都会ではそこかしこで目にするコンビニエンスストア。手軽で便利という意味の「コンビニエンス」ですが、地方ではコンビニに車で1時間以上もかけてまで行く人もいるのだそうです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者の佐藤きよあきさんが、そんな行動心理を読み解くことが地方でのビジネスチャンス発見につながると説いています。
地方の人は、1時間半掛けて「コンビニ」に行く!?
都市部では、あって当たり前なコンビニ。昼食にはお弁当やおにぎりを買い、休憩ではコーヒーやドーナツを。寒い夜には、おでんや中華まんを買って帰ります。朝から晩まで、1日に何度も足を運ぶ、非常に便利な場所です。
私も都会暮らしの頃には、駅から自宅までの7~8分の間に、4、5軒のコンビニがあり、買うものや気分で使い分けていました。
コンビニの品揃えは面白く、購買意欲を掻き立てます。ホットスナックやスイーツなどは、次々と新商品を出し、買うつもりはなくても、つい手を出してしまいます。大袈裟な言い方かもしれませんが、生活の一部となっていました。利用しないことなど、考えられないのです。
しかし、私は田舎に移住しました。もちろん、近くにコンビニなど存在しません。普通の小さなスーパーでさえ、車で30分は掛かります。コンビニがないことで、困ることはありません。慣れれば、どうということもなし。憧れて田舎暮らしを選んだのだから、それくらいは気になりません。
ところが、テレビからはコンビニのコマーシャルが流れてきます。次々に魅力的な商品が誕生し、「ほら、美味しそうでしょ!」と誘ってきます。田舎暮らしの身には、非常に刺激的です。「たまには食べたいなぁ~」となります。私は移住組なので、刺激への耐性はありますが、ずっと田舎で生きてきた人たちには、有り余る魅力が悩ましいことだと思います。
行ってみたいという欲求は、大きな憧れとなります。すると、彼らは欲求を満たすための行動に出ます。もっとも近いコンビニを探し、車で行ってしまうのです。「1時間半掛けて、セブンイレブンに行く」という話を聞いたことがあります。高速道路を使って行く人もいます。たかがコンビニに、です。
私はそれをバカバカしいとは思えません。車で2時間掛けて、「ミニストップ」に行ったことがありますから。ソフトクリームを食べてみたいと思ったからです。
田舎の人にとってコンビニは、それほど魅力ある存在なのです。ある意味、遊園地に行くのと同等の“レジャー”だと言っても良いでしょう。家族みんなで行くのです。都会の人には想像もできないことでしょうが…。“たかがコンビニ”に憧れを抱くのです。
こうした心理を読み解けば、地方に眠るビジネスチャンスが見えてくるはずです。
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