して感じることはないでしょう。と言うか自分達がマイノリティーだなんて、考えたことすらないのではありませんか?
アメリカで仕事するには、この「マイノリティー」を認めることが大切です。
日本では、当たり前ですが、日本人はマジョリティです。一番なんです。日本語もネイティブなんですから(笑)。
アメリカでいうと白人のようなものです。まあ、ワスプ(WASP)ですね。
しかしアメリカでは、我々は基本的に日本にいる外国人と同じようにマイノリティなんです。
日本のファーストフードレストランで働いているアジア人と同じだと思ってください。彼らは日本語は話せますが、ネイティブレベルではありません。同様に我々の多くは英語をネイティブ並みに話せないのです。
なので、日本同様(?)にちょっと下に見られているのです。だから、給料もそれなりとなります。
アメリカで就職する場合、日本でいくら給料をもらっていようが、関係ないのです。アメリカではマイノリティーレベルの給料でスタートするのが基本です。それが嫌なら、マジョリティーになるか起業して社長になるかです。
マジョリティーになるには、まずはその国の言語をネイティブレベルにする必要があります。ようは英語がネイティブレベルにならないとマジョリティー扱いはしてくれないのです。
もちろん、人種のるつぼのNYCです。片言の英語でも表面上はマイノリティー扱いはされないかもしれません。差別もないでしょう。
しかし、それはあくまで表面上です。内心は、英語が下手で何言ってるか分からない外国人…マイノリティーだな~とみられています。
英語を克服できたとして、次に日本人である誇りがないとマジョリティーになれません。ようはIdentityです。そのためには日本の歴史、文化の勉強も必要です。
例えば、今慰安婦の銅像がNYCであちこちでできています。
メディアの報道や証言もコロコロ変わったり、メディアが謝罪したり、まあとにかく色々あり、自分の意志でなく、強制された従軍慰安婦の人数が本当に20万人いるのか…正直もう私には分からなくなりました。
しかし、日本人よりも韓国人がマジョリティーになっているNYC。なかなか簡単に撤去できそうにないですね。韓国人は慰安婦問題のロビー活動をきっちりしているのです。間違いなく、日本人よりもマジョリティーになっています。
それに比べ、けしからんと怒る日本政府は嬉しいのですが、怒るだけで、具体的な行動を何も起こせないのが現状です。具体的な行動を起こせない日本政府も、私同様アメリカではマイノリティーなのでしょう(苦笑)。
でも実際、地下鉄の案内ですが、英語、スペイン語、韓国語、中国語、フランス語、インド語、アラビア語…日本語はないのです(涙)。
人種差別もそれなりに裏ではあります。貧富の差も日本よりはかなり激しいNYCです。さらに治安も日本よりは絶対に悪いです。
これだけ書くと、アメリカは最悪の国だと思いますよね。アメリカでの就職なんて何で?と思いますよね。
でも、中東、中国、アフリカ、ヨーロッパと色々国はありますが、アメリカが人気であることは事実なのです。
上記のようなネガティブな事ばかりのアメリカですが、これらは今の地球では常識であり、それを踏まえて生きていく、すなわち仕事することが大切なのです。アメリカが特別なのではありません。
こんなアメリカですが、アメリカンドリームと呼ばれるものがあります。
マジョリティーになるのか? それか起業するのか?
どちらにしても、是非チャレンジしてください。
image by: Shutterstock
『NY在住となりの起業家中川扶二夫「誰でもなれる海外起業家論」』
著者/中川扶二夫
日米での起業家。ノマドライフ家。29歳の時に単身ニューヨークへ渡り起業。現在では全米に6業種6社(20支店)を展開中。毎週水曜配信のメルマガには、起業やトラブル解決法などビジネスヒント満載です。
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