スマホひとつあれば生活に必要なほとんどのものが買えるようになった現代、「リアル店舗」の存続が危ぶまれています。飲食業もその例に漏れないとするのは、飲食店コンサルタントの中西敏弘さん。中西さんは自身の無料メルマガ『飲食店経営塾』で、お客様に足を運んでいただける魅力的な「リアル店舗」の必要条件について記しています。
あなたの店には、「店に来てこそ味わえるもの」ってありますか?
最近、出前を頼む機会が増えてきました。僕が住んでいる浅草は「出前館」というサイトが利用でき、この出前館を利用する店も増えてきたのが要因です。今までは「お寿司」「ピザ」「カレー」ぐらいしか選択肢がなかったのですが、ハンバーガー、中華、丼もの(かつ丼、ビフテキ丼など)、もつ鍋なども出前で頼むことができるようになりました。
テレビでも、有名店の商品の出前を代行するサービスが紹介されたりと、今まで以上に、出前を活用する人も増えてきそうな気配があります。
先日も、某有名ハンバーガーチェーン(マックさんではありません)も出前をしていることに気づき、ちょうど客人が来ていて、「ハンバーガーでも食べるか!」ということで、スマホでピ・ピ・ピと操作すると、30分後には商品が配達され、とても便利になったなあっと感じていました。
すでに、物販では、アマゾンや楽天などで欲しいものがあれば、自ら店舗に行かなくても、スマホを操作すれば次の日、もしくは当日に商品が届くようになり、わざわざ店に行く必要もなくなってきています。
また、家電などは「リアル店舗」でモノ自体を確認するだけで、あとは、どこで安く売っているのかをネットで調べてそっちで購入するというのが、一般的になってきています。
飲食店も同じように、今後、出前需要が高まるとすると、「リアル店舗」の存在意義が問われるようになりそうです。単に「『料理』を食べるだけなら、出前で十分!」というだけの店は、どんどんお客様が「店に来店してもらえる」ことが減ってくるかもしれません。だからこそ、「店に来てこそしか味わえないもの」をお客様に提供することが大切になってきますし、それができなければ「来店客数」はどんどん減ることになるかもしれません。
「店に来てこそ味わえるもの」って何だろう?
- 料理は、「出来立て感」や「シズル感」が味わえるものがある
- スタッフが、料理に合う飲み物を提案してくれる
- スタッフが、ストレスなく食事をサポートしてくれる
- 店がいい意味での”喧騒感”があり、食事をしていて楽しい空間である
- 食材、ドリンク等の色々な知識を知る事ができる
- 「さすがプロだ!」というような料理を作っているところが見れる
- 目の前で調理してくれる
- 元気なスタッフを見ることで、自分自身も元気になれる
- 一人でふらっと行っても、スタッフが大事にしてくれる
などなどが、パッと浮かんだもの。こういうことを店が「提供」できないと、「リアル店舗」の価値はどんどん下がっていくかもしれません。さて、あなたの店には、「リアル店舗」だからこそできる、「店に来てこそ味わえるもの」ってありますか?
image by: Shutterstock.com