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トランプ元側近が断言「ファーウェイは人民解放軍そのもの」

3月8日、自民党本部で講演を行なった、トランプ大統領の元首席戦略官で過激な発言の数々でも知られているバノン氏。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは、自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、バノン氏特有の率直で攻撃的な発言の中でも特に目立った箇所を引用しながら、歴史的事実や背景を突き合わせ、対中強硬発言等の真意を詳しく解説しています。

バノンさん安倍総理と中国について語る

トランプさんの首席戦略官だったバノンさん。日本に来られていたのですね。8日に、自民党で講演されたそうです。何を語ったのでしょうか?

バノン氏「安倍首相はトランプ氏より前からトランプ氏」

朝日新聞DIGITAL 3/8(金)21:43配信

スティーブン・バノン氏

 

■スティーブン・バノン前米大統領首席戦略官(発言録)世界中に広がるポピュリストやナショナリストの草の根運動にとって、安倍首相は偉大なヒーローだ。トランプ氏や、(「ブラジルのトランプ」とも呼ばれる)ボルソナーロ氏らよりも前から、安倍首相は先進国のかじ取りをしている初めてのナショナリストだ。トランプ氏がトランプ氏である前に安倍首相がトランプ氏であったとも言えるわけです。
(8日、自民党本部での講演で)

安倍首相は偉大なヒーローだ」そうです。

安倍総理はナショナリスト」というのはその通りでしょう。しかし、私はナショナリストリアリスト」だと思います。トランプさんと違って、誰ともケンカせずにうまいことやっている。「安倍は、トランプのポチだ!」なんていう人は、世界情勢をあまり追っていないのでしょう。

こんな感じで、安倍さんとトランプさんは、「まったくといっていいほど意見が異なる。それでも安倍総理とトランプさんは仲良しなのです。これは総理の偉大な才能ですね。

ちなみに、安倍総理を絶賛しているのは、バノンさんだけではありません。あのルトワックさんは、「安倍総理はまれに見る戦略家だ」と語っています(『戦争にチャンスを与えよ』p63)。

北朝鮮の核は、中国のせい

バノン氏「中国は最も野心的でアグレッシブ」

産経新聞 3/8(金)11:27配信

 

トランプ米大統領の元側近、バノン前首席戦略官兼大統領上級顧問は8日午前、自民党の外交部会などの合同会議で講演し、「有史以来、一番、野心を持ってアグレッシブに拡張主義に走っているのは、言うまでもなく中国共産党の過激分子だ」などと中国批判を展開した。

「有史以来、一番」かどうかはわかりませんが、今の世界で一番アグレッシブなのは中国で間違いありません。南シナ海であちこちに人工島を建設し、3,000メートル級の滑走路をつくり、実効支配を進めています。しかも、それらの場所は、ベトナムとかフィリピンが支配していた場所です。中国は、武力でこれらの場所を奪って、そこに滑走路をたてている。

バノン氏は「中国の技術は、日本、米国、欧州の偉大な企業からの強制技術移転やサイバー窃盗で100%成り立っている」と指摘。米中貿易協議について「この交渉は決して関税や、もっと大豆を買ってもらうとかの話ではない。中核をなす問題は、強制技術移転をやめさせることだ」と説明した。

これもその通りですね。まあ、アメリカが、「ソ連に勝つのに役立つ」と信じ、喜んで中国に技術を提供したという背景もありますが。

北朝鮮の非核化をめぐっても「中国に圧力の矛先を向けないといけない。何で北朝鮮がプルトニウムを兵器化して、弾道ミサイル技術を持つに至ったのか。経済的に今まで背後に中国がいるからだ」と強調した。

これもその通りだと思います。私は、「中国も北の核に困っている、困っている」という報道に接するたび、「中国のプロパガンダにやられてるな」と思っていました。というのも、北朝鮮の貿易の95%は対中国である。だから、北朝鮮は、中国との関係なしには生きていけない。別の言葉でいえば、中国は、北朝鮮の息の根を止めることができる。要するに、中国が望めば北の核を放棄させることができるということ。なぜ、中国はそれをしないのか?北朝鮮は中国にとって、「アメリカの攻撃を防いでくれる緩衝国家だから」です。緩衝国家は強い方がいい。

いま話題のファーウェイについては?産経新聞3月8日、別の記事には。

トランプ米大統領の元側近、バノン前首席戦略官兼大統領上級顧問は8日、都内で講演し、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が米国などの通信インフラに対して脅威を与えていることに触れ、「全ての電気通信網に入り込み、全ての人のデータを支配している」と危機感を示した。バノン氏は、華為を「中国人民解放軍そのもの」と指摘。中国政府の支援を受けて「(機密情報漏洩などの)大きな詐欺行為を世界中で行ってきた」と批判した。
(板東和正)

ファーウェイは人民解放軍そのもの」だそうです。昔からそうでしたが、バノンさんの話は、率直で刺激的です。バノンさんが政権に残って、影響力を保っていれば、対中国はもっと強硬だったのでしょう。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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