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ビルの空きフロアを野菜工場に。ニッポンの農業の未来が明るい訳

日本の農業従事者は減少の一途をたどっていますが、天候に左右されず、農薬も不要な「野菜工場」が我が国の「農」を救うことになるかもしれません。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者の佐藤きよあきさんが、ビルの空きフロアでも展開可能な野菜工場の将来性について論じています。

ビルの空きフロアで、新たな農業を!

野菜工場」が注目されています。LEDライトや光ファイバーで取り込んだ太陽光を照射し、スポンジ状の培地に植えた種には、栄養素を含んだ水が与えられています。温度調整された建物内で栽培される上、土を使っていないので、病気や害虫の心配も少なくなります。すなわち、農薬を必要としません。また、栄養素を充分に与えられるため、1株に必要な栽培面積が少なくて済みます

さらに、土が不要なため、団地・マンションのように、何階建てにもできます。つまり、同じ面積でも、作ることのできる量が露地栽培の数倍になります。ビルの空きフロアでも栽培できるので、都市部の空き部屋問題も解決できます。

「野菜工場」を称賛するつもりはありませんが、まだまだ魅力はたくさんあります。露地物と違って、農薬による土壌の汚染がありません。農薬を使わないということは、「安全・安心な野菜だと言えます。天候にも左右されないので、計画的生産ができ、生産効率は非常に高くなります。自然災害が多くなっているいま、その有益性を実感できるのではないでしょうか。

また、温度・湿度・栄養などをすべて管理できるので、促成栽培ができ1年の収穫回数が多くなります。しかも、病気・害虫の被害が少ないので、廃棄率も低くなります

工場産野菜を食べた人の感想としては、「苦みが少なくやわらかい」「食べやすい」という声が圧倒的に多いのです。栄養面では、露地物に劣るだろうと思う人も多いかもしれませんが、データ的には、むしろ工場産の方が栄養価は高いようです。

ここまで解説すると、「野菜工場」にデメリットはないように思うでしょう。しかし……と、否定したいところですが、まさにその通りなので、仕方がないのです。

「自然じゃない」「健康的じゃない」「進むべき道を間違っている」。

そんな意見も出てくるでしょうが、それは感情論であり、“工場というイメージの悪さでしかありません。

完全無農薬・有機農法ではない、一般的な野菜づくりは、農薬や化学肥料漬けにされた不健康極まりないものです。あなたが食べているものは、ほぼ間違いなく、そんな野菜です。

それに比べれば、「野菜工場は安全で安心

企業のやることなので、100%信頼することはできませんが、農薬漬け野菜よりはマシです。農業従事者も減ってきているので、「野菜工場」は生産量を増やす意味でも、期待できます。同じ面積で数倍の量を作ることができるので、食料自給率の向上にも貢献します。

すべてを「野菜工場」にする必要はなく、またできはしないのですが、理想のカタチとしては、有機農法と野菜工場野菜のすべてを賄うことです。現実的ではないかもしれませんが、そこを目指すことが、これからの日本の農業には大切なのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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