ビジネスシーンなどでもよく耳にする「その時がきたらやります」というニュアンスの言い訳。何にでも通じる万能な言葉のようでもありますが、これを「アウトな言い訳」とするのは、人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは自身の無料メルマガ『ビジネス真実践』でさまざまな例を上げながら、なぜこんな言い訳がNGなのかを説いています。
アウトな言い訳
「もう少し売上が伸びたら店内の改装をします」
「お客様が増えてきたらスタッフを増やします」
「この商品がヒットしたら次の新商品を考えます」
「有名になったら講演します」
「今いるスタッフが育ってきたら次の展開へ進みます」
「貯金が○○たまったら起業します」
「上司がYesと言ったら採用します」
「時間に余裕が出てきたら取り組みます」
などと「これがこうなったらこうします」という人は多いのですが、あなたは大丈夫ですか?こうならないと動けないというのは、行動力が無いだけでなくお客様や取引先のことを考えているようにも映りません。
たとえば、店内の内壁が老朽による染みが目立ってきたとします。そんなお店が、「売上が伸びて余裕が出来たら店内の改装をする」ということでは、改装するまでお客様に不快感を与えながら営業しているということになります。スグに改装できなくともお金をかけずに工夫できることはあるのにその工夫すら考えない。よって、不快感を感じたお客様はリピートしてくれません。
「お客様が増えてきたらスタッフを増やす」というのは、その場その場でサービスを提供しているに過ぎず、常に接客の準備が出来ていないということになります。よって、お客様が増えたとき、スタッフを増やしてもサービスは行き届きません。スタッフが増えても同一レベル以上のサービス提供をするための工夫はいくらでもできます。
「現在ある商品がヒットしてから次のものを生み出そう」というのは、常に顧客のニーズがどこにあるのか?ということを把握しようとしていないのです。市場や顧客の声に耳を傾けるためにできることはいくらでもあり、それらを常に把握管理しておかないと、現在ある商品がヒットしようがしまいが、新商品は上手く行きません。
「有名になったら講演します」という人はその道のプロである、という自覚がありません。有名ではなくてもその道のプロの話を聴きたいという人はいるもので、そうした人たちに向け情報発信をすることは、現在の時代すぐにでもできることです。そういうことを考えて行動しなくては、たとえ有名になっても講演なんて出来ません。
「スタッフが育ったら次の事業展開へ」ということでは後手後手で戦略もへったくれもありません。次の展開を視野に入れているのであれば、その準備をスタッフに任せるというくらいで計画し実行しなければスタッフは育たないし次の展開も何もありません。あるいは次の展開の為にいついつまでにどのような人材が必要か?外部から招聘することも必要なのか?新たに人材募集しなければならないのか?ということも同時に考えておかなければなりません。
「貯金が出来たら起業します」では、おそらく何年経っても起業できません。いつまでにいくら必要で、そのために現在から何を準備しなければならないのか? お金以外に必要な準備はなにか?貯金が出来るまでにやることはたくさんあるはずです。そのことを今から実行していかないと起業なんて無理です。
「上司がYesでなければ“こと”を進められない」というようでは、いつまで経っても二流のビジネスマンです。上司がYesと納得するために企画を練り直し、いつでもプレゼンできるように準備しておくのが一流のビジネスマンです。上司のYesが無いと動けないというのは、ただ、準備を怠っているのです。
「時間に余裕が出来たら取り組みます」という人は時間に余裕が出来て取り組んでも、たいした成果を挙げることは出来ません。出来る人は、時間に余裕が無くても取り組む時間を作り出します。忙しいときほどこなしていくのが出来る人で、結果がどうであれ取り組む姿勢により信頼も信用も厚くなり、どんどん大きな仕事を任される存在になっていきます。時間の工夫は誰でもスグにできるものです。
こうしたことを書き出したらキリがありませんが、要は、出来ないことへの言い訳は誰にでもどのような場面でも起こりうるということです。そうした場面に直面したときに言い訳せずに次の行動が取れるか?そのための準備がいつも出来ているか?ということが重要です。
とはいっても「タイミングもあるし…」なんてことを言いたくなる人もいるかも知れませんが、タイミングは常に準備をできているからこそであって、「そのときがきたら」では遅いのです。どんな場面でも言い訳せずに常に対応できる準備は日ごろからできていますか?
■今日のまとめ
「日々準備しているからチャンスがある」
- ○○があればやります、○○がないとできません、など言い訳しない為には常日頃からどういう意識や準備が必要か? ノートに書き出す
- 社内でも話し合う
- 話し合ったことを社内で徹底するにはどんな工夫が できるか? ノートに書き出す
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