読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「自分に飛び抜けたスキルがない」と悩む会社員の方から、新しいことを始めるきっかけに「自身の経験をブログやメルマガで配信したいが価値はあるのか?」という質問が届いています。自身もブログを運営し、ヒット記事の書き方に精通する永江さんが送ったアドバイスとは?
価値のあるブログを書くために
Question
最初に自己紹介させて下さい。サラリーマンでIT運用業務プレイヤー兼マネージャーを稼業としてます。40代です。メルマガ購読して、初めて質問させて頂きます。
自分自身を棚卸して、どこでも通用する飛び抜けたスキルが無い事に、非常に危機感を感じています。同時に、何か新しいことを始めたいと、転職や副業を考えてますが、イマイチぴんときません…。
しかし考えたり、調べたりばかりで何かしら行動しないと気持ち悪くなってきたのでこの先、人生の時間を費やす価値がある、と感じられたものをブログやメルマガのメディアで言語化していこうと考えております。
単純作業や労働が、AIに取って代わる先を見据えると私のキャリア、特にマネージャーの経験やノウハウという切り口のブログやメルマガは、価値があるでしょうか?
ブログを拝見して、WordPressはセキュリティが不安なので、livedoorブログか、メルマガ配信で始めたいと考えています。
永江一石さんの回答
いきなり冷水ぶっかけて申し訳ありませんが、現時点で質問者さんのブログやメルマガには何の価値もないのでやるだけムダだと思いますよ。質問を読む限り、何を書こうか曖昧な無名の40代サラリーマンのブログなんて誰も興味を持たないでしょう。
大事なのは今後どうやって価値をつけていくかなのですが、何度も書いているようにバズるブログの真髄は「あなたの代わりにお調べしました、やってみました」の視点なんです。人が出来ないことを代わりに調べたり、自分の足で体験することで、読んだ人が「これは人に教えてあげなきゃ!」と思わずシェアしてくれる。結果、自然とバズるという仕組みですね。
以前も書きましたが、わたしも初期の頃はこの方法で読者を増やしていきました。
本格的にブログを始めたのは東日本大震災の後なのでまだ6年ほどですが、今とはエントリーのテイストがまるで違いますよ。当時は基本的にやりたい仕事だけやって遊んで暮らしてたので、SIMフリーも知らないレベルから毎日何時間も調べて少しずつ知識をつけ、ソーシャルも本格的に運用し始めて今に至るんです。
「自分自身を棚卸して、どこでも通用する飛び抜けたスキルが無い」とありますが、これまでの働き方が一因ではないでしょうか。
人間には「何でも主体的に行動する人」と「上から言われたことしかしない人」の2種類がいて、この差は非常に大きいんです。前者は疑問や不明点をその都度調べて解決していくのでどんどん成長していきますが、後者はそれをしないので進歩がありません。
例えばトヨタの5代目社長の渡辺捷昭さんは、新入社員時代に社食の管理業務に配属されて腐りかけましたが、そこで残飯の分析を行って食堂の仕入れを改善し、上層部の目に留まって経営センスを認められたそうです。
まとめると、同じ仕事をしていても成長する人とそうでない人の違いは「自分の頭で考えて動けるか否か」ということですね。せっかくブログを書くなら自分が勉強するつもりで徹底的に調べながら書く。そうすれば3年後に価値のあるブログにすることは決して不可能ではないと思います。
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