これからの時代に必要とされる「学力」は、単に勉強ができるというだけでなく、模範解答のない問題に立ち向かっていく力である、とも言われています。今回のメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、子どもだけではなく大人にも必要な能力のキーワードとして、ある学校の校長先生が提唱する「あたたかい学力」について解説しています。
「あたたかい学力」をつけよう
先日受けた、赤坂真二先生の学級づくりセミナーからの学び。
ある校長先生の言葉で「あたたかい学力」をつけようとのこと。つまりは「愛情ベースの論理」である。この「あたたかい学力」とは具体的にどういうことを指すのか、自分なりに解釈してみた。
こういうことを考える時、私は得意の逆思考である。「冷たい学力」を定義し、その逆を考えればよい。冷たい学力。それは、利己的な学力である。自分だけがよければいいという学力である。
逆に言えば、あたたかい学力は、利他的であるといえる。世に貢献する学力である。
冷たい学力。それは、冷たく凝り固まった学力である。応用が利かない。決められたテストに対し、機械的に決められたように答える学力である。公式の丸暗記などもこれに当てはまるだろう。
逆に言えば、あたたかい学力は、応用が利く学力である。模範解答の存在しない問題に対し、立ち向かっていける学力である。要は、あたたかい学力とは、クラス会議でつけようと目指す力そのものである。他に貢献し、仲間と協力しながら、自分たちで答えを求め、新たな問題を発見していく。これからの時代に必要な学力である。
子どもにつける学力の話のようで、これは大人にこそ必要である。凝り固まった思考をしていないか。身の回りにある様々な問題に対し「仕方ない」「そういうもの」と諦めていないか。いや、そもそも問題を問題と捉えていないことこそ、最大の問題点である。
子どもに「あたたかい学力」をつけられるよう、自分自身にその力をつけたい。
image by: Shutterstock.com