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ポイントカードにキャンペーン。販促依存になった店の悲しい末路

年末年始に向けさまざまなイベントを企画するお店も多いかと思いますが、「販促効果」での売り上げに舞い上がっていると、いつしか販促依存に陥り、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、「販促依存症」がもたらす弊害について詳しく解説しています。

販促依存にご用心

売上を伸ばすため、シェアを拡大する手段の1つに販売促進があります。文字通り、商品の販売を促進し、売上やシェアを伸ばすことが目的なので、当然商品が多く売れるような企画や、より多くのお客さんを獲得するための企画を立て、実施するのが役割です。実際に多くの企業、店舗が計画的に実施されています。説明するまでもありませんね。

ところが、計画的ではなく、場当たり的に販売促進を実施するところも意外とあるもので、そうした会社やお店では試みた販促が一度当たれば、「こうすれば上手く行くんだ」と、どんどんと販促頼みになっていきます。

するとどうなるか?

売上が伸びる反面お店・会社としての成長は途上のままになるパターンがあります。単純に売上が伸び「これでいける」となって、本来見直していかなければならないことがうやむやなままになっていくからです。うやむやなままでいくと、少々のことは目をつぶったり人も育たなくなったりなど、粗がでてきます。

でも、売上は立つんです。

これが一番怖いことです。

そして、知らず知らずに販促をしなくては売上が立たないというような状況になっていきます。さらにそうなると、本来得られるはずの利益を失っていることにすら気がつかなくなります

飲食、サロン、洋服、理容、美容室などの店舗営業の商品は、サービスも商品です。つまり、日々サービスの改善、質向上を目指さなければなりません。それを、数字を追うがあまり、本来最優先で取り組まなければならないことを蔑ろにして、販促ばかりに注力してしまいます。で、1つ企画が当たると、「よし!これで売上げが上がることがわかった」とまた別の企画をあれこれ絞り出そうと躍起になっていくのです。

さらに、企画がたくさん出てくるともうそれだけで仕事をやっている気になってしまう。そうやって段々と本来の店舗のあるべき姿が消えていくのです。

「イベントだからやってきた」
「キャンペーンだから購入した」
「ポイントを貯めるために来た」

そういうお客さんしか来てくれなくなり、企画モノでしか店舗を評価していないお客様しか集まらないということになるのです。お店の雰囲気、サービス内容、品質、スタッフの人柄など、総じた評価をしてもらって然るべきところが全く評価対象として成り立っていないということです。商売をしていてこれほど悲しいことはありませんよね。

販売促進に囚われるということは、結局、お客さんを数字としてしか見ていないのです。お客さんは感情ある人間という大儀に反しています。だから、ちゃんとした評価もしてもらえません。元々何の為に自店がその地域のその場所にあるのか? 何の為に出店、開業したのか? お客さんは、何のためにやってくるのか? こうした定義や信念を忘れてしまってはいけません。

企画モノでしかお客さんは来てくれないというのは店舗としての自力が無い本来すべきことが出来ていない、ということを露呈していることになります。つまり、まだまだ他にやらなくてはいけないことがたくさんあるのです。それらを1つ1つ抽出して取り組むことが先決なのです。

販促ありきで商売をやっていると、企画のネタがなくなればどうするの? 年がら年中、割引やらキャンペーンやらイベントやらをやったところで、そのアイデアが途切れたらどうするの?ってことです。

簡単に集まったお客さんは簡単にいなくなります。そのことを十分、肝に銘じておきましょう。それらのことが十分にわかった上で、販売促進、プロモーション、キャンペーンをする意義は何なのか? どういうときに何の為にやるべきかものなのか?このことを明確にして計画を立て実行することです。

■今日のまとめ

『販促はなんのためにやるべきか?を明確にすること』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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