多くの経営者に日々アドバイスや提案を行っている、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さん。そんな中久保さん、実はMBAや中小企業診断士などの資格を保持していないのですが、それでも多くの顧客から絶大な支持を受けているといいます。果たして、その理由はどこにあるのでしょうか。今回の記事では、中久保さん自身がその答えを明かしています。
あなたの会社のプロではない
「コンサルティング」とは「相談に乗ること」であるため、広義で考えてしまえば、ほとんどの企業が取引先に対してコンサルティングを行っている、と言う見方も出来る。そのため、現在では「コンサルティング」を社名に使用したり、業務領域に追加している企業が乱立状態にある。
また大手企業の業務領域などにおいても、保険会社の営業職や、転職斡旋企業の代理人なども、顧客と「相談する」という観点からコンサルタントを名乗る場合があるが、これらは個人をクライアントとする業務であり、従来意味されてきたコンサルティング、コンサルタントとは根本的に異なる職種である。
(ウィキペディアより)
コンサルタントを名乗るヒトは実際どくれくらいの数がいるのか分かりません。その業務内容からコンサルタントと名乗ることは誰にでもでき、資格も不要です。こうした背景から、非常に有能なコンサルタントもいれば、胡散臭いコンサルタントもいるのが現実ではないでしょうか。とりわけ僕も胡散臭い部類に思われているのでは?と不安に陥ることがあります(笑)。
僕はMBAも中小企業診断士などの資格も持っておらず、自身の経験値から中小企業や店舗、あるいは個人のコンサルティングをさせてもらっています。
※詳しくは書籍『ビジネス真実践』をご覧下さい。
実際、これまでのご依頼頂いた多くのクライアントは、依頼する前、僕のことを怪しいと思ったと思います。資格もなけりゃ、コンサル会社で働いていた経験も無いわけですから…。それでも僕に依頼下さるのは何かしらの理由(決め手)がありました。その理由を聞いたものをざっとまとめてみると…
- 分かりやすいため実践向きである
- 正直であるから信頼できる
- 上から言わない
- 一緒に考え、一歩一歩進んでくれる
- 自社のことだけでなく、自社のお客様、取引先のことまで考えてくれる
- 思いもよらないアイデアを提案してくれる
こうしたものが多かったです。
僕は関西在住なのですが、それ以外の地域からのご依頼もあります。特に東京にはたくさんの有能なコンサルタントやコンサル会社がありますが、東京のクライアントさんにその辺りのことを聞くと、「構えておらず、分かりやすいから」といって、わざわざ交通費・宿泊費まで払ってでも僕を選んでくれるのです。
では、この「分かりやすい」とはどういうことなのか?これはもう、アウトプットの量に尽きます。僕自身、週2回のメールマガジンを配信し始めて11年目に突入しました。その発行の数の分だけ、常にアウトプットしてきたのです。
この量が僕の「わかりやすさ」の原点です。誰かに何かを伝える、という行動を繰り返し繰り返し行うことで
「もっと分かりやすく伝えるには?」
「どうすれば分かりやすく伝わるだろうか?」
「どんな表現だと内容が伝わるだろう?」
と考え打ち出していくようになります。つまり、常に読み手の立場に無意識のうちに立っているのです。これが生きているのです。結果、言葉や用語、実績云々でなく「立場に立っている」というところを感じて、ご依頼下さるのです。
そして、実際、立場に立って物事を考え、第三者の意見としてアドバイスをします。「こうすればいい」というよりは「こんなことはどうでしょう?」といった具合です。そうした打ち出を状況に応じて出していきます。
コンサルタントとは、確かにその道の専門家である必要があります。でも、説明やアドバイスをしてもその真意が伝わらなければ意味がありません。専門家であるが故にそれらしい用語を使って、このとおりにすればいいという指導をするものではないのです。予め用意した方程式やフレームワーク、答えなどに当てはめるのが指導ではないのです。
そして、もっというとあなたの会社のプロではないのです。
僕の主観ですが、コンサルタントというのは、答え無き答えをクライアントが自ら導き出す為の環境を作り、クライアント自身にその自力を養ってもらうよう指導し、導くことです。一過性の売上アップや集客アップ、顕在化されている問題解決など表面的な結果を導き出すのがコンサルタントではありません。また、よくあるコンサルティング営業というような類にある付加価値的なサービスを提供するものでもないのです。
■今日のまとめ
「コンサルタントはあなたの会社のプロではない」
- コンサルタントとは何か?社内で話し合ってみる
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