MAG2 NEWS MENU

なぜ日本では「恋人がサンタクロース」になってしまったのか

もはや日本にもすっかり定着したクリスマス。未だに「キリスト教徒でもないのに?」などと否定的な立場を取る方もいますが、実はそういった意見に「異文化接触」の本質がある、というのは無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さん。須田さんは今回、クリスマスやハロウィンなどを例に取り、異文化接触についてわかりやすく解説しています。

クリスマスと異文化接触

クリスマスの雰囲気に、「キリスト教徒でもないのに!」「本来、クリスマスはカップルだけのものじゃない!」といったこともよく聞かれます。クリスマスに限らず、バレンタインデーにしても、最近ではハロウィンでもそうですね。

「本来は~~とは違う!」というものと「日本では~~はなじまない」というのがセットになった意見。実は、ここに異文化接触の本質があるのです。

異文化接触というのは、二つ以上の異なる文化がなんからの形で接触するものです。たいてい全く同じ大きさ、規模のものではなく、何かが大きなところに含まれるような形で異文化接触が起こります。

たとえば「クリスマス」という風習も、「日本」という、すでに宗教、伝統などをしっかり備えた文化の中に入ってきました。そうすると、日本という文化の中にある種の変化が起きます。これまで何もなかった時期に「イベント」が行われるようになるなどがそうです。クリスマスプレゼントというのもそうでしょう。大きな文化、受け入れた方に変化が起きます。

一方で溶け込んだ側、今回なら「クリスマス」の方も、接触した文化(日本)から影響を受け、変化を起こします。元がどうであれ、その受け入れた文化にふさわしい形に変化するのです。これが異文化接触というものなのです。

人で考えてみましょう。自分がどこかの国に長く住むことになった…。「私は元からこういう性格だ」「こういう習慣を持っている」と、いつまでも元のままから変わらなかったら…、おそらくその文化に受け入れられることはないでしょう。また受け入れた方も、小さくともなんらかの変化を起こすはずです。

「昔は日本にはクリスマスはなかった!」と言うのは正しいのですが、今は今。異文化接触の中で、互いの文化が変容した形を大きな目で観察する気持ちを持ちたいところです。

クリスマスやバレンタインデー、ハロウィンなどは、日本の中に入ってきて、大きく変化を起こした例だとは思います。それゆえに、反発みたいなのが起こるのもわかります。

それはそれとして、クリスマスというものを、日本流に、あるいは自分流に楽しむのもまたいいものです。私は、街がキラキラして、楽しい雰囲気になっているのが好きです。

みなさまもよき1日をお過ごしください。

image by: MMpai / Shutterstock.com

1日1粒!『幸せのタネ』この著者の記事一覧

「楽しく豊かな人生」を送るために役立つさまざまな気づきを,「学び」をキーワードに「幸せのタネ」として毎日お届けします。 心の土壌に「幸せのタネ」を蒔いているうちに,芽が出て,本葉が広がり,いつしかあなたの人生を楽しく豊かなものにかえていくはずです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 1日1粒!『幸せのタネ』 』

【著者】 1日1粒!『幸せのタネ』 【発行周期】 日刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け