商品の案内パンフレットが送られてきただけの会社や、逆に今すぐ決断してくださいとプッシュしてくるような会社は、お客様から選ばれないのはなぜでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、商売において常に「正直な情報提供や判断材料を提供すること」を心がけ、お客様から信用を得ることの大切さについて詳しく解説しています。
信用を売る
極々当たり前のことですが、商売には信用が必要です。これが無ければ、商売は成立しません。でもそんな青臭いことだけではそれこそ商売なんて出来ない、ということもよく分かります。それでもやっぱり、信用というのは、必要且つ最も大切なことです。
たとえば、あなたがAという商品に興味を持ったとします。そして、商品Aを扱っている1~3社に問い合わせや資料請求をしました。
1つ目の会社からは、Aという商品の案内パンフレットが送られてきただけ。
2つ目の会社からは、Aという商品がいかに素晴らしく他社製に比べどこが優れているのかが事細かに説明された資料が送られてきて、その後、今すぐ決断してくださいとプッシュしてくる。
3つ目の会社からは、Aという商品の説明資料とパンフレットが入っていて、分からない点や不明な点はご連絡くださいと添えてあった。
あなたならどの会社を選びますか?
3つ目ですよね。
商品に興味はあるもののどうしようかと悩んでいるときに、とにかく必死で売り込みをかけてくる会社を選ぶことは避けると思います。なぜなら、どうしようかと悩んでいる時には、自ら決断をしたいという意識が働いていて十分に検討する時間を欲しているからです。そこのところも分からずに、これ見よがしに売り込んでくる会社には余裕を感じません。
「今売れればいい」
「とにかく売上げたらいい」
というものしか伝わってきません。
それとは逆に、3つ目のように「売り込んでこない会社」はどうか?
「よくご検討ください」
「質問やご意見があればご連絡ください」
と、あくまで相手任せの決断を待ちます。こういう会社の方が信頼できますし信用度も高まります。目先の利益にがっつくことなく、相手のことを尊重し、検討してもらう時間を奪うことをしないからです。裏を返せば、商品に自信があるということも云えます。
また、
「弊社を選んでくださらなかったお客様は、こうこうこういった理由で他社を選ばれているようです。弊社を選んでくださったお客様は、こうこうこういうところで選んでくださいました」
ということまで正直に伝えるという会社もあります。正直にお客様に伝えるので、今回は成約に至らなかったとしても、次回は、条件が合えばその会社と取引しようかな、と考えるのです。
目先の損得勘定だけで商売やビジネスをしていれば、こうした応対はできません。
「信用を売る」ということは「今までの実績はこうです」というようなことを伝えるだけでも、「商品がいかに良いものか?」をアピールすることでもでなく、他社の方がお客様にとってベストならばそちらを選ぶべきというなど、正直な情報、判断材料を提供していくということです。
それがお客様に対する誠実さです。
そうした誠実さが、その時に選ばれなくとも、今後迷ったときに「相談してみようかな?」などと縁を生むのです。それが1つ、信頼関係を深めていくことにもなりますし、長く愛される会社やお店として常に成長、発展していく源となるのです。
一方、これ見よがしに売り込んでくる会社やお店は、裏返していえば、お客様と長く付き合えるチャンスを自ら放棄しているのです。
正直な情報、判断材料の提供こそが、信用を育んでいき、そのことを通じて商売やビジネスへの自信であったり、思いというものが、伝わっていくのです。
■今日のまとめ
『正直な情報提供や判断材料を提供すること。』
- お客様が購入の検討をしているときに、どのような情報提供、あるいは、アドバイスを差し上げると良いか? 考えノートに書きだす。
- 上記のことを社内でも話あってみる。
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