読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「居住用マンションを今買うべきか、東京オリンピック後まで待つべきか」を悩んでいる32歳の既婚男性からの質問です。これから家族が増えていくことを考えると早めの購入が良いような気もしますが、永江さんの出した答えは?
いま、マンションを買うべきか?
Question
32歳・配偶者ありの男です。今マンションを買った方がいいか、それともオリンピックなどが終わってから買う方がいいか迷っています。こちらの記事に2017年マンションの平均販売価格が、「1990年以来、27年ぶりの高水準だった」と書いてあることや、 建築関係の人件費が上がっているため販売価格が高くなっていることから、今マンションを買うと高くつくと思いますので購入に及び腰です。
また今後はオリンピックによる建設ラッシュがひと段落することや、2022年生産緑地が終了するので宅地が多くなること、空家が増加していることもあり数年後は販売価格が安くなるのではないかとも思っております。
しかし、家賃を数年払い続ける場合に、販売価格が数年の家賃の費用ほど下がらないのであれば今買った方がいい気もします。永江さんならどうされますでしょうか?
永江一石さんの回答
どんなマンションかによっても変わりますが、投資用ではなく、いわゆる郊外の居住用マンションを買うのは止めた方が良いです。地方なら尚更お勧めしません。
何度もブログに書いてますが、人口があと50年で3割も減るので住宅は余り、値段は確実に下がります。地方では特にその傾向は顕著で、働き口がなくなり、おじいちゃんおばあちゃんを田舎に残して東京に働きに出るのでさらに高齢化と人口減少、空き家問題に拍車がかかるでしょう。
東京は30年後ぐらいから人口減少が起こるので少しタイムラグがあって、団塊の世代とその一回り下の世代が70~80歳になって都内のマンションには住めなくて引っ越すことがあるかもしれません。でもそのときに探すのは、駅近くで1階がスーパーで2階が病院と接骨院みたいな、出歩かなくて良い老人にとって楽なマンションですよね。若年層がマンションを買えない中で、高齢者が郊外の駅徒歩10分以上でスーパーも遠いような住宅は誰も買わなくなります。
投資用のワンルームマンションで、都内にあって新橋まで15分でいけるような利便性が高いものは値下がりしないと思いますが、郊外の居住用マンションは値下がり確実で、需要があって多少でも値下がりが少ないのは駅近くで利便性が高いものに限られるでしょう。数年後には販売価格も大きく値下がりすると思います。
賃貸で住むのがもったいないとありますが、実際家賃払うのと購入するのとでは購入する方がお金がかかります。マンションもリフォームや立て直しのために毎月数万の積み立てや管理費を何十年も払い続けていますし、戸建ても外壁塗り直したら1回100万以上とか平気でかかりますよ。うちも戸建てですが、先日内壁と痛んだキッチン直したら300万かかりました・・
ただ、いま居住用の物件を買うと高いし値下がりも確実ですが、家賃をドブに捨てるのが嫌という価値観もあるでしょうし、一国一城の主になるという所有欲もあると思います。他にも投資用マンションをいくつか持って居住用は賃貸にしている人もいるので、そもそもなぜ住宅を買うのかをよく考えた方が良いと思いますよ。
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