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入ったお店で「食べログ」以上の情報を収集できるアンテナはあるか?

戦略コンサルタントとして活動する、中久保浩平さんの無料メルマガ『ビジネス真実践』。今回は、ビジネスマンとして成長できるかどうかにも深く関わるという「情報のアンテナ」について、大いに語っています。……たしかに「情報のアンテナを張ろう」って話はよく耳にしますが、具体的にどうすればいいんでしょうね?

感想は不要

今から4年ほど前、社会人3年目までの若手ビジネスマンを中心とした勉強会を1年間、定期的に開催していました。

その勉強会で、メンバーのみんなに、情報収集アンテナ感度を高めるために、飲食店でも洋服店でもなんでもいいから「入ったお店を観察する」というお題を出しました。

そして、その観察結果を次月にそれぞれ発表してもらったのです。

Aくんは、とあるオシャレな感じのカフェレストランに入ったときのことを以下のように発表しました。

「週末の夜に行ったので、結構込み合ってました。味もよく接客サービスも丁寧で気持ち良かったです。それに結構リーズナブルだったので、気に入りました」

リーズナブルとか、サービスが良く料理が美味しいお店という情報が含まれているのはお店の情報ですが、そんなものは、食べログを見てれば得られるものです。足を運んだからこそ得られるものがありませんでした。また、リーズナブルで気に入った、という感想。これは情報ではなくあくまで感想。情報価値はありません。

ネットで調べて得られるものや感想を発表するくらいなら、小学生でもできます。情報収集というのは、誰でも手軽に得られるもの感想というものではありません

次は、Aくんと同じ店に別のBくんが観察に行きました。

そして、

「金曜日の19時に入店しましたが、その頃は60席あるお店も満席状態でした。ザッとですが、そのうちカップルのお客さんは3割。仕事帰りのOLさん風の20代後半~30代半ばの女性同士のお客さんが5割。あとの2割は、30代前半の男性客でした。客単価は2500円~3000円くらいといったところで、ボリューム、サービスの質を考えるとリーズナブルでした」

と発表したのです。

AくんもBくんも同じお店でと同じ時間帯に行ったにも関わらず、情報収集の質がまるで違うのがお分かり頂けるでしょうか?

Aくんはネットで手軽に入る情報と感想を発表し、Bくんはデータ+データに伴った分析を発表したのです。

当然、お店の人に尋ねたわけでもないので、Bくんの情報は信憑性に欠けるところもありますが、それでもAくんの発表よりBくんの発表のほうが、ずっと価値ある情報になります。

同じ時間帯、同じ場所で目にしたり耳にしたりするだけでも、情報収集アンテナの感度によって、伝える情報の質も変わってくるのです。

誰もが同じ所で同じものを見ている。だけど、他人とは違った視点で情報を捉え、それを伝えることのできる人というのは、マーケティングのセンスがあるといえます。

なんてことを云うと、「結局、マーケティングにはセンスが要るのか」とネガティブに思う人もいるかも知れませんが、元々センスのある無しには関係ありません。感性を磨くことは誰にでも出来ますから。

ではどうやって日々感性を磨くのかというと、目に見えたり耳に入ってくる情報の表面だけを捉えるのではなく、角度をちょっと代えてみたり、全体像を客観視したり、自分だったらこうするなど、いろいろと想像力なども働かせながら感じてみることです。

端的にいうと、「知り得た情報価値あるものとして他人に伝えるにはどうすればいいか?」を意識しながら収集することです。

要はアウトプットするためにインプットするということを意識することです。

それが「情報のアンテナを張る」ということです。

こうしたアンテナを張りながら日々仕事に励むかどうかで、その人自身の成長度合いも大きく変わってきます

特に営業マンの場合、プレゼン能力が断然違ってきます。

感想や誰でも手に入る情報ではなく、自分が発信すべく価値ある情報を収集するには、どのような訓練が必要ですか? また日頃からどのような工夫ができますか?

今日のまとめ

『情報のアンテナを張り感度を高める』
・感想と情報提供の違いをハッキリと区別し、本文にあるような「お店の観察」や「工場見学」など実際に観察体験に出かけ、情報収集してみる。
・上記で得たことを社内で発表してみる。

image by: Shutterstock

 

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