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本当にあった話。大繁盛していた企業が一気に顧客を失った理由

目先の利益を重視するコンサルタントの言うがままに経営を行うと、どのような事態に陥ってしまうのでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者の中久保浩平さんが、それまで順調な業績を誇っていたとある企業が、有名コンサルタントのマーケティング法を取り入れた結果見舞われた、最悪の結末を紹介しています。

目先の結果だけで、どや顔するコンサルタント

目先の利益を上げさせることで「言ったとおりになったでしょ?」と、どや顔のコンサルタント。ここまでいかなくてもそれに近いコンサルタント(自称が多い)はたくさんいます。

果たして、目先の利益が上がったからといってそれでいいものでしょうか?「別にいいじゃないですか、目先でもなんでも利益になってるのだか…」という反論があるかも知れません。ですが、それこそ毒なのです。

コンサルタントの言われるがまま目先の利益を追い実際に利益が上がると中毒になります。いってみれば、ギャンブルにはまってしまうようなものです。目先の利益ばかりに目が行き、大局的に物事を見る力がいつのまにか失われていき、短期的且つ局部的にしか物事に取り組めなくなっていくのです。

そうなってくると視野は狭まり、知らず知らずのうちにドンドンと軸がブレていき、なんでもアリの商売やビジネスに退化していくのです。しかも必死で自転車漕ぎながら。当然、こうなってしまうと利益にしか目がいきませんから、お客さんのことは全て数字に見えてしまいます

チラシやDMを出せば、反応率がどうだ?とか、来店したお客様に対して、アップセルは出来ているか?とか、コラボとかなんとかいって「儲かりそう」というだけで新規事業に乗り出す、など。本質からズレて暴走していく瞬間です。

目先を追うと「それで上手く行くから大丈夫」という錯覚に陥ります。さらに、それを錯覚だとは思わなくなります。結局、疲労困憊で後々衰退していく典型パターンです。

実際にこんなことがありました。その会社はある地方の田舎町でシェアを独占しているホームクリーニングサービス会社でした。

スタッフの懇切丁寧なサービスがウケ、田舎町に住むお年寄り達にとっては力の要る清掃や片付け、外周りの清掃などが大変ということもあり、とても重宝されていました。(家屋が大きなお宅がほとんどのため)また、気さくな対応も評判が良く、数ヶ月に1度訪問するこの会社のスタッフを都会に出て行った子供のように迎えてくださるお客様も多い。ほんとに素晴らしい対応、サービスを提供していたのです。

しかし…。

某著名コンサルタントの本を愛読していたこの会社の社長。マーケティングで儲ける方法、というものにすっかりはまってしまい、数ヶ月に1度訪問する大切なお客様へ自社提供サービスとは関係のない健康関連グッズを販売していきました。

信頼関係の出来上がっているお客様ばかりなので、最初は飛ぶように売れたのです。味をしめた社長は次から次へ健康グッズを仕入れ販売をしていきました。すると、わが子を迎えるようにして下さっていたお客様から「もう来てなくていいというようなクレームが相次ぎました

この時、社長は気がついたのですが時既に遅しです。

一度培った信頼関係を修復するのは、ゼロから信頼関係を構築していくよりはるかに難しい。目先の利益を追うことで最も大切なものを失ってしまったのです。結局、安定していた本業での売上も激減してしまいました。本末転倒です。

ということで、「簡単にこうすれば儲かる」とか「短期的に売上を伸ばす」などといった、目先の利益を追わすような情報やそんなものを提唱するコンサルタントには十分注意してください。目先の利益を追うリスクは思っている以上に高いものです。

一過性の売上と反比例して信頼や信用といったものは一気に崩れ去っていきます。一時凌ぎの売上は結局一時凌ぎにしかならない。それどころから後で益々苦しくなる一方です。

■今日のまとめ

「目先の利益を追わせるコンサルタントの話は聞いてはダメ」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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