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毎日働きながら給与額ばかり考えてる人に限って不満が多い訳

2019年4月の施行が決定した「働き方改革法案」ですが、労働現場から聞こえてくるのは、「給与はどう変化するの?」という疑問が多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では、著者の松尾英明さんが実体験を元に、雇用条件の急変度合いが一般企業より遙かに少ない公務員に話題を据え、恵まれた雇用環境と給与体系に慣れると不満も増加傾向だと指摘、個人の意識改革も時として必要と記しています。

「給料が3分の2になった」をどう考えるか

師の野口芳宏先生からの学びのシェア。野口先生がこんなお話をされた。定年退職を迎えて、再就職した人と話すと「給料が3分の2になった」という話になる。この後の反応が、大きく二つに分かれるという。

一つは、「同じ働きなのに安い給料でやってられない」という反応。まあ、そう考えるのが普通である。もう一つは、「現役の頃は何て高い給料を頂いていたのか、恩が身に染みる」という反応。

どちらも、境遇は全く同じなのである。不平不満の人生か感謝満足の人生か。どちらが幸せかは、明白である。これを、定年退職した人の話と受け止めてはいけない。現役バリバリで働く人たちにも十二分に当てはまる話なのである。

ちょうどその1週間前、私は父と二人で酒を酌み交わしながら、これに近い話をされた。私の父は、建築の仕事である。65歳を過ぎたら、一気に給料は減る。それでも、仕事がもらえるだけで、有難いという。

さらに「公務員は叩かれるつもりでいろ」とも忠告された。

一般の業界からすれば、これほど社会的に保護された立場はないという。「使えないからクビ」「態度が悪いからクビ」「会社の経営がきついからクビ」など、他の業界では当たり前のことだという。明日、家族の生活がどうなるかわからないのである。「そういうことがまず起きない」というだけで、もうとんでもない優遇された立場だという。

そういう諸々に、感謝しているだろうか。給料が安いとか労働時間どうこう言う前に、それほど「働いて」いるだろうか。貢献できているのだろうか。本当に、自分たちの仕事が、公務員ではない一般業界と比較して、大変なのだろうか。日々の授業を工夫できたり、かわいい子どもたちと過ごせたり、むしろ、感謝すべきことの方がはるかに多いのではないか。

働くとは、「傍を楽にすること」という。周りを幸せにした度合いへの見返りとして、給与がある。そう考えると、その職に就いただけで一定の給与が頂ける立場が保証されているというのは、おそれるべきことである。

何でも、登るのは大変だが、転げ落ちるのはすぐである。水は低きに流れる。気を付けないと、不満不満と堕落の道を辿ることになる。

何事も、勉強である。「努力否定論」もあるが、やはり、基本的に人間は苦労するのがいいのではないかと思う。

「働き方改革」は、必要である。しかしながら、これは「楽していい給料をもらうようにしよう」ということではない。苦労して働き、給料を頂ける有難さを見直したい。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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