仕事で失敗してしまったとき、「次は本気で頑張ります!」などと安易に口に出していませんか? 無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、「こういうことをいう人に限って一向に成長しない」とバッサリ。その理由について詳しく記しています。
本気で頑張る人は口に出さない
「次は頑張ります!」
「本気でやります!」
「今度こそ死ぬ気でやります!」
こうした言葉を使う人に限って、同じような失敗を繰り返してしまったり、成果が目に見えて現れないケースが結構多いように思います。ですが、それでもやっぱりまた同じようなところで同じようなことを繰り返し…、
「次こそは今まで以上に頑張ります」
「もっと本気でやります」
と同じ言葉をまたまた繰り返すのです。本気で頑張ることは、もちろんいいですが、その言葉を免罪符代わりに使っているようではいつまで経っても同じようところでつまずいたり、失敗したりするのがオチです。
たとえば、毎月結果を残せない営業マンがいたとして、上司からゲキを飛ばされたとします。そのときに「来月こそは頑張ります」なんていう返答しかできないようでは駄目です。まして上司は、そんな言葉を待っているのではありません。来月こそ結果を出せるように頑張るのであれば、その頑張り方を具体的に知りたいのです。どのように考えてどのように取り組むのか? これまでの取り組みに対してどこをどう改善すればいいのか? など、具体的な施策を示してほしいのです。そうしたことを示せて、はじめて「来月こそはほんとに頑張るんだな」と感じてもらえるのです。本気でやります、頑張ります、なんて言葉は誰でも言えることです。厳しいようですが、ビジネスマンとしてそんな言葉しか出てこないのは論外です。
コンサルタントの依頼をされるときに「本気で取り組みます」という経営者が時々います。ですが、数ヶ月経っても一向に何かが変化した、成長したという様子を感じとれないので、それとなく聞いてみると「いやっ、意識が高まりました」とか、「モチベーションが上がりました」というようなことを言います。それも同じようなことで、結局、上辺だけなのです。
実際、本当に本気で取り組む人というのは、そもそも「本気でやります」「本気で頑張ります」なんてことをわざわざ言いません。そんな言葉より、「次は、こうこうこうやって、これをこうしようと考えていて、実際準備に取り掛かっています」とか、「この数ヶ月、このように取り組んでみたところ、こうなりました。だから次はこうしようと思いますが、それについてヒントになるようなことはありませんか?」というような感じで、実践ありきの具体的なことをこちらから尋ねる前に言ってこられます。
本気、本気と言うけれど、それが本当なら、常に具体的でいるはずなのです。そして、コツコツとでも継続的に取り組んでいるはずなのです。来月こそは頑張る、というけれど、それが本当なら、今月の改善点、修正点を明確にし来月の施策・段取りを具体的に示せるはずなのです。
また、本気で頑張る、という言葉を使うと、「なんだか熱い思いがある人だな」というようなイメージもありますが、それが本気で頑張ることと必ずしもイコールではありません。そもそも言葉にせずにとも、みんな本気で頑張っているのですから。
本当に本気で頑張る人というのは、時間は様々ですが、行動変容や変化、成長が、ハッキリと見て取れる人なのです。
■今日のまとめ
『本気で頑張ると口に出しているうちはまだまだ。』
- 本気で頑張るとはどういうことか?自分なりの考えを書き出す。
- 書き出したものを現在の自分の仕事ぶりに当てはめてみる。
- 社内でも「本気で頑張る」とはどういうことか?話し合ってみる。
- 話し合ったことに沿ってみんなが本気で頑張れるようにするためにはどんな工夫ができるか? 考えてみる。
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