その場では大成功をおさめたように感じたとしても、後になって「ああしておけばよかった…」と後悔したという経験をお持ちの方、多いのではないでしょうか。無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんは、その後悔を「公開」することの重要性を、野球選手の金本知憲氏の引退会見を例に挙げながら解説しています。
後悔を公開しよう
イチロー選手の引退会見が記憶に新しいですが、私の場合、広島カープ、阪神タイガースで活躍した鉄人・金本さんの引退会見が未だに脳裏に強く残っています。
金本さんは、会見で「もっとやっとけば良かった。もっとやっておけばもっと違った成績を残せたかも知れない。若い選手には、上を見ればキリがないけどキリがないほどにやって欲しい。と伝えたい」と自身の悔いを交え語っていました。
フルイニング連続出場の世界記録を持ち、骨折しても右手一本でヒットを打つ、頭部にデッドボールを当てられても次の打席でホームランを打つ、まさに鉄人。そんな超一流のアスリートの言葉だけに非常に重みを感じたのと同時に、あれだけの選手であってもまだまだ悔いが残っているものなのか、とも感じました。
この言葉を聞いた若手選手は、「金本さんほどの選手でも…」と感じたに違いないでしょう。
さて、ビジネスや商売の世界で生きる我々にとっても悔いる機会というのは、多かれ少なかれあるのではないでしょうか?たとえば、お客様の前でプレゼンするも反応はイマイチ。プレゼン終了後、「もっと資料をわかりやすくしたほうが良かったか?」「伝えなきゃいけないことの半分も伝えることができなかった」など。
どんな仕事もプロですから当然、成果、結果を求めて全力で取り組みます。それでも、120%満足できることは、そうそうあるものではありません。
以前、某業界の経営者が集まるセミナーで講演をさせてもらいました。念入りに準備をし、本番も盛況、アンケートを見てもほんと涙が出るほどに嬉しいものばかりでした。でも、1週間が経ち冷静に振り返ってみると、「あそこで、もう少しこの話をすれば良かった」というものがポロポロと出てきました。これは私にとっての悔いることであり、次回へ活かすためのモノになります。
一見すると、満足した、成功した、というような結果であっても120%はありません。だから、それを次に活かそうとするのが学ぶことであり成長することなのでしょう。あるいは、満足や成功といった逆の不満や失敗であればなおさらです。
自分が全力で取り組んだことに対して、その瞬間はそれでいいと思いますが、その後に感じる後悔というのは、次に活かすための財産になります。後悔した事象の事実、時間を元に戻すことは出来ませんが、自分の糧にする、あるいは、金本さんが若手選手に向けたメッセージにあるように、後輩、部下、あるいは同僚へ伝えていく。このことよって、後悔は他人にとっても有益な情報となり、活力となります。
後悔したことをそのままにせず、有益化するためにあなたならどのような工夫をしますか?
■今日のまとめ
「後悔は公開することで他人にとって有益な情報・活力となる」
- 現在、後悔していることを思い出してみて列挙する
- 列挙したことを自分への糧にするにはどのような取り組みが必要か?考えノートに書き出す
- 列挙したことから「自分と同じ後悔はしてもらいたくない」ということを前提に誰にどのように伝えるといいか?考え、実際に伝えてみる
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