うちの業界ではちょっと…という言葉、ビジネスマンなら一度は耳にしたことありますよね。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんによると、企業へアドバイスする際、「うちの会社では無理」「業界が特殊だから無理」という声をよく聞くそうです。しかし、中久保さんは「そんなもの関係ない」とバッサリ。その硬い殻を破らなければ、いつまでたっても業績が上がらないそうですよ。
うちの会社は、業界では、という思い込み
マーケティングや営業に関する相談を受けて一緒になって考えたり、アドバイスを差し上げたり…。ケースによっては、「以前、○○会社ではこんなことを試して上手くいったのですが御社のヒントになりませんか?」と、他業界での事例を提案してきたのですが、こうした時決まって、「いやぁ~うちの会社では無理ですね~」とか「うちの業界は特殊ですから、思い切ったことをすると周りから睨まれたり、叩かれたりするので、厳しいです」というような返事を返す人がいました。
で、結局は今までどおりの手法に沿っていき、パッとしない状況が続きます。パッとしないだけならまだしも、ジワジワとジリ貧になっていく会社も多くありました。クライアント自身が決断することなので、別に良いのですが、現状を打破し、殻を破り、さらなる成長や発展を目差すのであれば業界の慣例やこれまでのやり方に固執してしまうと思考、行動の停止から完全にブレーキとなり、決して現状以上の成長や発展は見込めません。
他社で上手くいった成功事例をそのまま当てはめろというのではなく、成功事例をヒントにする、ということは、応用力が求められます。そう、応用するには、思考しなければなりません。行動も共にしなければなりません。それが、面倒だったり、やったことがないというだけで、「うちの会社では…」とか「うちの業界では…」などと言っているのです。
あるいは、知らず知らずのうちに「うちの会社は…」「うちの業界は…」という思い込みにより築かれていった固定概念を壊すことが出来ずに視野や発想を狭めているのです。そして、応用がいらず自社にそのまま当て込むことができたり、固定概念を崩さないまま使えるノウハウや法則、テクニックなどを探し求めるようになるのです。そのほうが楽だからです。
マーケティングや営業に「うちの会社は特別だから」「この業界は特殊だから」というのは、ほとんど関係ありません。どんな商売やビジネスであっても本質は同じであり、シンプルなものです。かつて、マーケティングや営業という言葉すら無い、近江商人や江戸商人の時代から商売やビジネスは続き発展してきました。
そうしたことよく理解しておかないと今まで通り何も変わらず、目先の対応だけでいっぱいいっぱいになり、新たな思考も施策も出てきません。思い切ったことも出来ません。つまり、いつまで経っても殻の中でグルグルと回り続けるのです。
逆に、本質は同じであるということをきちんと理解していれば、目にするもの、聞いたもの、全てがヒントになることだってあり得るのです。そして、それらのヒントから自らの思考と行動の幅を拡げていくのです。その幅が拡がっていることを実感したとき、殻は破られ、新たな発展や成長ができるのです。
うちの業界は特殊ですから、うちの会社は特別ですから、と言っているうちは、まだまだ殻を破ることはできません。
■今日のまとめ
『自社、自分の業界が特殊、特別というのは思い込み。』
- 自社のマーケティングや営業のヒントになることはどこにあるか? 考え列挙してみる。
- 列挙したものから「なぜヒントになると考えたのか?」理由を書き出してみる。
- 上記2点から、ヒントとなるものをどのように活かすか? 実践レベルでまとめ、社内でも共有する。
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